2025年3月12日水曜日

グリゴリー・ドロスト(Grigory Drozd)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

WBC世界クルーザー級王者。世界王者になる前の試合。パベル・メルコムヤン戦、ファビオ・ガリード戦ほかを紹介します。

グリゴリー・ドロスト(Grigory Drozd)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

グリゴリー・ドロスト(ロシア)

身長186cm:オーソドックス(右構え)


グリゴリー・ドロスト 5R KO パベル・メルコムヤン

(クルーザー級戦、2006年)

ドロスト:左ジャブ、右ストレート、フック

メルコムヤン:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

2R:右ストレートでドロストがダウン

4R:左フックでメルコムヤンがダウン

5R:左フックでメルコムヤンがダウン

(感想:ロシアのドロスト。空手、ムエタイをやっていたが、ボクシングにも関心。アマチュアを少し経験し、プロへ。モスクワでデビュー。これまで全勝。ローカル王座、ロシア王座(いずれもクルーザー級)を獲得。アメリカでIBOインターコンティネンタル王座(クルーザー級)獲得。スイスでTKO勝ち。その次は初のドイツでの試合。メルコムヤンもまたロシア人。コチラはドイツが主戦場。デビューから全勝でWBAインターコンティネンタル王座(クルーザー級)獲得。防衛にも成功している。ドイツ・ミュンヘンでのロシア対決。足で距離を取るドロスト。接近してくる相手に細かいジャブ、ショートフック、左ボディ打ち。スケールが小さいボクシングであるが、攻撃が正確で手数が多い。また、時折見せる右アッパーからの左フックにパワー。メルコムヤンは動きが重い。右ストレートにパワーを込めるが、ジャブが少ない。2R、ノーモーションの右ストレートでドロストがダウン。立ったドロストは手数&クリンチで対応。メルコムヤンはゴツい右ストレート、左フックで攻める。3R、バッティングでメルコムヤンがキズのドクターチェック。その後、特に粗い攻撃をしたわけではないが、ドロストがバッティングとローブロー(?)で二度減点(ヨーロッパは反則に厳しい)。4R、連打されてメルコムヤンのマウスピースが落下。ドロストが右フックからの左ボディ打ち。左フックでメルコムヤンのマウスピースが再び落下。そして左ボディからの左フックでメルコムヤンがダウン。5R、左フックでメルコムヤンがダウン、10カウント。ドロストが快勝。いいパンチを食ってダウンしたが、コンビネーションがよく出ていた。メルコムヤンは残念。ジャブが少ない。そのため隙があった。その後、メルコムヤンはWBCインター王座決定戦でTKO負け。世界挑戦することなくキャリア終了。)


グリゴリー・ドロスト 3R TKO マウロ・アドリアン・オルディアレス

(WBCインターナショナル・クルーザー級王座決定戦、2006年)

ドロスト:左ジャブ、右ストレート、フック

オルディアレス:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

1R:左フックでオルディアレスがダウン

(感想:ドロストがタイトル獲得。メルコムヤン戦の次の試合もドイツ。オルディアレスはアルゼンチンの選手で17勝(16KO)1敗。WBOの地域王座(クルーザー級)を獲得したことがある。ドイツ・オーバーハウゼンでの一戦。1R、ダッキングしながら前進し、ジャブ、ワンツー、左フックのドロスト。オルディアレスは足とジャブで距離を取って右ストレート、左フック。左フックがカウンターとなってオルディアレスがダウン。KOになるようなダウンではなかったが、1Rから右眉付近をカット。その後、共にワンツー、左フック。ドロストがボディ打ちに巧さを見せる。3R、ドロストが強烈な左フック。一気に連打してレフェリーストップ。ドロストが獰猛さと爆発力を見せて圧勝。身体全体のパワーで上回った。その後、オルディアレスはIBFのインター王座戦など数度の王座戦のチャンスがあったが勝てず。)


その後のドロスト

オルディアレス戦の次の試合はWBA世界クルーザー級挑戦者決定戦。これにTKO負け、初黒星。決定戦でWBOアジア王座(クルーザー級)獲得。メルコムヤン戦からドイツを主戦場にしてきたが、またロシアへ。連勝、ブランク。


グリゴリー・ドロスト 1R TKO ファビオ・ガリード

(クルーザー級戦、2012年)

ドロスト:左ジャブ、右ストレート、フック

ガリード:左ジャブ、右フック

(感想:ブランクがあったドロスト。再起二連勝でこの試合。ガリードはブラジル・サンパウロ出身の黒人。ブラジル王座(ライトヘビー級)を獲得したことがある。モスクワでの一戦。ジャブ、ワンツーのドロスト。正直なところ、パンチにキレがない。しかし、右をヒットさせ、後退するガリードに連打。セコンドからタオル投入。あっけなく試合終了。ドロストが右で勝利。キレがあまり無いように見えたが、たぶん、重いタイプのパンチだっただろう。左ボディ打ちは相変わらずの巧さだった。ガリードはまだ続行できたように映像では見えたが、セコンドは「棄権」の判断。コンディションが良くなかったのかも。その後の二人。ガリードは次の試合でWBAの地域王座に挑戦したがKO負け。中堅どころにとどまった。ドロストは欧州王座(クルーザー級)を獲得するなど勝ち続け、WBC世界クルーザー級王者に。防衛にも成功。結局、敗北は2006年のWBA世界クルーザー級挑戦者決定戦のみ。細かいが、巧さとパワーがある「理に適ったボクシング」をする男だった。)


①「Cruiserweight 

Grigory Drozd vs. Pavel Melkomyan」

②「vacant WBC International Cruiserweight Title

Grigory Drozd vs. Mauro Adrian Ordiales」

③「Cruiserweight 

Grigory Drozd vs. Fabio Garrido」

 

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