2025年8月27日水曜日

トーマス・ウリク(Thomas Ulrich)&スティーピ・ドレウス(Stipe Drews)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

欧州ライトヘビー級。「ユルゲン・ムロク vs. ジョビック」「ウリク vs. ブランコ」「ドレウス vs. ブランコ」を紹介します。


トーマス・ウリク(ドイツ)

身長185cm:オーソドックス(右構え)


スティーピ・ドレウス(クロアチア)

身長196cm:サウスポー


ユルゲン・ムロク 2R KO ジョシプ・ジョビック

(ライトヘビー級6回戦、1992年9月)

トーマス・ウリク(Thomas Ulrich)&スティーピ・ドレウス(Stipe Drews)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ムロク:右ジャブ、左ストレート、フック   

ジョビック:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

2R:右フックで2度、ジョビックがダウン

3R:左ストレートでジョビックがダウン、連打でスタンディングダウン

(感想:ドイツの新鋭ムロクはゼンデン出身。ジョビックはクロアチアの選手で、まだ勝ったことがない。ハンブルグでの一戦。攻める姿勢のムロク。サウスポースタイルでダッキングしながらジャブ、ストレート、右フック。ジョビックは右ストレートで応戦。2R、右フックが頭の固いところ付近にヒットしてジョビックがダウン。さらに右フックで二度目のダウン。3Rには左ストレートでダウン。立ったが、連打を浴びてスタンディングカウントを聞く。続行をアピールするジョビックだが、レフェリーは試合を止めた。積極的な姿勢でムロクが快勝。ディフェンスもよくできていた。ジョビックは良い右ストレートを持っていたが、攻めるときに隙があった。その後の二人のキャリアはなかなか興味深い。「BOXREC」の記録によるとジョビックは結局、一度も勝つことなくキャリア終了。ムロクは逆に負け無しで引退。共に地域王座戦に出場したが勝てず、無冠に終わった。)


トーマス・ウリク 11R TKO シルビオ・ブランコ

(欧州ライトヘビー級王座決定戦、2004年)

トーマス・ウリク(Thomas Ulrich)&スティーピ・ドレウス(Stipe Drews)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ウリク:左ジャブ、右ストレート、フック

ブランコ:左ジャブ、右ストレート、左フック

(ダウンシーン)

11R:右ストレートでブランコがダウン

(感想:ウリクがタイトル獲得。これまで49勝(30KO)7敗2分のブランコ(イタリア・チビタベッキア出身)は前WBA世界ライトヘビー級王者。ファブリス・ティオーゾに王座を奪われ、これが再起戦となる。ウリクはドイツ・ベルリン出身で、26勝(18KO)1敗。アマチュアで活躍。1996年のアトランタ・オリンピックではライトヘビー級で銀メダル。プロではWBOのインターコンティネンタル王座、欧州王座、WBCインター王座(全てライトヘビー級)を獲得している。ドイツ・ツウィッカウでの一戦。共にジャブ。ブランコがアップライトな姿勢から速いワンツー、左フック。腕っぷしが強いウリクはガードを上げてジリジリ前進し、1Rから強烈な右をヒットさせる。キレイなワンツーを打つなど手数が多いブランコだが、ディフェンスに弱点がある印象。11R、右ストレートが効いたブランコ。さらに右を食ってダウン。立ったがフラついてストップされた。ウリクが強打で快勝。ブランコは手数が多かったが、それをブロックして強打を叩き込んだ。一発のパワー、ディフェンスに差があった。その後、ウリクはWBC次いでWBOの世界王座(いずれもライトヘビー級)に挑戦したが勝てず。)


スティーピ・ドレウス 12R 判定 シルビオ・ブランコ

(WBA世界ライトヘビー級タイトル戦、2007年)

トーマス・ウリク(Thomas Ulrich)&スティーピ・ドレウス(Stipe Drews)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ドレウス:右ジャブ、左ストレート、フック

ブランコ:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

8R:ワンツーでドレウスがダウン

(感想:ドレウスがタイトル獲得。これまで55勝(34KO)8敗2分のブランコ。WBA世界ライトヘビー級暫定王座を獲得したが、正規王者ファブリス・ティオーゾが引退したため、正規王者に認定。これが初防衛戦。ドレウスはクロアチア・マカルスカ出身。本名は「Stipe Drvis(スティーピ・ダービシュ)」で、主戦場のドイツでは「Stipe Drews(スティーピ・ドレウス)」と呼ばれている(なぜ?)。1996年のアトランタ・オリンピックにライトヘビー級で出場(メダルは獲得ならず)。プロでは31勝(13KO)1敗。ブランコとは空位の欧州王座(ライトヘビー級)を懸けて戦ったことがあり、ドレウスの判定勝ち。初めての世界挑戦で再びブランコを下すことができるかどうか、といったところ。ドイツ・オーバーハウゼンでの一戦。いかにもサウスポー、といった感じのドレウス。距離を取ってジャブ、左ストレート。カウンター狙いで自分からは攻めない。ブランコは上体を動かしながらひたすら前進し、右ストレート、左右フック。噛み合わない雰囲気で、時折ドレウスのカウンターがヒット。7Rにハプニング。ドレウスが相手に背を向ける無防備な体勢になり、ブランコが背後から攻撃。8Rに大きな見せ場。右が効いたドレウス。ワンツーでダウン。その後も攻めるブランコ、打ち合わないドレウスといった展開。12R、勝利を確信しているのか、ドレウスは足を使って打ち合わない。12R終了。「自分が勝った」とばかりに喜ぶドレウス。判定は3-0。ジャッジの一人は1ポイント差という僅差の判定だった。ドレウスの試合ぶりは全くエキサイティングではなかったが、これがヨーロッパのボクシング。「打たせずに打つ」のが基本。その後の二人。ドレウスは初防衛に失敗して引退。ブランコはリングに上がり続け、WBC王座への挑戦は失敗に終わったが、WBCのインター王座(クルーザー級)などを獲得する活躍を見せた。)


①「Light Heavyweight 

Juergen Mloch vs. Josip Jovic」

②「vacant EBU Light Heavyweight Title

Thomas Ulrich vs. Silvio Branco」

③「WBA World Light Heavyweight Title

Silvio Branco vs. Stipe Drews」


ファブリス・ティオーゾ(Fabrice Tiozzo)のページ

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