2020年9月30日水曜日

ショーン・オグラディ(Sean O'Grady)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

謎の団体WAAで「世界ライト級王者」になった男、オグラディ。ロメオ・アナヤ戦、シゲ福山戦、ゴンザロ・モンテラーノ戦、ヒルマー・ケンティ戦ほかを紹介します。

ショーン・オグラディ(Sean O'Grady)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

ショーン・オグラディ(アメリカ)

身長178cm:オーソドックス(右構え)


ショーン・オグラディ 3R KO ロメオ・アナヤ

(ライト級戦、1978年)

オグラディ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

アナヤ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

3R:右ストレートでアナヤがダウン

(感想:テキサス生まれでオクラホマ育ちのオグラディ。父親がトレーナーを務め、家族で世界を目指す。プロデビュー以来、連戦連勝。しかし、ダニー・ロペス(後、WBC世界フェザー級王者に)に敗れて初黒星。その後、連勝し、このアナヤ戦。アナヤはメキシカンで元WBA世界バンタム級王者。しかしながら、王座陥落後は勝ったり負けたりを繰り返している状況。ロサンゼルス「オリンピック・オーディトリアム」での一戦。ジャブ・ストレートを使う正統派のオグラディ。アナヤは低い体勢から左右フックで攻撃。3R、左フックからの右ストレートでアナヤがダウン、KO。オグラディが快勝。ディフェンスもよくできていた印象。アナヤは小柄(身長164cm)で、そもそもライト級ではない。その後も勝ったり負けたりでキャリア終了。)


ショーン・オグラディ 5R TKO シゲ福山

(ライト級戦、1978年)

オグラディ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

福山:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

5R:連打で福山がダウン

(感想:福山は鹿児島県出身の選手。日本のリングに上がっていたが、海外に武者修行。エデル・ジョフレには敗れたが、ダニー・ロペスに勝利。帰国し、デビッド・コティのWBC世界フェザー級王座に挑戦したが敗北。その後も海外で試合をし、このオクラホマでのオグラディ戦。ジャブと左右フックで攻めるオグラディ。福山は打ち返す。4R、大流血でドクターチェックを受けるオグラディ。再開後、連打で福山がダウン。さらに連打でレフェリーストップ。オグラディが危うい勝利。少しストップが早かったような気もするが、ダウンもあったため仕方がない、といったところ。その後、福山は三連敗して引退するが、相手は実力派マイク・アヤラ、ルーベン・オリバレス、ボビー・チャコンだった。)


ショーン・オグラディ 12R 判定 ゴンザロ・モンテラーノ

(全米ライト級タイトル戦、1980年)

オグラディ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

モンテラーノ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:オグラディがタイトル防衛。連勝を重ね、全米王者になったオグラディ。挑戦者モンテラーノはカリフォルニアの選手で、これまでタイトルは獲っていないが無敗。どんな選手なのか、といったところ。ネブラスカ州オマハでの一戦。共にジャブ・フック連打を使う似たタイプ。激しい打ち合い。共に譲らず12R終了。判定は2-0(ダウンシーンは無し)。内容はほぼ互角。「ジャブの正確さ」でオグラディが少し上回ったか。モンテラーノはその後もリングに上がり続けたが、王座戦は無し。ラストファイトはテレンス・アリに10R判定負けだった。)


ショーン・オグラディ 15R 判定 ヒルマー・ケンティ

(WBA世界ライト級タイトル戦、1981年)

オグラディ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

ケンティ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

2R:右ストレートでケンティがダウン

8R:左フックでケンティがダウン

(感想:オグラディがタイトル獲得。ジム・ワットの持つWBC世界ライト級王座に挑戦して敗れたオグラディ。アトランチックシティで二度目の世界挑戦。王者ケンティはテキサス州オースティン出身の黒人で、エマヌエル・スチュワードが育てた「クロンクジム」初の世界王者。これが四度目の防衛戦となる。速くてパワフルなジャブ・ストレートを飛ばすケンティ。左フックも力強い。連打で攻めるオグラディ。2R、ケンティがダウン。ダウンを奪ったことで自信がついたか、オグラディが前に出る。8Rにもケンティがダウン。15R終了。判定は3-0。番狂わせ。器用なケンティをオグラディが勢いで押し切った。クロンクジムというのはすごいのかそうでないのかよくわからないジム。何故か打たれ弱い選手が多く、王者になっても意外な短命に終わったり。この試合も1Rを観た感じでは「ケンティが勝つ」という印象だったが、意外な結果。しかし、不安定だったのはクロンクだけではない。オグラディはせっかく世界王者になったのにクロード・ノエルとの指名試合を拒否してタイトル剥奪。オグラディのオヤジがWBAに対抗して作ったWAAという新興団体で「世界ライト級王者」になった。しかし、そのタイトルもアンディ・ガニガンにKO負けで失ってしまった。)


ジョン・ベルデローザ 4R TKO ショーン・オグラディ

(J・ウェルター級戦、1983年)

オグラディ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

ベルデローザ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

4R:右フックで2度、オグラディがダウン

(感想:ガニガン戦後、中堅相手に連勝したオグラディだが、ピート・ランザニーに2-1で敗北。再起戦に勝利してベルデローザ戦。これまで81勝(70KO)4敗。年齢はまだ24。ベルデローザ(25歳)はニューヨークの選手。アマチュア時代にタイトルを獲得。プロでは23勝(16KO)1敗。デビューから連勝のまま全米王者に(J・ライト級)。コーネリアス・ボサ・エドワーズにTKOで初黒星。再起戦に勝利してオグラディ戦。イリノイ州シカゴでの一戦(オグラディのセコンドに「狂犬」ルー・デュバ)。実に戦闘的なベルデローザ。アマで優秀な選手だったとは思えない試合ぶり。接近して右ストレート、左右フック。あまりバランスが良くなく、パンチをもらう。ただ、ジャブには強さ。オグラディはガードしながらワンツー、左ボディ打ち。ディフェンスで優勢だが、時折打たれる。4R、なかなかしぶといベルデローザ。無骨な攻め。右フックでオグラディがダウン。攻めるベルデローザ、反撃するオグラディ。左フックからの右フックでオグラディが二度目のダウン。今度も立ったが、疲労の色。コーナー付近で連打され、左フックが入ったところでレフェリーストップ。ベルデローザが右パンチで勝利。小柄な身体で強いジャブを当てる姿は輪島功一の雰囲気があった。オグラディはこれまで戦いすぎたのだろう。マトモに打たれ、一気に劣勢になってしまった。その後の二人。ベルデローザは次の試合に判定負け。その後はタイトル戦をすることなく引退。オグラディはこれで引退。引退後はテレビのボクシング解説者に。見た目がいいハンサムなオグラディにピッタリの仕事だ。)


①「Lightweight 

Sean O'Grady vs. Romeo Anaya」

②「Lightweight 

Sean O'Grady vs. Shige Fukuyama」

③「USBA Lightweight Title

Sean O'Grady vs. Gonzalo Montellano」

④「WBA World Lightweight Title

Hilmer Kenty vs. Sean O'Grady」 

⑤「Junior Welterweight 

Sean O'Grady vs. John Verderosa」


ジム・ワット(Jim Watt)のページ

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ヒルマー・ケンティ(Hilmer Kenty)のページ

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アンディ・ガニガン(Andy Ganigan)のページ

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