ウェイン・マッカラー（Wayne McCullough）「世界の強豪ボクサー：ボクシング・ブログ」

WBC世界バンタム級王者。オリンピック銀メダリスト。日本で世界タイトル獲得。ビクトル・ラバナレス戦、薬師寺保栄戦、ダニエル・サラゴサ戦を紹介します。

ウェイン・マッカラー（アイルランド）

身長170cm：オーソドックス（右構え）

①ウェイン・マッカラー 12R 判定 ビクトル・ラバナレス

（北米バンタム級タイトル戦、WBC世界バンタム級挑戦者決定戦、1994年）

マッカラー：左ジャブ、右ストレート、左右フック

ラバナレス：左ジャブと左右フック

（感想：マッカラーがタイトル防衛。北アイルランド・ベルファスト出身のマッカラー。8歳の時、兄に誘われてジムに。アマチュアでは300戦以上を経験し、バルセロナ五輪ではバンタム級で銀メダル（金メダルはキューバのホエール・カサマヨール。プロでも世界王者に）。ニックネームは「Pocket Rocket」（「まるでロケット砲のように強いパンチを連打する男」という意味らしい）。アメリカを主戦場として、これまで12戦全勝（11KO）、WBC３位。元世界王者ラバナレス（メキシコ）は辰吉丈一郎との試合で有名なタフ男で、WBC１位。勝てばWBC世界バンタム級タイトルに挑戦できる、という条件の試合。場所はアトランチックシティ。1Rから打ち合い。ラバナレスが辰吉を大いに苦しめた振りの大きいフックで攻撃。マッカラーはディフェンスしながらジャブ、右ストレート、左フック。時折、ラバナレスの大きなフックがヒット。ラスト3Rはラバナレスが優勢か。判定は３－０。ダウンシーンは無し。マッカラーのジャブが評価されたか。マッカラーの丁寧なボクシングは素晴らしいものだと思うが、パワーはあまり感じられなかった。しかしながら、相手は危険なラバナレス。とりあえず勝てばよし、といったところ。）

②ウェイン・マッカラー 12R 判定 薬師寺保栄

（WBC世界バンタム級タイトル戦、1995年）

マッカラー：左ジャブ、右ストレート、左右フック

薬師寺：左ジャブ、右ストレート、左フック

（感想：マッカラーがタイトル獲得。WBC１位のマッカラーが日本で初の世界挑戦。薬師寺はこれが五度目の防衛戦。マッカラーのセコンドにはエディ・ファッチ、薬師寺にはマック・クリハラ（映画『ベスト・キッド』で「ミヤギ」を演じた俳優ノリユキ・パット・モリタはクリハラの従兄弟らしい）がつく。共にジャブ、ストレートを基本に試合を組み立てるタイプ。1Rから打ち合い。接近してフック連打をヒットさせるマッカラー。薬師寺はジャブとボディへの左フックで攻撃。パンチを当てる巧さはマッカラーの方が上か。判定は意外にも２－１（ダウンシーンは無し）。映像ではマッカラーが連打とディフェンスで手堅く勝利したように見えたが、ジャッジの採点は割れた。マッカラーは左フックのボディ打ちも巧みだった。）

③ダニエル・サラゴサ 12R 判定 ウェイン・マッカラー

（WBC世界Ｊ・フェザー級タイトル戦、1997年）

マッカラー：左ジャブ、右ストレート、左右フック

サラゴサ：右ジャブ、左ストレート、左右フック

（感想：サラゴサがタイトル防衛。これまで全勝のマッカラー。バンタム級王座を二度防衛して返上。階級を上げて二階級制覇に挑む。王者サラゴサは53勝（27KO）7敗3分の大ベテラン。辰吉丈一郎、原田剛志を相手に防衛に成功している。共に日本でもおなじみの選手。アメリカ・ボストンで行われた注目の試合。サウスポーのサラゴサ相手にいつものようにジャブ、ストレート、連打で攻めるマッカラー。サラゴサはジャブで距離を取って左ストレートでカウンター。共にディフェンス、ボディ打ちが巧い。一進一退だが、サラゴサが左ストレートでやや優勢。最終ラウンド終了時には両者とも自身の勝利をアピール。判定は２－１。ダウンシーンは無し。マッカラーはいいパンチを打っていたが、タフなサラゴサを倒すにはパワー不足。元々ノックアウトを狙うような攻め方をする選手ではないため、この結果・内容は妥当なところ（全勝の挑戦者を破ったサラゴサの次の防衛戦は辰吉丈一郎との再戦。防衛成功）。その後、マッカラーは何度も二階級制覇に挑戦したが、敗北。良い選手ではあったが、「KOするパワー」に欠けていたのが残念。）

①「NABF Bantamweight Title 

Wayne McCullough vs. Victor Rabanales」

②「WBC World Bantamweight Title 

Yakushiji Yasuei vs. Wayne McCullough」

③「WBC World Super Bantamweight Title 

Daniel Zaragoza vs. Wayne McCullough」

ビクトル・ラバナレス（Victor Rabanales）のページ

－－－－－－－－－－－－－－－－－－

ダニエル・サラゴサ（Daniel Zaragoza）のページ