2023年1月20日金曜日

権順天(クォン・スンチュン:Kwon Soon-Chun)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

IBF世界フライ級王者。接近戦での連打が武器だったサウスポー。渡辺二郎戦、レネ・ブサヨン戦、鄭鐘寛戦(再戦・三戦目)を紹介します。

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権順天(韓国)

身長168cm:サウスポー

渡辺二郎 11R 負傷判定 権順天

(WBA世界J・バンタム級タイトル戦、1983年)

権:右ジャブ、左ストレート、左右フック

渡辺:右ジャブ、左ストレート、左右フック

(感想:渡辺がタイトル防衛。ランク1位の権。デビュー当初は試合数が少なかったが、次第に精力的にリングに上がるようになっていく。東洋太平洋J・バンタム級タイトルを獲得し、順調に防衛。渡辺と戦って判定まで行ったパクタイ・リポビタンを1RでKOするなど、これまで21勝(15KO)2敗1分。日本で初の世界挑戦。王者の渡辺は19勝(13KO)1敗。五度目の防衛戦。サウスポー同士の対決ではあるが、渡辺は足を使って距離を取りながらジャブ、左ストレート、権は接近して左右フックを叩きつけるスタイル。接近戦。権のフック攻撃。渡辺はディフェンス。4R、権の右フックがヒット。その後は、渡辺がジャブ、左ストレートのカウンターを細かく当てる。11R、互いに打ちに行ったところ、頭が衝突。11R終了後に負傷判定3-0。ダウンシーンは無し。権はタフでパワフルだったが、ジャブが少な目。ディフェンスされて空転するシーンが多かった。)


権順天 5R KO レネ・ブサヨン

(IBF世界フライ級王座決定戦、1983年)

権:右ジャブ、左ストレート、左右フック

ブサヨン:右ジャブ、左ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

5R:左フック、左ボディ、左アッパーで3度、ブサヨンがダウン

(感想:権がタイトル獲得。渡辺に負けた再起戦で権がIBF王座の決定戦に出場。ブサヨンはフィリピン人。勝ったり負けたりだったが、このところ連勝中。ソウルでの一戦。共にサウスポーで似たスタイル。速い右ジャブ、左ストレート。接近戦では互いにフック、ボディ打ち。共に力強く、パンチにはスピードがあるが、ディフェンスに差が。ブサヨンの左ストレートをブロックする権。攻めの姿勢とディフェンスで権が優勢。5R、左フックでブサヨンがダウン。さらに左ボディで二度目(斜め後ろからの攻撃だった)。最後は強烈な左アッパー。ブサヨンは立ったが、レフェリーは試合を止めた。権がパワフルに王座奪取。打ち合いながらも巧くディフェンスしていた。ブサヨンは左ストレートに伸びとパワーがあったが、当てさせてもらえなかった。後、ブサヨンはフィリピン王座(フライ級)獲得。)


権順天 15R 引分 鄭鐘寛

(IBF世界フライ級タイトル戦、1985年)

権:右ジャブ、左ストレート、左右フック

鄭:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

2R:右フックで鄭がダウン

10R:右フックで権がダウン

(感想:権がタイトル防衛。権の六度目の防衛戦は鄭との再戦(初戦は15R 引分)。鄭は勝ったり負けたりの選手だったが、勝つコツをつかんだか、このところ負け無し。手の内がわかっているというのもあって、互いに相手を警戒。鄭が左を使いながら右ストレートを狙う。迎え撃つ形の権は左ストレート、左フックで応戦。2R、タイミングのいい右フックで鄭がダウン。3R、鄭は左ストレートを食ってピンチ。その後、共にディフェンスしながら打ち合い。10R、右フックで権がダウン。終盤はさすがに疲れたかクリンチが多くなり、権はスリップしたり、ヒザをついたり(15R開始前、レフェリーがリング中央を拭き掃除)。最終ラウンド終了。熱戦に拍手する観客。判定はまたしてもドロー。かつて、東洋で行われるIBF戦はレベルが低い、などと言われた。しかし、ある人によれば、「名勝負」とは「力が拮抗する者同士の競い合い」を意味する、とのこと。この二人は実力伯仲。そういう意味ではこの試合は「名勝負」だった。)


鄭鐘寛 4R TKO 権順天

(IBF世界フライ級タイトル戦、1985年)

権:右ジャブ、左ストレート、左右フック

鄭:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:鄭がタイトル獲得。権の七度目の防衛戦は鄭との三戦目。基本的な戦い方は以前と同じ。接近戦でのフックの打ち合い。パンチを当てる巧さは権が少し上か。3R、バッティングで権が負傷。4R、鄭の右フックがヒット。ドクターが権のキズをチェック。「負傷引き分け」として両者の手が上がる。その後、裁定が覆されて「鄭のTKO勝ち」に。スッキリしない結末。ボクサーとしては権が少し上。しかし、この試合では鄭が強い右フックを当て、内容では鄭の勝ちだった(ような気がする)。ダウンシーンは無し。その後、権はブランクがち。IBF世界J・バンタム級王座に挑戦して二階級制覇を狙ったが敗北。それが最後の試合となった。)

①「WBA World Super Flyweight Title 

Watanabe Jiro vs. Kwon Soon-Chun」

②「vacant IBF World Flyweight Title 

Kwon Soon-Chun vs Rene Busayong」

③「IBF World Flyweight Title 

Kwon Soon-Chun vs. Chung Jong-Kwan」

④「IBF World Flyweight Title 

Kwon Soon-Chun vs. Chung Jong-Kwan」

渡辺二郎(Watanabe Jiro)のページ

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