世界王者級の逸材だったJ・バンタム級、キッド・アキーム。デイビッド・ナテラ戦、ホルヘ・オルテガ戦、ホセ・モンティエル戦を紹介します。
アキーム・アニフォウシェ(ナイジェリア)
身長173cm:オーソドックス(右構え)
①アキーム・アニフォウシェ 3R TKO デイビッド・ナテラ
(バンタム級戦、1987年)
アキーム:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ナテラ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:J・バンタム級の逸材、アキーム。「小型ハーンズ」という評価もあるパンチャー。「Anifowoshe(アニフォウシェ)」が読みづらいためか、「キッド・アキーム」とも呼ばれる。ナイジェリアではアマチュアで優秀な成績。ロス五輪(1984年)の代表に選ばれたが年齢制限に引っかかり、出場ならず。アメリカでプロ転向。このナテラ戦はデビュー二戦目。速く、伸びのあるジャブ、右ストレートを飛ばし、左フックは振りが大きいがキレがあるアキーム。相手を自在に打ちのめし、3R、連打でナテラが横を向いてレフェリーストップ。ダウンシーンは無し。二戦目ですでに世界チャンピオンレベルのアキーム。ジェフ・チャンドラーやロジャー・メイウェザーに似た戦い方だった。)
②アキーム・アニフォウシェ 8R 判定 ホルヘ・オルテガ
(バンタム級戦、1988年)
アキーム:左ジャブ、右ストレート、左右フック
オルテガ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:アキームはこれまで9戦全勝(6KO)。オルテガは負けてばかりで試合数も少ない男。しかし、対戦相手はウンベルト・ゴンザレス、ポール・ゴンザレス(アキーム戦後はイサイアス・サムディオ、フランキー・デュアルテ)といった世界戦にも登場する実力のある選手ばかり。フックで前進するオルテガとアキームの接近戦。判定は3-0。パンチの正確さが評価されたか。ダウンシーンは無し。オルテガはタフでよく攻めたが、ディフェンスされてしまった。アキームは二戦目のナテラ戦ほどはパンチにキレが感じられなかった印象。)
③アキーム・アニフォウシェ 4R KO ホセ・モンティエル
(北米J・バンタム級タイトル戦、1991年)
アキーム:左ジャブ、右ストレート、左右フック
モンティエル:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
2R:右ストレートでモンティエルがダウン
4R:右アッパーでモンティエルがダウン
(感想:アキームがタイトル防衛。モンティエルはメキシコのJ・バンタム級タイトルを獲得、防衛してきた選手。アルマンド・カストロ(カオサイ・ギャラクシー、鬼塚勝也の世界王座に挑戦したことで日本でも知られているファイター)とその王座を争ってきたが、KOされ、これが再起戦となる。スピードとパワーをつけたアキーム。ジャブを当てていく。右ストレートと左ボディフックもパワーアップしている印象。フットワークと連打のモンティエルはビニー・パジェンザのような戦いぶり。2R、4Rのダウンで完璧なKO。アキームは長いリーチを持て余してローブローで減点されるシーンはあったが、世界王者級のキレとパワーで快勝。この後、北米タイトルをさらに防衛。ロバート・キロガの持つIBF世界J・バンタム級タイトルに挑戦。歴史に残る激戦となったが敗北。試合後、アキームは倒れ、深いダメージ。アメリカでは試合が許可されないため、故郷へ。そして若くして亡くなった。その原因は最後の試合のダメージによるものだと思われるが、真相は不明のままである。)
①「Bantamweight
Akeem Anifowoshe vs. David Natera」
②「Bantamweight
Akeem Anifowoshe vs. Jorge Ortega」
③「NABF Super Flyweight Title
Akeem Anifowoshe vs. Jose Montiel」
ロバート・キロガ(Robert Quiroga)のページ
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