2022年4月27日水曜日

アユブ・カルレ(Ayub Kalule)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

WBA世界J・ミドル級王者。ウガンダ出身。サウスポーのテクニックで日本で王座獲得。工藤政志戦、スティーブ・グレゴリー戦、エミリアノ・ビリャ戦を紹介します。

アユブ・カルレ(Ayub Kalule)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

アユブ・カルレ(ウガンダ)

身長175cm:サウスポー

アユブ・カルレ 15R 判定 工藤政志

(WBA世界J・ミドル級タイトル戦、1979年)

カルレ:右ジャブ、左ストレート、右フック

工藤:左ジャブ、右ストレート、左フック

(感想:カルレがタイトル獲得。ウガンダ・カンパラ出身のカルレ(ミドル級の「野獣」ジョン・ムガビと同じ)。ニックネームは「Gentleman」。アマチュアでは世界ボクシング選手権で優勝(ライトウェルター級)。デンマークに移住し、プロ転向。連戦連勝。英連邦ミドル級王座獲得、防衛。これまで30戦全勝。初の世界挑戦。王者の工藤は23戦全勝(12KO)。このタイトルを三度防衛。秋田県で行われた全勝対決。カルレはサウスポーのテクニックで勝負するタイプ。ジャブを使いながら、左ストレート、右フックを当てる。工藤は足を使うシーンが多く、手数が少な目で攻撃も単発。5R終了間際、工藤のワンツー(左ジャブからの右ストレート)でカルレがグラつくシーンもあったが、全体的にはジャブで先手を取るカルレのペース。終盤、右ストレートを当てようとする工藤だが、パンチの正確さではカルレ。判定は3-0。ダウンシーンは無し。工藤は強いところをほとんど見せられないまま負けてしまった。たぶん、サウスポーが苦手だったのだと思われるが、そういう場合でもジャブぐらいは多めに出して欲しかったところ。)


アユブ・カルレ 15R 判定 スティーブ・グレゴリー

(WBA世界J・ミドル級タイトル戦、1979年)

カルレ:右ジャブ、左ストレート、左右フック

グレゴリー:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

1R:左ストレートでグレゴリーがダウン

(感想:カルレがタイトル初防衛。デンマークでの初防衛戦。挑戦者グレゴリーはこれまで無敗のアメリカ人(オハイオ州コロンバス出身)。まだ王座を獲ったことがなく、戦績からすると「ローカルな選手」といった印象。1R、リズミカルにフットワークを使い、積極的にジャブ、ストレートを打ち込むグレゴリーだが、左ストレートがカウンターとなってダウン。その後も攻めるグレゴリーだが、カルレはディフェンスしながらジャブ、左ストレートを決める。12R、グレゴリーをロープ際に追い込んでカルレが連打。判定は3-0。グレゴリーは力強い右ストレートを打つなど手数を出していったが、カルレに巧くディフェンスされてしまった。結局、この試合で見せた戦い方が「カルレのパターン」なのだと思う。倒しに行くのではなく、テクニックでポイントを取る戦法。そういう意味ではカルレは「怖い選手」ではないが、相手にとっては「器用でバネのある動きをし、ポイントを持っていく厄介な選手」と言える。後、グレゴリーはチャーリー・ウェイアー、トニー・アヤラ・ジュニア、ニノ・ラロッカといった若手に敗れ、カルレ戦が唯一の世界挑戦となった。)


アユブ・カルレ 12R TKO エミリアノ・ビリャ

(WBA世界J・ミドル級タイトル戦、1980年)

カルレ:右ジャブ、左ストレート、左右フック

ビリャ:右ジャブ、左ストレート、左右フック

(感想:カルレがタイトル防衛。デンマークでの二度目の防衛戦。挑戦者ビリャはコロンビア人。コロンビア王座(ライト、J・ウェルター、ウェルター)を獲得しているが、これまでの試合はほとんど南米でのもの(ニコリノ・ローチェに判定負け、ウィルフレド・ベニテスのWBA世界J・ウェルター王座に挑戦して判定負け、ロベルト・デュランにTKO負け)。このところ連勝中で、これが二度目の世界挑戦。共に黒人でサウスポー。ジャブ、ストレート、連打を使う似たタイプ(カルレは自分と戦っているような気分になったかもしれない)。左右フックでボディを狙うなどパワーを込めた打ち方をするビリャ。カルレは軽めのパンチをテンポよく打ち込む。カルレがパンチの正確さで微妙に優勢。11R終了後ビリャが突然棄権。原因はよくわからないが負傷によるものだと思われる。ダウンシーンは無し。安定したテクニックで手堅く防衛を続けるカルレ。五度目の防衛戦でシュガー・レイ・レナードの挑戦を受け、TKO負け、王座陥落、初黒星。その後は新王者デビー・ムーアに挑戦したが、王座奪回ならず。その再起戦でマイク・マッカラムにも敗北。しかし、決定戦で欧州ミドル級王者に。初防衛戦で後のWBA世界ミドル級王者スンブ・カランベイに勝利。キャリア終盤でも、しっかりとしたテクニックを持つ選手の強みを見せつけた。)

ウガンダのボクシング

「ウガンダ出身」といえばこのカルレとジョン・ムガビを(個人的に)思い出すが、ムガビはディフェンスはそこそこに勢いで倒しまくる選手だったのに対し、カルレはテクニックでポイントを稼ぐタイプ。コーネリアス・ボサ・エドワーズはサウスポーのテクニックで倒しにいく選手だった。近年ではどんな選手がいるのだろう?

①「WBA World Super Welterweight Title 

Kudo Masashi vs. Ayub Kalule」

②「WBA World Super Welterweight Title 

Ayub Kalule vs. Steve Gregory」

③「WBA World Super Welterweight Title 

Ayub Kalule vs. Emiliano Villa」

シュガー・レイ・レナード(Sugar Ray Leonard)のページ

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ジョン・ムガビ(John "The Beast" Mugabi)のページ

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コーネリアス・ボサ・エドワーズ(Cornelius Boza Edwards)のページ 

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