2021年10月27日水曜日

エクトール・アセロ・サンチェス(Hector Acero Sanchez)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

WBC世界J・フェザー級王者。速い連打で世界を獲得。トレーシー・ハリス・パターソン戦、フリオ・ヘルバシオ戦、ダニエル・サラゴサ戦(再戦)ほかを紹介します。

エクトール・アセロ・サンチェス(Hector Acero Sanchez)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

エクトール・アセロ・サンチェス(ドミニカ)

身長170cm:オーソドックス(右構え)


エクトール・アセロ・サンチェス 12R 判定 トレーシー・ハリス・パターソン

(WBC世界J・フェザー級タイトル戦、1994年)

サンチェス:左ジャブ、右ストレート、左フック

パターソン:左ジャブ、右ストレート、左右フック   

(ダウンシーン)

2R:連打でパターソンがダウン

(感想:サンチェスがタイトル獲得。ドミニカのサンチェス。スラリとした体型。デビュー以来、連戦連勝でドミニカ王座(J・フェザー級)獲得。しかし同王座戦でKO負け、初黒星。ニューヨーク州J・フェザー級王座を獲得、防衛。これまで29勝(20KO)2敗2分。アトランチックシティで初の世界挑戦。王者パターソンは50勝(36KO)2敗1分。これが五度目の防衛戦で、セコンドには養父のフロイド・パターソン。1R、サンチェスがジャブとフットワークで距離を取る。パワーで勝るパターソンは得意のジャブ、右ストレート、左フックのコンビネーションで前に出る。パターソンの左フックがヒット。ところが2R、連打でパターソンがダウン。その後もパターソンが攻め、サンチェスがジャブで応戦、というパターン。最終ラウンド終了時、共に両手を上げて自身の勝利をアピール。判定は2-1。パワー、パンチのキレなど、基本的な戦力はパターソンの方が上だった印象。しかし、パターソンには打たれ弱さがあり、守りの姿勢の戦いぶりでこのようなイマイチな試合になってしまうことがよくあった。サンチェスは横殴りみたいな右の打ち方をする。「強い」という印象はあまり感じなかったが、ジャブと連打で実力が上の選手に勝つことができた。)


エクトール・アセロ・サンチェス 12R 判定 フリオ・ヘルバシオ

(WBC世界J・フェザー級タイトル戦、1995年)

サンチェス:左ジャブ、右ストレート、左フック

ヘルバシオ:左ジャブ、右ストレート、左右フック   

(感想:サンチェスがタイトル初防衛。WBC1位の挑戦者ヘルバシオ。これまで30勝(23KO)3敗2分。コチラもドミニカ人で、元WBA王者。王座返り咲きなるか、といった状況。アトランチックシティでの一戦。サングラスを掛けたままリングアナにコールされるヘルバシオ。パワーを込めてジャブ、ストレート。サンチェスはいつものように足のスタンスを広く取って、ジャブを打つ。前に出るヘルバシオだが、力んでバランスを崩したり、空振りしたり。サンチェスはジャブで先手を取り、パターソン戦とは違って、当たれば効きそうな良い右ストレートを打つ。最終ラウンド終了時、共に両手を上げて自身の勝利をアピール。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。負けてとても悔しそうな表情のヘルバシオ。ラッシュをかけたり(5R)、右ストレートをヒットさせたり(8R)でよく前に出たが手数が少なかった。ヘルバシオは体つきといい、パワーを込めた打ち方といい、ミドル級の選手のような戦い方。しかし、「軽量級には軽量級の、重いクラスには重いクラスにふさわしい戦い方がある」ということを(個人的に)再認識させられた一戦だった。ヘルバシオはその後、ファン・マヌエル・マルケス、ホエール・カサマヨールにKOされるなど勝ち星無しでキャリア終了。)  


ダニエル・サラゴサ 12R 判定 エクトール・アセロ・サンチェス

(WBC世界J・フェザー級タイトル戦、1995年)

サンチェス:左ジャブ、右ストレート、左フック

サラゴサ:右ジャブ、左ストレート、右フック   

(感想:サラゴサがタイトル奪回。二度目の防衛戦でサラゴサとドローだったサンチェス。再び王座を懸けて対戦。WBC2位のサラゴサ(メキシコ)はかつてこのベルトを持っていたサウスポーのベテラン。タフさと当てるテクニックを持つしぶとい男。カリフォルニア「グレート・ウェスタン・フォーラム」での一戦。ディフェンスしながら左ストレートを狙うサラゴサ。サンチェスは速いジャブ。バッティングで出血するサラゴサ(この人はいつも流血しているような気がする)。テクニック合戦のような展開が続いて12R終了。判定は2-1(ダウンシーンは無し)。どちらかが一方的になることもなかったが、強いて言えばサラゴサの攻める姿勢が良かった印象。サンチェスはパンチがあるタイプではない。サラゴサはタフなうえにディフェンスができ、パンチを当てるのが巧い。能力的にはこれが妥当な結果か。それにしてもこのダニエル・サラゴサという男。まるでこのタイトルが自分のものであると思っているかのようにしつこく挑戦してくる。この後来日し、辰吉丈一郎、原田剛志を手玉に取った(そのずっと前には畑中清詞を破って王座を奪回したことも)。)


エクトール・アセロ・サンチェス 12R 判定 ベビー・ロロナ・ジュニア

(WBCラティノ・フェザー級王座決定戦、2001年)

サンチェス:左ジャブ、右ストレート、フック

ロロナ:右ジャブ、左ストレート、右フック

(ダウンシーン)

2R:右カウンターでロロナがダウン

(感想:サンチェスがタイトル獲得。サラゴサに敗れて世界王座陥落後のサンチェス。エリック・モラレス、ケネディ・マッキニー、カルロス・バレト(WBA世界J・フェザー級暫定王座戦)、ナナ・コナドゥに敗北。このところ試合間隔が長めで、前回の試合から一年以上間が空いてこの決定戦出場。これまで39勝(22KO)7敗3分。30勝(14KO)16敗3分のロロナはフィリピン人サウスポー。フィリピン王座(フェザー級)獲得、防衛。池仁珍、クリス・ジョン、越本隆志に連敗。直前の試合はファン・マヌエル・マルケスにTKO負け。フロリダ州マイアミでの一戦。共にガードをしっかり。サンチェスは左ジャブ連打、右ストレート。ロロナは残念ながら「普通のサウスポー」。左ストレートに強さを感じるが、慎重な受け身の試合ぶり。2R、右カウンターでロロナがダウン。その後もサンチェスがディフェンスしながらシャープなジャブ、ストレート、隙を突くフック、ボディ打ち。右ストレートからの左ジャブも使用。ロロナはスピード感のない攻め。12R終了。判定はほぼフルマークの3-0。サンチェスが慎重にポイントを重ねて勝利。ただ、タフなロロナをKOできず。その後の二人。ロロナはボビー・パッキャオとのライバル戦など多くの試合。最後は日本で連敗してキャリア終了。サンチェスはこの王座の初防衛に成功したが、二連敗で引退。世界王座に返り咲くことはなかった。)


①「WBC World Super Bantamweight Title 

Tracy Harris Patterson vs. Hector Acero Sanchez」

②「WBC World Super Bantamweight Title 

Hector Acero Sanchez vs. Julio Gervacio」

③「WBC World Super Bantamweight Title 

Hector Acero Sanchez vs. Daniel Zaragoza」

④「vacant WBC Latino Featherweight Title 

Hector Acero Sanchez vs. Baby Lorona Jr」


ダニエル・サラゴサ(Daniel Zaragoza)のページ

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トレイシー・ハリス・パターソン(Tracy Harris Patterson)のページ 

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