ウェルター級。「ラウ vs. ロッキー・マルチネス、ブルセレス」、「ブルセレス vs. ウィルフレド・ネグロン」を紹介します。
ヒクレット・ラウ(キューバ)
身長183cm:スイッチヒッター(両構え)
ヘンリー・ブルセレス(プエルトリコ)
身長170cm:オースドックス(右構え)
①ヒクレット・ラウ 10R 引分 ロッキー・マルチネス
(J・ウェルター級戦、2000年)
ラウ:ジャブ、ストレート、フック
マルチネス:ジャブ、ストレート、フック
(感想:キューバ出身のラウ。これまで11勝(6KO)6敗1分。デビュー当初は好調だったが、ベン・タッキー、ラファエル・ルエラスといった実力者相手にこのところ負けが込んでいる。マルチネスはメキシカンで32勝(17KO)3敗。フィリップ・ホリデイのIBF世界ライト級王座に挑戦して判定負けしたことがある。シカゴでの一戦。スラリとしたラウ。まるでマーク・ブリーランドのように長いジャブ、ワンツーを使う。マルチネスはジャブを使いながら接近して右ストレート、フック連打。互いにディフェンス、時折サウスポーにスイッチ。当てる巧さを見せるマルチネス。ラウは長いジャブ、ワンツーからの左フックが効果的。最終ラウンド終了時、両者とも両手を上げて自身の勝利をアピール。判定はドロー。ダウンや相手がグラつくようなシーンがなく、共にパンチがやや軽めで決定打を欠いた。その後、マルチネスはラウ戦の次の試合でランドール・ベイリーのWBO世界スーパーライト級王座に挑戦して敗北。アルツール・グレゴリアンのWBO世界ライト級王座に挑戦して敗北。結局、世界王座は獲得できなかった。)
②ヘンリー・ブルセレス 12R 判定 ヒクレット・ラウ
(NABO スーパーライト級王座決定戦、2003年)
ラウ:ジャブ、ストレート、フック
ブルセレス:左ジャブ、右ストレート、フック
(ダウンシーン)
3R:右ストレートでブルセレスがダウン
8R:右カウンターでラウがダウン
(感想:ブルセレスがタイトル獲得。プエルトリコのブルセレス。これまで17勝(11KO)1敗。このNABOスーパーライト級王座は既に獲ったことがあり、奪回を目指す状況。ラウはマルチネス戦後、連勝だったが、このところ二連敗で17勝(8KO)8敗2分。マイアミでの一戦(リングサイドでオスカー・デラ・ホーヤ、バーナード・ホプキンスが観戦)。ラウが速いジャブ、右ストレート、左フック。ブルセレスは好戦的。左を使いながら前進し、右ストレート、左フックにパワーを込める。3R、右ストレート、左フックが効いたブルセレス。右ストレートでダウン。立ったが、連打されるピンチ。それでも前進するブルセレス。馬力でラウのキレイなボクシングを圧倒。ラウはサウスポーにスイッチしたりしながらフックで応戦。8R終了間際、強烈な右カウンターでラウがダウン。その後、距離を取るラウがジャブ。ブルセレスはひたすら前進。12R、KOを狙って攻めるブルセレス。12R終了。共に両手を上げて自身の勝利をアピール。判定は3-0。ブルセレスの攻める姿勢、パワーが評価されたらしい。なかなか素晴らしい試合。共に強さを発揮。ボクサータイプのラウは終始前進するブルセレスを持て余してしまった。その後のラウ。WBCの地域王座(スーパーライト級)に挑戦して敗れるなど王座とは無縁のキャリアとなった。)
③ヘンリー・ブルセレス 7R TKO ウィルフレド・ネグロン
(WBOラティノ・ウェルター級王座決定戦、2004年)
ブルセレス:左ジャブ、右ストレート、フック
ネグロン:左ジャブ、右ストレート、フック
(ダウンシーン)
3R:右カウンターでブルセレスがダウン
4R:右ストレートでネグロンがダウン
6R:左フックでネグロンがダウン
7R:右カウンターでネグロンがダウン
(感想:ブルセレスがタイトル獲得。プエルトリコ同士の対決。ネグロン(30歳)はこれまで22勝(19KO)7敗。プエルトリコ王座、WBAの地域王座(いずれもライト級)獲得。ヘスス・チャベスとの北米J・ライト級王座戦でTKO負け。ザブ・ジュダーとのIBF世界スーパーライト級暫定王座決定戦でKO負け。このところ二連勝中。ブルセレス(23歳)はラウ戦の次の試合に判定負け。再起戦に勝利して19勝(12KO)2敗。プエルトリコ・サンファンでの一戦(リングアナはルペ・コントレラス、レフェリーはロベルト・ラミレス)。1R、速いジャブを連打するネグロン。長い右ストレート、フック。しゃくり上げるような右フックに迫力。ブルセレスは実にパワフルなフック、ボディ打ち(パワーが乗った良い打ち方)。互いにガードを上げるが、フックを浴びてネグロンがピンチ。2R、打ち下ろすような右ストレートでネグロン優勢。3R、右カウンターでブルセレスがダウン。左フックからの右ストレートで攻めるネグロン。ブルセレスは手数が少な目。4R、左フックが効いたネグロン。右ストレートでダウン。共に当てる巧さがあるが、ブルセレスにはナチュラルなパワー。6R、左フックでネグロンがダウン。7Rには右カウンターでダウン。ダメージ深いと見て、レフェリーは試合を止めた。ブルセレスが快勝。フックの打ち方が良かった。ネグロンは大きいパンチに迫力があったが、その分、隙も大きかった。その後の二人。ネグロンは地域王座戦に数度出場したが、勝てず(ブルセレスとの再戦も敗北)。ブルセレスは勝ち続けたが、フロイド・メイウェザー・ジュニアとWBC世界スーパーライト級王座挑戦者決定戦を行い、TKO負け。結局、世界挑戦することなくキャリアを終えた。)
①「Junior Welterweight
Hicklet Lau vs. Rocky Martinez」
②「vacant NABO Super Lightweight Title
Hicklet Lau vs. Henry Bruseles」
③「vacant WBO Latino Welterweight Title
Henry Bruseles vs. Wilfredo Negron」
0 件のコメント:
コメントを投稿