WBA世界J・フェザー級王者。ジャブと左フックのテクニックで世界王座を獲得。兄も世界王者。ウィルフレド・ゴメス戦、鄭巡鉉戦、ロリス・ステッカ戦を紹介します。
レオ・クルス(ドミニカ)
身長166cm:オーソドックス(右構え)
①ウィルフレド・ゴメス 13R TKO レオ・クルス
(WBC世界J・フェザー級タイトル戦、1978年)
クルス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ゴメス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
13R:右アッパーでクルスがダウン
(感想:ゴメスがタイトル防衛。クルスは兄弟ボクサー。兄カルロス・テオ・クルスは名王者カルロス・オルチスから世界ライト級タイトルを獲得したが、飛行機事故で若くして亡くなった(1970年)。弟レオはその後にプロ入り。後の名王者ルペ・ピントールを破ったりするなどの実績を上げ、プエルトリコ・サンファンで念願の世界初挑戦。ゴメスはプエルトリコのハードパンチャー。ロイヤル小林をKOするなど、これが五度目の防衛戦。ゴメスが慎重に距離を取ってジャブを連打。クルスは振りの大きいフックを振るってバランスを崩したりする。ボディを攻撃するゴメス、時折パンチをヒットさせるクルス。11R終了後にもやり合う。12R、左フックでクルスが大きくグラつくがゴングに救われる(試合が終わったと思ったのか、ゴメスのセコンドがゴメスのグローブのヒモを切ろうとする)。13R、右アッパーでクルスがダウン。立ったが、レフェリーは試合を止めた。クルスは振りが大きかった。こういう大振りの選手は連打できなかったり、スタミナをいたずらにロスしたり、パンチも不正確だったりすることが多い。しかもゴメスはハードパンチャー。強打に押され、隙もある状態では勝ち目は薄かった。後、ゴメスはこのタイトルを17連続KO防衛。WBCのフェザー、WBAのJ・ライトを獲得して三階級制覇。)
②レオ・クルス 15R 判定 鄭巡鉉
(WBA世界J・フェザー級タイトル戦、1983年)
クルス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
鄭:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
8R:右アッパーで鄭がダウン
(感想:クルスがタイトル防衛。セルヒオ・パルマとの再戦で王座を奪ったクルス。サンファンで二度目の防衛戦。挑戦者の鄭はこれまで28勝(16KO)5敗。東洋太平洋J・フェザー級王座を守ってきた選手で、これが三度目の世界挑戦。速いジャブ、接近してフックを連打する鄭。クルスはゆっくりしたリズムからジャブ、フック。パンチの速さでは鄭だが、クルスは正確に当てようとする姿勢で、左のボディフックは意外に速い。8R、フック連打からの右アッパーで鄭がダウン。手数が少なくなっていく鄭。判定は3-0。鄭は力強いパンチを打つ良い選手ではあるが、全てのパンチにパワーを込めるため攻撃がとぎれがち。リズミカルにジャブを出し続けることができていたら勝っていたかもしれない。これがラストファイトとなった。)
③ロリス・ステッカ 12R TKO レオ・クルス
(WBA世界J・フェザー級タイトル戦、1984年)
クルス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ステッカ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ステッカがタイトル獲得。クルスがイタリア・ミラノで四度目の防衛戦。イタリアのステッカはこれまで無敗。欧州フェザー級王座などを獲得してきた。キレイなジャブ、ストレートを思い切って打っていく正統派のステッカ。クルスはジャブ、フックを正確に当てていくテクニックで対抗。9R、フック、アッパーで連打するクルス。ステッカは左フック、右ストレートで応戦。12R、打ち合いの中、ステッカの左アッパーがヒットしてクルスが背を向ける。TKO。ダウンシーンは無し。一進一退の攻防が続き、クルスが優勢になるシーンも見られたが、ステッカが勢いで押し切った。その後、しばらくして引退したクルス。世界王者としては非常に地味な存在に終わった。ただ、ヒルベルト・ローマンのようなタイプで左を得意とし(顔も似ている)、テクニシャンでありながら意外に力強い好選手であった。)
Wilfredo Gomez vs. Leo Cruz」
②「WBA World Super Bantamweight Title
Leo Cruz vs. Soon Hyun Chung」
③「WBA World Super Bantamweight Title
Leo Cruz vs. Loris Stecca」
ウィルフレド・ゴメス(Wilfredo Gomez)のページ
0 件のコメント:
コメントを投稿