2025年4月12日土曜日

ケンドール・ホルト(Kendall Holt)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

WBO世界スーパーライト級王者。トーマス・デイビス戦、ハイメ・ランヘル戦、デメトリアス・ホプキンス戦ほかを紹介します。

ケンドール・ホルト(Kendall Holt)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ケンドール・ホルト(アメリカ)

身長175cm:オーソドックス(右構え)


トーマス・デイビス 1R TKO ケンドール・ホルト

(ウェルター級戦、2004年)

デイビス:左ジャブ、右ストレート、左フック

ホルト:右ストレート、フック

(ダウンシーン)

1R:右ストレートで2度、ホルトがダウン

(感想:ニュージャージー出身の黒人ホルトは期待のホープ。これまで15連勝(11KO)。セコンドにはルゥ・デュバ。テネシー州出身のデイビスは8勝(4KO)1敗1分。シカゴでの一戦。個性的な髪型のデイビス(長髪を後ろでくくっている)。鋭いジャブ、ワンツー、左フック。ホルトは積極的かつ強引。ジャブを使うことなく前進し、ストレート、フック連打。右を食って後退するデイビス。しかし、シャープな右ストレートでホルトを倒す。二度目のダウンも右ストレート。倒れると同時にレフェリーは試合を止めた。デイビスが実に切れ味鋭いパンチで勝利。パンチには伸びがあり、打ち方も良かった。ホルトはあっけない初黒星。パワーを感じる戦いぶりだったが、ジャブ無しで腕力勝負は危険すぎる。その後のデイビス。負けが込んでいき、結局、タイトル戦を経験することなくキャリア終了。)


ケンドール・ホルト 12R 判定 ハイメ・ランヘル

(WBOインターコンチネンタル・スーパーライト級王座決定戦、2005年)

ホルト:左ジャブ、右ストレート、フック   

ランヘル:右ジャブ、左ストレート、フック   

(ダウンシーン)

1R:左ストレートでホルトがダウン

(感想:ホルトがタイトル獲得。デイビス戦後、再起三連勝中のホルトがタイトル戦。ランヘル(コロンビア)は33歳のベテラン。これまで30勝(26KO)7敗1分。地元を中心に試合。WBCの地域王座、NABO王座(いずれもライト級)獲得後、アメリカでザブ・ジュダーのWBO世界スーパーライト級王座に挑戦して1RでKO負け。その後、不調。三連敗の状況でホルトと対戦。フロリダ州ポンパノビーチでの一戦(会場ではホルトの母、元IBF世界ライトヘビー級王者グレン・ジョンソンが観戦)。1R、互いに警戒、ジャブ。ランヘル(サウスポー)の左ストレートでホルトがダウン。その後、ホルトは強さとキレがある右ストレート、左フック。しかし、サウスポーが苦手なのか、攻められると受け身に。ランヘルは相手との距離を詰めて左ストレート、右フック。5R、ホルトがディフェンスしながら強い右ストレートをヒットさせる。ランヘルはワンツーが力強いが、かわされている印象。9R、ランヘルがローブローをキッカケに連打で攻める。終盤、距離を取ってジャブ、ワンツーのホルト。12R、クリンチ中のラビットパンチでホルトが被害。12R終了。判定は2-1。共に強打者だったが、ディフェンスでホルトが勝利。ランヘルは攻めが単調だった。その後、ランヘルは連敗。結局、ジュダー戦後、全敗(全てアメリカで。地元では強かったが)。ラストファイトの相手はティモシー・ブラッドリーだった。)


その後のホルト

NABO王座(スーパーライト級)獲得。WBO世界スーパーライト級王座挑戦者決定戦にも勝利。しかし、リカルド・トーレスにTKO負けでWBO王座獲得ならず。再起戦で実力者ベン・タッキーに勝利。そしてトーレスと王座を懸けて再戦。


ケンドール・ホルト 1R TKO リカルド・トーレス

(WBO世界スーパーライト級タイトル戦、2008年)

ホルト:左ジャブ、右ストレート、フック   

トーレス:左ジャブ、右ストレート、フック   

(ダウンシーン)

1R:右フック、左フックでホルトが2度、ダウン、右フックでトーレスがダウン

(感想:ホルトがタイトル獲得。これまで23勝(12KO)2敗のホルトが二度目の世界王座挑戦。王者トーレスはコロンビア人。これまで32勝(28KO)1敗。デビューから地元で連戦連勝。ミゲル・コットのWBO世界スーパーライト級王座に挑戦してKO負け、初黒星。決定戦で同王座獲得。ホルトらを相手に二度の防衛。ホルトとの再戦は三度目の防衛戦となる。ラスベガスでの一戦(レフェリーはジェイ・ネイディ)。共にスレンダーな身体でシャープなパンチ。開始から右ストレート、左フックで仕掛けるトーレス。右フックでダウンを奪い、さらに左フックで二度目。攻めるトーレスだが、逆に打たれてピンチ。そして、ホルトの右フック。ダウンしたトーレスは座り込んで動かない状態に。レフェリーはすぐさま試合を止めた。長いパンチで打ち合った起伏に富んだ試合。何と61秒で終了。共に良いパンチ。仮に相手にダメージを与えたとしても1Rはまだまだ体力がある。ハイペース過ぎる打ち合いは実力者同士の対戦では避けるのが基本。トーレスは急ぎすぎたか。その後のトーレス。次の試合にTKO勝ちして、意外なことにそれが事実上のラストファイトに。ホルト戦でのKO負けが大きかったのかも。)


ケンドール・ホルト 12R 判定 デメトリアス・ホプキンス

(WBO世界スーパーライト級タイトル戦、2008年)

ホルト:左ジャブ、右ストレート、フック   

ホプキンス:左ジャブ、右ストレート、フック   

(感想:ホルトがタイトル初防衛。1Rで新王者になったホルトが初防衛戦。挑戦者ホプキンスはペンシルベニア州フィラデルフィア出身の黒人。あのバーナード・ホプキンスの甥。ニックネームは「The Gladiator(古代ローマの剣闘士)」(剣で戦うかのような試合ぶりを例えたものと思われる)。アマチュアの大会で優勝経験あり。プロではこれまで無敗。全米王座(スーパーライト級)を決定戦で獲得し、二度の防衛。世界王座に挑戦する資格は十分。アトランチックシティでの一戦。体型や基本スタイルが似ている二人。相手を警戒しながらジャブ。ホプキンスはバーナードに似たところがあり、距離を取ってジャブ。シャープな左フックからの右ストレート、ワンツーからの左フックなどコンビネーションを使う。ホルトはパワーを込めて前進し、右ストレート、左フック。しかし、やや攻めが強引。互いにディフェンス。接近戦ではボディ打ち、クリンチ。9R、ホルトが速い連打をまとめる。その後も、ジャブのホプキンス、パワーのホルト。12R終了。判定は2-1(ダウンシーンは無し)。攻めの姿勢でホルトが辛くも防衛。互いにブロックして決定打を許さず。実力者同士によくある内容。ただ、接近戦でクリンチが多かったのは両者ともマイナス。ホルトはもっとボディを攻めるべきだったのでは? ホプキンスは器用だったが、受け身。バーナードがロイ・ジョーンズと空位のIBF世界ミドル級王座を争ったときもそんな負け方だった。その後の二人。ホプキンスはこの後、ブランク。復帰後、敗北でブランク。全米王座(スーパーウェルター級)を獲得したが、初防衛に失敗。それが最後の試合に。ホルトも残念。ホプキンス戦の次の試合はWBC王者ティモシー・ブラッドリーとの統一戦。これに判定負け。その後、世界挑戦したが、敗北。世界王座に返り咲くことはなかった。)


①「Welterweight 

Kendall Holt vs. Thomas Davis」

②「vacant WBO Inter-Continental Super Lightweight Title

Kendall Holt vs. Jaime Rangel」

③「WBO World Super Lightweight Title

Ricardo Torres vs. Kendall Holt」

④「WBO World Super Lightweight Title

Kendall Holt vs. Demetrius Hopkins」

 

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