フランス・ライト級。「ジェルティ vs. ドゥミトレスク」「リファ vs. ワルテル」「ヨセフ・ジババ vs. ラクリブ」ほかを紹介します。
アフィフ・ジェルティ(アルジェリア)
身長170cm:オーソドックス(右構え)
ジャメル・リファ(フランス)
身長170cm:オーソドックス(右構え)
①アフィフ・ジェルティ 6R KO ダニエル・ドゥミトレスク
(ライト級8回戦、1997年4月)
ジェルティ:左ジャブ、右ストレート、フック
ドゥミトレスク:左ジャブ、右ストレート、フック
(ダウンシーン)
3R:左ボディでドゥミトレスクがスタンディングダウン
6R:左フックでドゥミトレスクがダウン
(感想:アルジェリア出身のジェルティ。ジュリアン・ロルシー(後、WBA世界ライト級王座獲得)には敗れたが、フランス王座(スーパーフェザー級)を獲得。これまで19勝6敗ではあるが、年齢は38歳。ドゥミトレスクはルーマニアの新鋭で、デビューから8連勝。ルーマニア・ライト級王座を獲得している。フランス・ルーアンでの一戦。足でリズムを取りながらジャブ、ワンツー、左ボディ打ちのドゥミトレスク。アップライトな姿勢で、攻めるときのディフェンスが甘い印象。ジェルティはディフェンスしながらジャブ。器用さはあるが、動きのスピードが欠けているように見える。左フックからの右ストレートといった連打で攻めるドゥミトレスク。ジェルティは受け身ながら左フックを時折当てる。次第にパンチの勢いが増していくジェルティ。3Rに左ボディでドゥミトレスクにスタンディングカウントを聞かせる。その後もよく前に出るドゥミトレスクだが、6R、左右フックからの左フックをマトモに食ってダウン、KO。痛烈なKOでジェルティが快勝。当てる巧さ、ディフェンスのテクニックがあった。ドゥミトレスクはやはりディフェンスに問題。真っ直ぐ攻める危険な動きをしていた。その後の二人。ドゥミトレスクは次の試合にも敗れて、それが最後の試合に。ジェルティはフランス王座に加え、IBO王座、欧州王座(スーパーフェザー級)を獲得・防衛。)
②ジャメル・リファ 10R 判定 ブルーノ・ワルテル
(フランス・ライト級タイトル戦、1999年)
リファ:左ジャブ、右ストレート、フック
ワルテル:左ジャブ、右ストレート、フック
(感想:リファがタイトル防衛。フランス王者のリファ。アマチュアで活躍。1992年のバルセロナ・オリンピックではフェザー級で出場(メダルは獲得ならず)。プロではフランス王座(J・ライト級、ライト級)、欧州王座(J・ライト級)を獲得してきた。ワルテルはアルジェリア出身。IBFのインター王座戦(ライト級)には敗れたが、WBCのインター王座(ライト級)を獲得。パリでの一戦。ジャブを連打するリファ。右アッパーからの左フック、左フックのダブルからの右ストレートといったコンビネーションを使いこなす。ワルテルはワンツーがパワフルで、時折大きな右フックを振るう。当てる巧さを見せるリファ。相手のガードの隙を突くパンチ。6R、ワルテルの右がヒット。互いに持ち味を発揮して10R終了。判定はPTS、王者防衛。実力的には大きな差はなかったように映像では見えたが、コンビネーションで攻める分、手数でリファが有利だった。その後、ワルテルはWBCのインター王座を防衛し続けたが、王座陥落。世界戦を経験することはなかった。)
③オスカー・ガルシア・カノ 12R 判定 ジャメル・リファ
(欧州ライト級王座決定戦、1999年)
リファ:左ジャブ、右ストレート、フック
カノ:左ジャブ、右ストレート、フック
(感想:カノがタイトル獲得。リファが欧州王座(ライト級)に挑戦。カノはスペインの選手で、かつてこの王座を持っていたことがある。WBOの地域王座(ライト級)を獲得・防衛後、アルツール・グレゴリアンのWBO世界ライト級王座に挑戦したときは判定負けに終わっている。パリでの一戦。攻めるカノ。ジャブ、ワンツー、接近してフック。リファは連打、カウンターで応戦する。共に連打で勝負するタイプであるが、リファは手数を出し、カノは一発一発のパンチにパワーを込める。互いにディフェンス、一進一退。攻める姿勢でややカノの方が優勢か? 12R終了。判定はPTSによりカノ。大きな力の差はなかったように見えたが、パワーで精力的に攻めるカノの方がプロらしい戦いぶりだった。その後、リファは再び欧州ライト級王座戦で敗北。世界戦を経験することはなかった。カノは次の試合でジュリアン・ロルシーに判定負けで王座陥落。それが最後の試合に。ロルシーはその後、畑山隆則を下してWBA世界ライト級王者になった。)
④ヨセフ・ジババ 10R TKO ナッサー・ラクリブ
(フランス・スーパーフェザー級王座決定戦、2001年8月)
ジババ:左ジャブ、右ストレート、フック
ラクリブ:左ジャブ、右ストレート、フック
(感想:ジババがタイトル獲得。ジババはマルセイユ在住の黒人。これまで6勝(1KO)3敗2分。その内の2敗はフランス・スーパーフェザー級王座に挑戦したときのもので、その内の一つはラクリブに判定負け。ノンタイトル戦でもラクリブに判定負けしている。ラクリブはフランスのコンフラン=サント・オノリーヌ出身で、11勝(5KO)1敗1分。ジババとの再戦でフランス・スーパーフェザー級王座獲得。そして、この三戦目。フランス・マルセイユでの一戦。開始から積極的に攻めるジババ。ジャブ、ストレート、振りが大きめのフック、ボディ打ち(アズマー・ネルソンのような雰囲気)。ラクリブは足で距離を取ってアウトボクシングしようとするが、攻められて応戦。ひたすら攻めるジババ。次第にキツくなってきたラクリブ。9Rに連打され、このラウンド終了後に棄権。ジババが攻めの勢いで勝利。過去にラクリブに二敗しているとは思えないほど一方的な内容だった。ラクリブは終始、受け身。ボディ打ちは悪くなかっただけに逃げの姿勢だったのは残念。その後の二人。ラクリブは欧州王座(ライト級)に挑戦したが、勝てず。フランスの実力者にとどまった。ジババはフランス・スーパーフェザー級王座戦に何度も出場。欧州連合王座(スーパーフェザー級)も獲得できたが、敗北もあって世界戦は無かった。)
①「Lightweight
Affif Djelti vs. Daniel Dimitrescu」
②「French Lightweight Title
Djamel Lifa vs. Bruno Wartelle」
③「vacant EBU Lightweight Title
Djamel Lifa vs. Oscar Garcia Cano」
④「vacant French Super Featherweight Title
Youssouf Djibaba vs. Nasser Lakrib」
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