ヘビー級。悲運の男。マーティ・フランクリン戦、ロン・マーシュ戦、ジェームス・J・ビーティ戦を紹介します。
バスター・マシス(アメリカ)
身長191cm:オーソドックス(右構え)
①バスター・マシス 3R TKO マーティ・フランクリン
(ヘビー級戦、1966年)
マシス:左ジャブ、右ストレート、右フック
フランクリン:右ジャブ、左ストレート
(ダウンシーン)
3R:右フックで3度、フランクリンがダウン
(感想:マシスはミシシッピ州スレッジ出身の黒人。大柄な体格でジャブを基本とする戦い方はソニー・リストンのよう。アマチュアで活躍。全米選手権で優勝。東京オリンピック代表選考会でジョー・フレージャーに勝利したが、手を骨折。代わりにオリンピックに出場したフレージャーは金メダルを獲得。マシスはフレージャー戦を最後にアマチュアを辞め、カナダでプロデビュー(いつのことだか不明だが、ジョー・ルイスの指導を受けたことも)。チャック・ウェプナーらを相手に連勝中。フランクリン(本名「アール・エベレット」)はオハイオ州カントン出身の黒人サウスポーだが、何とこれがデビュー戦。マシス相手にどんな動きを見せるか? ペンシルベニア州ジョンズタウンでの一戦。ボクサータイプのフランクリン。相手から距離を取って長い右ジャブ、左ストレートを出すが、打ち終わった後のガードに甘さ。マシス(この頃はまだ太ってはいない)は相手のパンチを警戒しながら距離を詰めて右ストレート。斜め下からのフックに迫力。3R開始早々の右フックでフランクリンがダウン。これが効いて、右フックで更に二度のダウン。レフェリーは試合を止めた。マシスが圧勝。相手がサウスポーでも特に問題がないように見えた。フランクリンは経験不足で酷い負け方。しかし、その後もリングへ。中堅相手に勝ったり負けたり。オハイオ州王座を獲得できたが、連敗で引退。ローカルな活躍にとどまった。)
②バスター・マシス 4R TKO ロン・マーシュ
(ヘビー級戦、1967年)
マシス:左ジャブ、右ストレート、フック
マーシュ:左ジャブ、右ストレート、フック
(ダウンシーン)
3R:左フックで2度、マーシュがダウン
4R:左フックでマーシュがダウン
(感想:フランクリン戦後も中堅相手に連勝のマシス。マーシュはアイダホ州ボイシ出身。アマチュアで好成績。プロデビューから連勝。2-0の判定で初黒星を喫したが、その相手にはTKOで雪辱。そこから連勝でマシス戦。コチラも勢いはあるが、これまでの相手は中堅ばかり。ニューヨーク「マジソン・スクエア・ガーデン」での一戦(3Rからの映像で観戦)。3R、接近してフック攻撃のマーシュ。マシスはパンチにパワーとキレがあり、左フックからの右ストレートに威力。左フックでマーシュがダウン。ストレートなどで反撃するが、ディフェンスされて今度は右アッパーからの左フックで二度目のダウン。4R、左のガードを下げてアリっぽいフットワークを見せるマシス。実に鋭いワンツーを披露し、左フックでマーシュを倒す。ダメージ深いと見て、レフェリーは試合を止めた。マシスが素晴らしい勝利。世界挑戦を観てみたいと思うほどパンチにキレとパワー。相手を見て攻撃する冷静さもあった。マーシュは頑張るタイプだが、そこまで。その後もマーシュは中堅相手にローカルな試合。引退後はカンザス州で教師に。30年間勤め、70歳で亡くなった。)
③バスター・マシス 7R TKO ジェームス・J・ビーティ
(ヘビー級戦、1968年)
マシス:左ジャブ、右ストレート、フック
ビーティ:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
7R:左フック、右フックで2度、ビーティがダウン
(感想:マーシュ戦後も連勝のマシスだったが、ジョー・フレージャーとのニューヨーク州公認世界ヘビー級王座決定戦でTKO負け(1968年。キレイなボクシングを展開したが、フレージャーの荒々しいパワーに沈んだ)。再起戦に勝利してビーティ戦。ビーティはミネソタ州セント・ポール出身の白人だが、身長が何と207cm。ニックネームは「Big Jim」。アマチュアで活躍。1962年にマシスと対戦して敗北。プロでは中堅どころを相手に好調。トム・マクニーリーに勝利、アル・ジョーンズにKO負け。ジョーンズ戦後、四連勝でマシスとプロで再戦。ミネソタ州ブルーミントンでの一戦。デカい選手にはよくあることだが、ビーティは妙に細かいパンチを使うタイプ。ジャブ、ショートのワンツー。時折、大きな右ストレート、左フックを振るうが、少ないのが残念(もっと豪快に行けばいいのに)。マシスはフットワークで距離を取ってジャブ、ワンツーを使ったり、強引に接近してフックをねじ込んだり(左フックからの右フック、左フックをボディからアゴへ連打、ほか)。ディフェンス&攻撃の正確さでマシス。ビーティは攻められてクリンチ。右ストレートを当てるシーンもあるが、単発。7R、マシスが仕上げにかかる。左フック連打でビーティがダウン。立ったが強烈な左フック、続く右フックで二度目のダウン。レフェリーストップで試合終了。マシスが豪快な勝利。コンビネーションも良かった。ビーティはマシスと戦うには不器用な男だった。その後の二人。ビーティは再起戦にKO負けで引退。1970年の映画『ボクサー』(ジャック・ジョンソンがモデルの内容。主演はジェームズ・アール・ジョーンズ)に出演(ビーティはたぶん、ボクサー役だろう)。そして後のジョージ・フォアマンばりにカムバック。なかなか頑張ったが、最後は後にラリー・ホームズの世界王座に挑戦するスコット・ルドー、レロイ・ジョーンズらに三連敗で引退。マシスはジョージ・シュバロらを相手に連勝後、ジェリー・クォーリーに敗れて引退。再起してモハメド・アリの北米王座に挑戦したが、判定負け。ラストファイトは1972年で、強打者ロン・ライルにKO負け。引退後はトラック運送業の職。しかし、様々な健康問題により、1995年9月6日に52歳で心不全で死去。息子のバスター・マシス・ジュニアもプロボクサーに。全米王者になることはできたが、リディック・ボウ、マイク・タイソンには勝てず。何かとフレージャーと比べられたマシス。東京オリンピックに出場していたら、違う人生になっていただろうか?)
①「Heavyweight
Buster Mathis vs. Marty Franklin」
②「Heavyweight
Buster Mathis vs. Ron Marsh」
③「Heavyweight
Buster Mathis vs. James J Beattie」
ジョー・フレージャー("Smokin'" Joe Frazier)のページ

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