NABOスーパーフェザー級王者。ドミニク・サルシド戦、カルロス・エルナンデス戦、ファン・ルイス戦ほかを紹介します。
ビセンテ・エスコビド(アメリカ)
身長178cm:オーソドックス(右構え)
①ビセンテ・エスコベド 6R KO ドミニク・サルシド
(ライト級戦、2008年)
エスコベド:左ジャブ、右ストレート、フック
サルシド:左ジャブ、右ストレート、フック
(ダウンシーン)
6R:右ストレートでサルシドがダウン
(感想:カリフォルニア州ウッドランド出身のエスコベド。アマチュアで実績。しかし、オリンピックではメダル獲得ならず(2004年アテネ、ライト級)。プロではこれまで18勝(11KO)1敗。デビューから連勝だったが、ダニエル・ヒメネス(後、NABO王者に)に2-1で判定負け、初黒星。それからまた連勝中。サルシドは16戦全勝(8KO)。WBCユース王座(スーパーフェザー級)を獲得している。カリフォルニア州カバゾンでのカリフォルニア出身者同士の一戦。実に個性的な髪型のサルシド。赤く染めて、サイドはチェス盤のようにカットされている。しかし、見た目にダマされてはいけない。左のガードを下げた構えからシャープなフリッカージャブ、右ストレート、フック連打。手数が多く、ややトリッキーな動きから右アッパーを入れる器用さもあり、表情は真剣そのもの。エスコベドは全くの正統派。ブロックしながらジャブ、右ストレート、左フック。手数でサルシドがポイントを取っているように見える展開で6R。左フックが効いたサルシド。強烈な左フックからの右ストレートで痛烈なダウン。何とか立ったが、連打を浴びてストップ。エスコベドが正確な強打で快勝。ポイント上は劣勢のようだったが、しっかりブロックしてダメージは少なかったようだ。サルシドは残念。よく頑張っていたがパンチの振りが大きく、その隙を突かれてしまった。 その後、サルシドは勝ったり負けたり(初黒星のダメージが大きかったか)。)
②ビセンテ・エスコビド 10R 判定 カルロス・エルナンデス
(ライト級戦、2009年4月)
エスコビド:左ジャブ、右ストレート、フック
エルナンデス:左ジャブ、右ストレート、フック
(ダウンシーン)
1R:右ストレートでエルナンデスがダウン
2R:右フックでエルナンデスがダウン
6R:右ボディでエスコビドがダウン
(感想:サルシド戦の次の試合。エルナンデス(38歳)はカリフォルニア州ロサンゼルス出身で、43勝(24KO)7敗1分。ヘナロ・エルナンデス、フロイド・メイウェザー・ジュニアのWBC世界J・ライト級王座に挑戦していずれも判定負け。決定戦でIBF世界J・ライト級王者に。防衛にも成功したが、WBC王者エリック・モラレスとの統一戦に敗北。その後は勝ったり負けたり、ブランクを作ったり。テキサス州オースティンでの一戦。1R、積極的に攻めるエルナンデス。接近して左右フック、ボディ攻撃。エスコビドは距離を取って戦いたいようで、ジャブを使いながらストレート、フックで応戦。左フックからの右ストレートでエルナンデスがダウン。2Rには右フックでダウン。どうやら攻めようとする意識が強すぎて隙があるらしい。それでもエルナンデスは攻めの姿勢。エスコビドが押されるシーンも。5R、エルナンデスの左フックがヒット。6R、(押されたような形のものだったが)右ボディでエスコビドがダウン。その後、両者手数を出し、接近戦。10R終了。判定は3-0。映像では一進一退に見えたが、ダウンを多く奪った分&ディフェンスでエスコビドが評価されたようだ。エルナンデスは負けたが、年齢を感じさせない精力的な攻撃。しかし、これが最後の試合となった。)
③ビセンテ・エスコベド 10R 判定 ファン・ルイス
(スーパーフェザー級戦、2012年)
エスコベド:左ジャブ、右ストレート、フック
ルイス:左ジャブ、右ストレート、フック
(感想:サルシド戦後のエスコベド。その次の試合でケビン・ケリー(元WBC世界フェザー級王者)に勝利。WBO世界ライト級暫定王座に挑戦したが、2-1で王座獲得ならず。WBOインターコンティネンタル王座戦(ライト級)にも敗北。ロニー・スミス(元世界王者ではない別人)を下してNABO王座(スーパーフェザー級)獲得。ルイスもカリフォルニア出身。これまで23勝9敗。WBAの地域王座、NABO王座(スーパーバンタム級)を獲得したり、あのウェイン・マックローを破って北米王座(フェザー級)を獲得したりといった実績。しかしながら、このところ連敗中。カリフォルニア州ウッドランドでの一戦。身長差がある二人。ルイスは小柄ながら実に積極的。ジャブを使いながらひたすら接近してフック連打、ボディ打ち。エスコベドはガードを上げてキレとパワーのあるワンツー、左フックからの右ストレートといったコンビネーション、接近戦ではパワフルなフック。実にねちっこいルイスだが、次第に相手のパワーに押されてクリンチ、ホールド。10R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。体格差があった試合。パワー&ディフェンスでエスコベドが勝利。ルイスはよく頑張った。その後、ルイスは北米王座戦のチャンスがあったが、勝てず。エスコベド戦後は敗北が増えていった。)
④フェルナンド・カルカモ 2R TKO ビセンテ・エスコビド
(スーパーフェザー級戦、2013年9月)
エスコビド:左ジャブ、右ストレート、フック
カルカモ:ジャブ、ストレート、フック
(ダウンシーン)
2R:左フックでエスコビドがダウン
(感想:ファン・ルイス戦の次の試合でエスコビドはWBO世界スーパーフェザー級王座決定戦に出場したが、TKO負け。再起戦もTKO負けに終わり、31歳に。カルカモはメキシコ・ソノラ出身の22歳。デビュー戦で判定負け。以後も負けがあるが、WBCユース・シルバー王座(ライト級)を獲得。このところ三連続KO勝ち。メキシコ・カンクンでの一戦。共にジャブ、ストレート。カルカモがサウスポースタイルで距離を保とうとする。エスコビドは接近。ディフェンスしながらの接近戦。カルカモはオーソドックスにチェンジしたりする。2R開始早々、カルカモがサウスポースタイルから左フック。これをマトモに食ったエスコビドが痛烈なダウン。立ったが、レフェリーに止められた。カルカモが一発で勝利。なかなか良いパンチで、器用さもあった。エスコビドは悪くはなかったが、ガードにやや隙があったか。これが最後の試合となり、結局、世界王座には手が届かなかった。その後のカルカモ。NABAライト級王座戦でKO負けするなどの敗北。最後は三連続KO負けで引退。勝つも負けるもKO、といった感じのキャリアとなった。)
①「Lightweight
Vicente Escobedo vs. Dominic Salcido」
②「Lightweight
Vicente Escobedo vs. Carlos Hernandez」
③「Super Featherweight
Vicente Escobedo vs. Juan Ruiz」
④「Super Featherweight
Vicente Escobedo vs. Fernando Carcamo」
0 件のコメント:
コメントを投稿