クルーザー級のパワーファイター、モルメク。バージル・ヒル戦(初戦)、アレクサンダー・グロフ戦、ウラジミール・クリチコ戦を紹介します。
ジャン=マルク・モルメク(フランス)
身長181cm:オーソドックス(右構え)
①ジャン=マルク・モルメク 9R TKO バージル・ヒル
(WBA世界クルーザー級タイトル戦、2002年)
モルメク:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ヒル:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:モルメクがタイトル獲得。フランス領グアドループ出身のモルメク。ニックネームは「The Marksman(狙撃手)」。6歳の時にパリへ移住。ボクシングは11歳で始めたらしく、アマチュアのリングへ(フットボールやムエタイの経験もあるそうだ)。プロデビュー初期に二連敗してしまったが、それ以降は連勝。フランス王座、WBAのインター王座(いずれもL・ヘビー級)を獲得し、この世界初挑戦。ヒルは二階級制覇王者(L・ヘビー級、クルーザー級)。「パワーはそれほどでもない」という評価のある選手だが、フランスでファブリス・ティソーゾ(フランス)から1RでのTKOで王座を奪取するサプライズ。フランスのボクシング界としては王座を奪回したいところ。フランスで行われた試合。ヒルの背中には「GOLDEN PALACE COM」の文字(広告? かっこよくない感じ)。ガードを固めて左右フック攻撃のモルメク。ヒルはポイント狙いの軽いジャブ・連打。なかなかパンチが当たらないモルメク。ヒルが判定で勝つパターンの流れ。ところが次第にモルメクのパワーが優勢に。8R終了でヒルが棄権。ダウンシーンは無し。モルメクの方が重量級らしい打ち方。勝って良かったと思う。ヒルは守りに回るとつまらない試合をする(L・ヘビー級王者時代はそんな試合が多かった。挑戦者の時はいい試合をするが)。後、この王座を再び獲得。)
②ジャン=マルク・モルメク 9R TKO アレクサンダー・グロフ
(WBA世界クルーザー級タイトル戦、2002年)
モルメク:左ジャブ、右ストレート、左右フック
グロフ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
7R:連打でグロフがロープダウン
(感想:モルメクがタイトル防衛。ラスベガス「Thomas & Mack Center」での二度目の防衛戦。挑戦者グロフはウクライナのサウスポー。欧州王座、WBAやIBFのインター王座(全てクルーザー級)を獲得しているが、ネート・ミラーのWBA世界クルーザー級王座に挑戦した時は2RでTKO負け。強いのかそうでないのかよくわからない選手。サウスポースタイルからグロフがジャブ連打、ボディ打ち。モルメクはガードを固めてフック攻撃。打ち合い。7R、連打でグロフがロープダウン。9R、さらに連打でレフェリーストップ。グロフは器用なタイプで左のボディ打ちが良かったが、モルメクがパワーで勝利。重量級らしい勝ち方だった。)
③ウラジミール・クリチコ 4R KO ジャン=マルク・モルメク
(WBA・IBF・WBO世界ヘビー級タイトル戦、2012年)
モルメク:左ジャブと右フック
クリチコ:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
2R:右ストレートでモルメクがダウン
4R:左フックでモルメクがダウン
(感想:クリチコがタイトル防衛。デビッド・ヘイにTKO負けを喫してクルーザー級王座から陥落したモルメク。ヘビー級に転向。WBAのインター王座(ヘビー級)を獲得し、この世界挑戦。王者クリチコ(ウクライナ)は説明不要の巨人。兄ビタリと共に当時のヘビー級を支配していた男。ドイツでの一戦。かなりの身長差。ガードを固めて前に出るモルメク。クリチコは小手先のジャブ。2R、ジャブからの右ストレートでモルメクがダウン。4R、ワンツーからの左フックでモルメクがダウン、KO。体格差にビビってしまったのか、ほとんど何もできなかったモルメク。これが最後の世界戦に。その後、二試合やって引退。この人はクルーザー級時代の方がパワフルで良かった。ファイトマネーはヘビーの方がよかっただろうけども。)
Virgil Hill vs. Jean-Marc Mormeck」
②「WBA World Cruiserweight Title
Jean-Marc Mormeck vs. Alexander Gurov」
③「WBA・IBF・WBO World Heavyweight Title
Wladimir Klitschko vs. Jean-Marc Mormeck」
バージル・ヒル(Virgil "Quicksilver" Hill)のページ
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デビッド・ヘイ(David Haye)のページ
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