WBC世界ヘビー級王座を獲得したカザフスタンのマスカエフ。ブライアン・ニックス戦、デビッド・ベダー戦、オケロ・ピーター戦を紹介します。
オレグ・マスカエフ(カザフスタン)
身長191cm:オーソドックス(右構え)
①オレグ・マスカエフ 6R TKO ブライアン・ニックス
(ヘビー級戦、2001年)
マスカエフ:左ジャブ、右ストレート、左フック
ニックス:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
6R:右ストレートでニックスがダウン
(感想:「The Big O」と呼ばれたマスカエフ。カザフスタン出身。炭坑労働者だったがボクシングを始め、アマチュアで活躍(ビタリ・クリチコを破ったり、アジア大会で優勝したりしたことも)。カザフスタンでプロデビューしたが、より上を目指すためアメリカに移住。PABAのヘビー級王座を獲得、防衛してきたが、オリバー・マッコール、デビッド・トゥア、カーク・ジョンソン、ランス・ウィテカーといった実力者に敗北。これまで20勝(15KO)4敗。ジャブを丁寧に打っていくタイプ。ニックス戦はウィテカーに負けた再起戦。黒人選手のニックスは勝ったり負けたりの選手。ただ、ニューヨーク州ヘビー級王座を獲得し、ミッチ・グリーン相手に防衛に成功したことがある。なかなか積極的で、ジャブ、ストレートを多用するニックス。マスカエフは連打で応戦。5R、マスカエフの右ストレートがカウンターでヒット。6R、またしても右ストレートのカウンターがヒット。追撃の右ストレートでニックスがダウン。そして連打でレフェリーストップ。共に手数が多くて、いい試合だった。マスカエフはやや地味な印象の選手ではあるが、しっかりしたテクニックとパンチを見せてくれた。ニックスは後、負けが多いキャリアに。ただ、(全盛は過ぎていたが)元世界王者ティム・ウィザスプーンに勝利している。)
②オレグ・マスカエフ 6R TKO デビッド・ベダー
(ヘビー級戦、2001年)
マスカエフ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ベダー:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
6R:連打でベダーがスタンディングダウン、ダウン
(感想:ネバダ州リノでの一戦。ベダーはこれまで21勝(3KO)19敗5分。L・ヘビーやクルーザーで世界挑戦したことがあるベテランだが、ヘビー級ではどうか? スキンヘッドで見た目は強そうだが、バランスがあまりよくないベダー。そんなベダーに丁寧にジャブを打つマスカエフ。打たれるベダーはフットワークやクリンチでしのぐ。6R、二度のダウンで終了。結果は妥当なところではあるが、ベダーはよく頑張った。これだけ負けてもリングに上がるのは試合をするのが好きなのだろう。こういう選手がいてもいいと思う。)
③オレグ・マスカエフ 12R 判定 オケロ・ピーター
(WBC世界ヘビー級タイトル戦、2006年)
マスカエフ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ピーター:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
10R:右フックでピーターがダウン
(感想:マスカエフがタイトル防衛。ベダー戦の次の試合でコーリー・サンダースにTKO負けしたマスカエフ(やはりナンバーワンにはなれないところがある選手)。その後、連勝し、ハシーム・ラクマンを破りWBC王者に。これまで32勝(25KO)5敗。ピーターとモスクワで初防衛戦。挑戦者のピーターはウガンダ出身で、日本のジムに所属する選手。背が高く、ジャブで試合を進めるボクサータイプ。「必勝」のハチマキをしてリングイン。ジャブで距離を取ろうとする。マスカエフはジャブと得意の右で距離を詰めようとする。3R、ピーターの右ストレートがカウンターでヒット(いいパンチ)。その後はマスカエフが攻めて、ピーターは下がったりクリンチしたり。10R、低い位置からの右フックでピーターがダウン。判定は3-0。ピーターは良い右ストレートを持っていながらせっかくの世界戦なのに消極的な試合ぶり。残念。オケロ・ピーターに勝利して初防衛に成功したマスカエフ。次の防衛戦でサミュエル・ピーターにTKO負けして王座陥落。その後もリングに上がり続けたが、それが最後の世界戦に。地味なチャンピオンだったマスカエフ。マイク・タイソンがいた時代だったら王者になってなかったのでは? それともマスカエフにはタイソンやホリフィールドのような選手と互角にやりあえるような「隠れた強さ」があっただろうか?)
Oleg Maskaev vs. Brian Nix」
②「Heavyweight
Oleg Maskaev vs. David Vedder」
③「WBC World Heavyweight Title
Oleg Maskaev vs. Okello Peter」
コーリー・サンダース(Corrie Sanders)のページ
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カーク・ジョンソン(Kirk Johnson)のページ
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