初代WBO世界フェザー級王者。速いジャブ、コンビネーションで二度、世界王座を獲得。ペドロ・ノラスコ戦、フェルナンド・ラモス戦、ティム・ドリスコル戦を紹介します。
マウリシオ・ステッカ(イタリア)
身長169cm:オーソドックス(右構え)
①マウリシオ・ステッカ 6R TKO ペドロ・ノラスコ
(WBO世界フェザー級王座決定戦、1989年)
ステッカ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ノラスコ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ステッカがタイトル獲得。ステッカは1984年のロサンゼルスオリンピックのバンタム級金メダリスト(兄はWBA世界J・フェザー級王座を獲ったことがあるロリス・ステッカ)。ミラノでのデビュー以来、元WBA世界バンタム級王者フリアン・ソリスに勝利するなど、これまで全勝。そして設立されてまもないWBOのフェザー級王座の初代王者決定戦に出場。相手はドミニカのノラスコ。「BOXREC」の記録によるとドミニカ王座(フェザー級)を獲得しているが試合数が少なく、戦績も悪い(ただし、相手はトニー・ロペス、ビクトル・カジェハスといった実力者)。ミラノでの一戦。共に速いジャブ。端正なスタイルのステッカはジャブ、右ストレート、左フックのボディ打ち。互いに連打で攻めるタイプのため、手数が多い展開。荒っぽい左フックで精力的に攻めるノラスコ、応戦するステッカ。6R、連打を浴びたノラスコが背を向ける形でギブアップ。ステッカがプロ入り以来、全勝で新王者に。右をヒットさせるなど、パンチの正確さで上回った。ダウンシーンは無し。)
②マウリシオ・ステッカ 12R 判定 フェルナンド・ラモス
(WBO世界フェザー級タイトル戦、1991年)
ステッカ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ラモス:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(感想:ステッカがタイトル防衛。ルイ・エスピノサに王座を奪われて初黒星を喫したステッカ。再び王座決定戦でタイトル奪回。これまで41勝(20KO)1敗。イタリアで初防衛戦(TVインタビューで元WBO世界ヘビー級王者フランチェスコ・ダミアニ(イタリア)が登場)。メキシカンのラモスは17勝(11KO)3敗のサウスポー(この選手も記録が少ない。トロイ・ドーシー、アルフレド・ランヘルにTKO負け)。左ストレート、右フックで前進するラモス。ステッカはいつものようにジャブを連打してコンビネーションを使う。2R、ステッカの右アッパーがカウンターでヒット。3R、ステッカが激しく連打。ラモスは粘り強さはあるが、特に強いところを見せることもなく12R終了。判定は大差の3-0。ダウンシーンは無し。サウスポー相手にも精力的に手数を出したステッカ。ジャブで距離を取ればもっと楽に勝てたのではないかと思うが、非常に好戦的な姿勢だった。)
③マウリシオ・ステッカ 10R TKO ティム・ドリスコル
(WBO世界フェザー級タイトル戦、1991年)
ステッカ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ドリスコル:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ステッカがタイトル防衛。イタリアでの二度目の防衛戦。挑戦者ドリスコルはイギリスの選手で、これまで16勝(1KO)2敗1分(「1KO」てのが気になる)。英国のローカル王座(フェザー級)を獲得、スティーブ・ロビンソン(後、WBO世界フェザー級王者に)に勝利、といった実績。動きやパンチにあまりキレは感じられないが、右を当てようとするドリスコル。ステッカはやや慎重。受け身の姿勢で手数がいつもより少な目。しかもクリンチが多い。ジャブ連打と右ストレートで攻めるドリスコル、応戦するステッカ。9R終了後、ドリスコルが突然棄権。特に打たれたワケでもなければ、ダウンも無かったが。よくわからない勝ち方をしたステッカ。出来が良くなかったように見えた。そして、この次の防衛戦でコリン・マクミランに敗北して王座陥落。これまでの激しい戦いで消耗していたのかもしれない。その後、ステッカは欧州フェザー級を獲ったり奪われたりしながらキャリアを終えた。)
Maurizio Stecca vs. Pedro Nolasco」
②「WBO World Featherweight Title
Maurizio Stecca vs. Fernando Ramos」
③「WBO World Featherweight Title
Maurizio Stecca vs. Tim Driscoll」
レオ・クルス(Leo Cruz)のページ
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