メキシコ・スーパーバンタム級。「イラレス vs. ベルナシュ、メデリン」「グティエレス vs. ペレス、サンチェス」を紹介します。
ラウル・イラレス(メキシコ)
身長165cm:オーソドックス(右構え)
アンドレス・グティエレス(メキシコ)
身長168cm:オーソドックス(右構え)
①ラウル・イラレス 10R 判定 エンリケ・ベルナシュ
(スーパーバンタム級戦、2011年11月)
イラレス:左ジャブ、右ストレート、フック
ベルナシュ:左ジャブ、右ストレート、フック
(感想:メキシカン同士の対戦。イラレス(ラパス出身)はこれまで16勝(9KO)1分。ベルナシュ(グアダラハラ出身)は18勝(9KO)2敗。共にまだ王座戦の経験は無い。メキシコ・ティフアナでの一戦。ガードを上げてパワーを込めるイラレス。ベルナシュは左のガードを下げた構えからジャブ、ストレート、フック。接近するイラレス。ベルナシュは基本的に距離を取りたい様子。ところが接近戦を選択。ボディ打ちに巧さと強さを見せ、ストレート、フック、ボディ打ちで互角の打ち合い。互いに譲らず、10R終了。共に自身の勝ちを確信している様子。判定は極めて僅差の2-0(ダウンシーンは無し)。共にパワフルな打ち合いを展開した好勝負。どちらも負けてはいなかった。強いて言えば序盤のラウンドにベルナシュがやや受け身だったこと、ボディ打ちがローブローになってしまったことがマイナス。ただ、ベルナシュは右ボディ打ちがかなり良かった。その後のベルナシュはトマス・ロハスに判定負けするなど勝ったり負けたり。王座戦を経験することなくリングを去った。)
②ラウル・イラレス 8R 判定 カルロス・メデリン
(フェザー級戦、2013年8月)
イラレス:左ジャブ、右ストレート、フック
メデリン:左ジャブ、右ストレート、フック
(感想:ベルナシュ戦後、IBFインターコンティネンタル戦(スーパーバンタム級)で判定負けしたイラレス。再起戦にも判定負けで、これまで18勝(8KO)2敗1分。メデリンもメキシカンで、20勝(16KO)14敗。WBCの地域王座(フェザー級)に挑戦してKO負け。このところ勝ったり負けたり。ティフアナでの一戦。共にガードを固めてジャブ、ストレート、フック。なかなかパンチの打ち方が良い両者。イラレスは右ストレート、左フック、メデリンはワンツー、ボディ打ちに迫力。ディフェンスしながら接近戦。力強いコンビネーション。5R、イラレスがサウスポーにスイッチ(それほど効果的だったとは思えない)。互角の勝負で8R終了。判定は三者とも「79-73」。映像ではよくわからなかったが、ディフェンスで差が付いたか。ただ、メデリンは左ボディ打ちに威力があり、積極的で強かった(メキシコのフェザー級は層が厚いようだ)。その後の二人。メデリンは連勝したり、連敗したり。イラレスはNABO王座(スーパーバンタム級)に挑戦して判定負け。共に意外なことに王座には縁がなかった。)
③アンドレス・グティエレス 12R 判定 レイ・ペレス
(WBCスーパーバンタム級シルバータイトル戦、2013年7月)
グティエレス:左ジャブ、右ストレート、フック
ペレス:左ジャブ、右ストレート、フック
(感想:グティエレスがタイトル初防衛。王者グティエレス(19歳)はメキシコ・ケレタロ出身。これまで26勝(22KO)1分。IBFのインター王座(バンタム級)、WBCの地域王座(フェザー級)獲得後、決定戦でシルバー王者に。これが初防衛戦。ペレス(22歳)はフィリピン・シンダンガン出身で、17勝(3KO)3敗。デビューから連勝でフィリピン王座(スーパーフライ級)獲得。しかし、日本で名城信男に判定負け、初黒星。WBCユース・シルバー王座(スーパーバンタム級)獲得。直前の試合はウーゴ・カサレスとのWBCインター・シルバー王座決定戦(スーパーバンタム級)で、判定負けしている。ケレタロでの一戦。似たタイプの二人。ガードを固めてディフェンスしながら器用なところを見せる。ジャブ、右ストレート、左のテクニック、斜め下からの意表を突く攻撃。接近戦では互いのガードの隙を狙う。4R、グティエレスが右アッパーをヒットさせる。戦力的には互角だと思われるが、次第にグティエレスの攻めにペレスが受け身に。ただ、互いにディフェンスができるため、どちらかが一方的に打ち込まれることなく12R終了。判定はフルマーク「120-108」の3-0(ダウンシーンは無し)。攻めの姿勢でグティエレス。共にコンビネーションを使うタイプでクリーンなボクシング。ただ、「一発の威力」は共にそこそこだったように見えた。その後のペレス。地元やアメリカのリングに上がったが、勝ったり負けたり。)
④アンドレス・グティエレス 12R 判定 アーニー・サンチェス
(WBCスーパーバンタム級シルバータイトル戦、2013年11月)
グティエレス:左ジャブ、右ストレート、フック
サンチェス:左ジャブ、右ストレート、フック
(感想:グティエレスがタイトル防衛。王者グティエレスの二度目の防衛戦。挑戦者サンチェス(21歳)はフィリピン・サンパブロ出身で、14勝(5KO)3敗。デビューから連勝だったが、フィリピン王座戦(フェザー級)で判定負け、初黒星。さらに判定で二連敗。そして三連勝で、この挑戦。メキシコ・ケレタロでの一戦。互いに慎重姿勢。ガードを上げてジャブ、ストレート、フック。グティエレスが左のテクニック。ワンツー、左フックからの左ボディ打ち、右アッパーからの左フックなど多彩な攻め。サンチェスは斜め下からの大きめの右フックに特徴があるが、攻撃が単発なためディフェンスされる。7R、フックでの打撃戦(迫力)。11R、グティエレスの右ストレートがヒット。12R終了。判定は3-0。グティエレスがコンビネーションで勝利。ただ、ダウンを奪えないのが残念(もっとパワーがあれば、といったところ)。サンチェスは力強かったが、グティエレスはディフェンスが巧かった。その後の二人。サンチェスは階級を上げてWBCインター・シルバー王座(スーパーライト級)などに挑戦したが、勝てず。負けが込むようになっていったが、フィリピン王座(ライト級)獲得。フィリピンの実力者にとどまった。グティエレスはさらに連勝後、WBCシルバー王座戦(フェザー級)で判定負け、初黒星。WBA世界フェザー級王座に挑戦したが、負傷判定負け。世界には手が届かなかった。)
①「Super Bantamweight
Raul Hirales vs. Enrique Bernache」
②「Featherweight
Raul Hirales vs. Carlos Medellin」
③「WBC Silver Super Bantamweight Title
Andres Gutierrez vs. Rey Perez」
④「WBC Silver Super Bantamweight Title
Andres Gutierrez vs. Ernie Sanchez」




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