2020年8月21日金曜日

ダニエル・サラゴサ(Daniel Zaragoza)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

二階級制覇したメキシコのサウスポー、サラゴサ。畑中清詞戦、辰吉丈一郎戦(初戦)、原田剛志戦を紹介します。

ダニエル・サラゴサ(Daniel Zaragoza)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

ダニエル・サラゴサ(メキシコ)
身長170cm:サウスポー

ダニエル・サラゴサ 12R 判定 畑中清詞
(WBC世界J・フェザー級タイトル戦、1991年)
サラゴサ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
畑中:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:サラゴサがタイトル奪回。メキシコシティ出身のサラゴサ。独特の風貌とプロレスラーばりの流血戦で日本のファンにもおなじみ。メキシコ代表としてモスクワオリンピック(1980年)にバンタム級で出場(メダルは獲得ならず)。弁護士を目指していたほど頭が良かったが、プロボクサーに(サルバドル・サンチェスは医師を目指したほどの頭脳の持ち主。「頭がいい人」はスポーツでも頭の良さを発揮するようだ)。WBC世界バンタム級王座決定戦に出場し、反則勝ちで王座獲得。それは初防衛戦でミゲル・ロラに奪われたが、あのカルロス・サラテを王座決定戦で下し、WBC世界J・フェザー級王座獲得、二階級制覇。しかしながら、当時のJ・フェザー級は激戦区。タイトルをポール・バンキに奪われる。王座はバンキからペドロ・デシマ、畑中へ。名古屋で行われた一戦。1Rから攻める畑中。応戦するサラゴサ。畑中は前に出るが、サラゴサが左ストレートでカウンターを取り、大きなフックとディフェンス。最後まで打ち合いが続き、判定は2-1。畑中の攻めがよかったラウンドもあったが(7,8Rなど)、サラゴサが「当てる巧さ」で上回った印象。初防衛に失敗した畑中は目を故障し、これで引退。)

ダニエル・サラゴサ 11R TKO 辰吉丈一郎
(WBC世界J・フェザー級タイトル戦、1996年)
サラゴサ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
辰吉:左ジャブ、右ストレート、左フック
(感想:サラゴサがタイトル防衛。畑中からタイトルを奪回したサラゴサだが、シェリー・ジャコブ(フランス)に敗れ、王座陥落。王座はジャコブからトレイシー・ハリス・パターソン、エクトール・サンチェスへ。サンチェスとの再戦に勝利し、サラゴサが三度目の同王座獲得。38歳のサラゴサ。日本で人気者、辰吉の挑戦を受けることに。辰吉は薬師寺保栄とのWBC世界バンタム級王座統一戦に敗れるなど、かつてのような勢いは無い状況。1R、いきなり左ストレートを打たれて後退する辰吉。サラゴサがジャブ・ストレート、振りの大きい重そうなフック。ディフェンスも上手いサラゴサ。パンチを当てさせてもらえない辰吉は挑発するような動きをするが意味なし。時折、辰吉のストレート・フックがヒットするが、タフなサラゴサは倒れるどころか打ち返す。両まぶたの出血が激しくなった辰吉。11Rでストップ。ダウンシーンは無し。サラゴサは左ストレートのカウンター、(振りが大きいにもかかわらず)正確なフックが見事だった。辰吉は強いが、サラゴサはもっと強い。「上には上がある」のがプロボクシング界の凄いところであり、怖いところ。)

ダニエル・サラゴサ 7R TKO 原田剛志
(WBC世界J・フェザー級タイトル戦、1996年)
サラゴサ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
原田:右ジャブ、左ストレート、右フック
(感想:サラゴサがタイトル防衛。辰吉戦の次も日本で防衛戦。原田は東洋太平洋フェザー級王座を獲得したことがある選手。「ボクシング一族」で、所属ジムの会長は実父。叔父は東洋太平洋J・ライト級王者だった吹打龍。サウスポー同士の対戦。左ストレートを狙う原田。2Rに出血した原田はキズを気にしながら戦う。サラゴサが得意のゴツゴツしたフックをヒットさせる。7R、打たれ続ける原田を見て、レフェリーのリチャード・スティールが試合ストップ。ダウンシーンは無し。サラゴサはタフである上にディフェンスがうまい。左ストレートでカウンターを取り、振りの大きいフックも実に正確。しかもサウスポー。相手からすれば本当にやりにくい選手。次の試合ではウェイン・マッカラーに勝利して防衛。辰吉との再戦にも勝利。ラストファイトはエリック・モラレスとの防衛戦。KOで王座陥落。WBC世界J・フェザー級タイトルをまるで「自分のもの」と思っているかのように何度も挑戦して獲得したのは面白い現象だった(クルーザー級のカルロス・デ・レオンが「WBC世界クルーザー級タイトル戦」、デニス・アンドリュースが「WBC世界L・ヘビー級タイトル戦」の常連だったのに似ている)。引退後はトレーナーに転身。ラファエル・マルケスの指導を担当した。)

①「WBC World Super Bantamweight Title
Hatanaka Kiyoshi vs. Daniel Zaragoza」
②「WBC World Super Bantamweight Title
Daniel Zaragoza vs. Tatsuyoshi Joichiro」
③「WBC World Super Bantamweight Title
Daniel Zaragoza vs. Harada Tsuyoshi」

辰吉丈一郎(Tatsuyoshi Joichiro)のページ
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ポール・バンキ(Paul Banke)のページ
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トレイシー・ハリス・パターソン(Tracy Harris Patterson)のページ

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