2025年4月10日木曜日

マルコ・フック(Marco Huck)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

WBO世界クルーザー級王者。ラシッド・エル・ハダック戦、イスマイル・アブドゥル戦、ブライアン・ミント戦を紹介します。

マルコ・フック(Marco Huck)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

マルコ・フック(セルビア)

身長188cm:オーソドックス(右構え)


マルコ・フック 8R KO ラシッド・エル・ハダック

(クルーザー級8回戦、2006年)

フック:左ジャブ、右ストレート、フック   

ハダック:左ジャブ、右ストレート、フック   

(ダウンシーン)

6R:左ボディでハダックがダウン

7R:左右フックでハダックがダウン

8R:連打、連打、左ボディで3度、ハダックがダウン

(感想:フック(21歳)はセルビア・ウガオ出身。テコンドーとキックボクシングの経験を引っさげてプロ入り。ドイツを主戦場にこれまで全勝。ハダック(32歳)はモロッコ出身。主戦場はフランス。デビューから連勝だったが、ドイツで判定負け(初黒星)。その再起戦でフックと勝負。ドイツ・ヴェツラーでの一戦(リングアナはスティーブ・マックイーンに似た男)。派手なライティング(照明)の中、選手入場。ゴング。互いにブロックしながらジャブ、ストレート、フック。1Rから打ち合い。ハダックがボディ攻め。フックは左フックをダブルで打ち込むなど器用さと手数。ワンツーからの左フック、左フックをアゴからボディへ打つなどコンビネーションでフック優勢。6R、左ボディでハダックがダウン。7Rにはフックでダウン。8R、三度ダウンで試合終了。同じようなタイプのファイターの打ち合いはコンビネーションで決着。フックにはパワーと器用さがあった。その後のハダック。多くの試合。欧州王座戦、ベルギー王座戦(いずれもクルーザー級)に敗北。パッとしない状態だったが、開眼。フランス王座(クルーザー級)獲得。IBFインターナショナル王座(クルーザー級)も獲得。フランス王座を連続防衛するなどタイトル獲得後は全勝で引退した。)


マルコ・フック 12R 判定 イスマイル・アブドゥル

(欧州クルーザー級タイトル戦、2007年)

フック:左ジャブ、右ストレート、フック   

アブドゥル:左ジャブ、右ストレート、フック   

(感想:フックがタイトル初防衛。ハダック戦の次の試合でヨーロピアン連合版欧州クルーザー級王座を獲得したフック(22歳)。前王者と初防衛戦。挑戦者アブドゥル(30歳)はベルギー出身。デビューから連勝でベルギー王座(ライトヘビー級)獲得。判定で王座陥落、初黒星。そこから苦戦。IBFインターコンティネンタル王座、欧州王座、WBU王座戦(全てクルーザー級)に敗北。決定戦で欧州王座(ヨーロピアン連合版。クルーザー級)獲得。しかし、EBU王者デビッド・ヘイに判定負け。連合版王座奪回を狙う状況。スイス・バーゼルでの一戦(会場ではドン・キングが観戦)。似たタイプの二人。ガードを上げてショートパンチ。実に地味なアブドゥル。ひたすらジャブ。時折右ストレート、右フックで攻めるが、ブロックされる。フックがボディ連打でポイント上、優勢。12R終了。判定は大差の3-0(ダウンシーンは無し)。クルーザー級にしては細かいパンチの打ち合いだったが、フックはボディ打ちが巧かった(KOを狙うような攻め方だったらもっとよかった)。その後のアブドゥル。実に多くの試合。勝ったり負けたりだったが、WBAインターコンティネンタル王座戦(クルーザー級)などのタイトル戦に多く出場した。)


マルコ・フック 10R TKO ブライアン・ミント

(WBO世界クルーザー級タイトル戦、2010年)

フック:左ジャブ、右ストレート、フック   

ミント:左ジャブ、右ストレート、フック   

(ダウンシーン)

3R:左フックでミントがダウン

5R:右ストレートでミントがダウン

9R:右ストレートでミントがダウン

(感想:フックがタイトル防衛。アブドゥル戦後、全勝のままIBF王座に挑戦したフックだが、TKO負けで初黒星。欧州王座を連続防衛。2009年、ビクトル・ラミレス(アルゼンチン)に判定勝ちでWBO王者に。ミントと三度目の防衛戦。挑戦者ミントはペンシルベニア州出身の白人。ニックネームは「The Beast」(ゴツいファイターなのだろう)。アメフトの経験あり。アマチュアを少し経験してプロへ。デビューから連勝でローカル王座(ヘビー級)を獲得したが、あのトニー・タッブスに判定負けで王座陥落、初黒星。アクセル・シュルツらを相手に連勝。WBOインターコンティネンタル王座戦(ヘビー級)で判定負け。WBAの地域王座(ヘビー級)獲得、連続防衛。NABO王座(ヘビー級)も獲得。しかし、クリス・アレオラにTKO負け(アレオラにとってその試合はビタリ・クリチコとのWBC戦に敗れた再起戦だった)。その再起戦でフックに挑戦。これまでヘビー級で戦ってきたミント。パワー・タフネスで有利なのでは? ドイツ・オルデンブルクでの一戦。ガッチリした身体のミント。身長は180cmで、フックより小さい。左のガードをやや下げた構えからジャブ、前進してストレート、ボディフック。王者らしい金色トランクスのフックはガードしながらジャブ。右パンチが強く、意外なことにパワーでミントを上回る。攻めるミントだが、3Rに左フックでダウン。その後も打ち下ろすようなフックの右ストレートがパワフル。5R、右ストレートでミントがうつぶせにダウン。タフなミントはそれでも攻めの姿勢だが、ラウンド終了後、帰るコーナーを間違えて着席。しかしながら、ミントはタフ。右パンチで攻められて劣勢ではあるが、攻めに行く。9R、右ストレートでミントがダウン。立ち上がり反撃したが、このラウンド終了後に棄権。フックが右パンチで快勝。世界王者にふさわしいパワーがあった。ミントは悪い選手ではなかったが、攻撃をブロックされた。その後の二人。ミントは世界王者にはなれなかったが、クルーザー級とヘビー級で地域王座戦に何度も出場。フックはその後もWBO王座を防衛。WBA世界ヘビー級王座への挑戦は2-0で惜しくも敗北に終わったが、WBO王座を13度も防衛した。)


①「Cruiserweight 

Marco Huck vs. Rachid El Hadak」

②「EBU European Union Cruiserweight Title

Marco Huck vs. Ismail Abdoul」

③「WBO World Cruiserweight Title

Marco Huck vs. Brian Minto」

 

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