世界ミドル級王者。世界王者になる前の試合&世界戦。グレイディ・ブルーワー戦、ミゲル・アンヘル・エスピノ戦ほかを紹介します。
ケリー・パブリック(アメリカ)
身長189cm:オーソドックス(右構え)
①ケリー・パブリック 2R KO グレイディ・ブルーワー
(J・ミドル級4回戦、2001年)
パブリック:左ジャブ、右ストレート、フック
ブルーワー:左ジャブ、右ストレート、フック
(ダウンシーン)
1R:左フックでブルーワーがダウン
2R:連打、右フックで2度、ブルーワーがダウン
(感想:オハイオ州ヤングスタウン出身の白人パブリックは長身。アマチュアで優秀な成績(タイトルも獲得)。2000年6月のプロ転向以来、連勝。ブルーワーはオクラホマの黒人。TKO負けが一つ。ウィスコンシン州バラブーでの一戦。1R、共にジャブ、右ストレート、左フック。パンチの振りは大きめ。左フックでブルーワーがダウン。共にディフェンスに隙があるが、パブリックがワンツーからの左フックなどで優勢。ブルーワーのいきなりの右は当たらず。2R、連打でブルーワーがダウン。フラつきながらも立ち上がって再開したが、右フックでダウン、KO。パブリックが長いパンチで勝利。ブルーワーの思い切りのいい打ち方は悪くはなかったが、攻撃の正確さに欠いた。しかし後、ブルーワーはIBA王座、北米王座(いずれもJ・ミドル級)を獲得するなどの活躍を見せた。)
②ケリー・パブリック 2R TKO ビンセント・ハリス
(S・ミドル級8回戦、2005年)
パブリック:左ジャブ、右ストレート、フック
ハリス:左ジャブ、右ストレート、フック
(ダウンシーン)
2R:連打でハリスがダウン
(感想:勝ち続けるパブリック。ヒューストンでハリスと勝負。ハリスは勝ったり負けたり連敗したりの黒人。共にガードを上げてジャブ。右ストレートに伸びがあるパブリック。左フック、右アッパーを器用に入れる。ハリスはストレート、フックで応戦するが、連打するパブリックに防戦一方。2R、連打でハリスがダウン。立ったが、棄権のような感じで試合終了。パブリックが格下に圧勝。器用さと積極さが光った。ハリスはその後、全敗でキャリア終了。)
③ケリー・パブリック 4R TKO ルノール・ピエール
(ミドル級戦、2006年)
パブリック:左ジャブ、右ストレート、フック
ピエール:左ジャブ、右ストレート、フック
(ダウンシーン)
1R:右ストレートでピエールがダウン
4R:左フックでピエールがダウン
(感想:28連勝(25KO)のパブリック(24歳)。決定戦で北米ミドル級王者になり、ブロンコ・マッカートを相手に初防衛に成功。そして、このノンタイトル戦。ピエール(27歳)はハイチ出身の黒人で、これまで18勝(13KO)2敗。ニューヨーク・キャッツキル在住で、トレーナーはあのケビン・ルーニー(マイク・タイソンを指導)。デビューから連戦連勝。TKOで初黒星。元WBO世界ウェルター級王者マニング・ギャロウェイとノーコンテスト。直前の試合は空位の全米ミドル級王座決定戦で、TKO負け。オハイオ州ヤングスタウンでの一戦(リングアナはジミー・レノン・ジュニア)。1R、パブリックが長いジャブ、ワンツーからの左フック、左ボディ打ち。ピエールはジャブを使いながら前進し、思い切った打ち方で右ストレート。パワーを感じるが、粗い攻め。慎重にコンビネーションを使うパブリック。右ストレートでピエールがダウン。その後も打たれるピエール。2Rにはダウン寸前に。4R開始前、レフェリーがピエールに対して続行可能かを確認。左フックでピエールがダウン。倒れると同時にレフェリーストップ。パブリックが当てる巧さで勝利。右ストレート、左フックをよく当てていた。ピエールはタイソンと似たところがあったが、全体的に雑。右を打った後のディフェンスに甘さがあった。それが実力者に勝てなかった原因だろう。これが最後の試合に。)
④ケリー・パブリック 5R TKO ミゲル・アンヘル・エスピノ
(WBC・WBO世界ミドル級タイトル戦、2009年)
パブリック:左ジャブ、右ストレート、フック、アッパー
エスピノ:左ジャブ、右ストレート、フック
(ダウンシーン)
4R:右アッパーで2度、エスピノがダウン
5R:左フックでエスピノがダウン
(感想:パブリックがタイトル防衛。ピエール戦後のパブリック。北米王座を防衛し、WBC世界ミドル級王座挑戦者決定戦にも勝利。ジャーメイン・テイラーを破ってWBC・WBO世界ミドル級王者に。初防衛に成功したが、ノンタイトル戦でバーナード・ホプキンスに敗北して初黒星(2008年)。二度目の防衛に成功し、36勝(31KO)1敗に。そして、このエスピノ戦。挑戦者エスピノはカリフォルニアの選手で20勝(9KO)2敗1分。アマチュアからプロへ。連勝後、判定で二連敗。その後、また連勝。ただ、ローカルな試合が多く、タイトル戦はこれが初めて。ヤングスタウンでの一戦(レフェリーはスティーブ・スモーガー)。共に坊主頭。開始から接近戦でストレート、フック。手数が多いパブリック。ジャブ連打からのワンツー、インサイドからのフック、アッパー、左右フックでボディ打ち。手数に押されながらもエスピノもストレート、フックで負けじと打ち合う。良いフックを持っているエスピノだが、ローブローをレフェリーから警告(3Rほか)。4R、打ち合いに応じるエスピノだが、右アッパーで二度ダウン。5Rも打ち合うが、左フックでダウン。再開後も打たれる。セコンドがタオルで棄権の申し入れ、試合終了。パブリックが手数、アッパーで勝利。エスピノはパンチに強さが感じられ、世界挑戦の資格はあった。しかし、王者の勢いに飲み込まれてしまった。これが最後の試合に。その後のパブリック。次の防衛戦で王座陥落。その後はタイトル戦は無し。引退後は事件を起こして逮捕。ボクサーとしては素晴らしかったが、プライベートは残念なことになっているようだ。)
①「Junior Middleweight
Kelly Pavlik vs. Grady Brewer」
②「Super Middleweight
Kelly Pavlik vs. Vincent Harris」
③「Middleweight
Kelly Pavlik vs. Lenord Pierre」
④「WBC・WBO World Middleweight Title
Kelly Pavlik vs. Miguel Angel Espino」
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