2024年2月9日金曜日

花形進(Hanagata Susumu)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

WBA世界フライ級王者。五度目の挑戦で世界獲得。大場政夫戦(再戦)、エルビト・サラバリア戦(再戦)、オラシオ・アカバロ vs. 田辺清を紹介します。

花形進(Hanagata Susumu)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

花形進(日本)

身長161cm:オースドックス(右構え)

大場政夫 15R 判定 花形進

(WBA世界フライ級タイトル戦、1972年)

花形:左ジャブ、右ストレート、左右フック

大場:左ジャブ、右ストレート、左フック

(感想:大場がタイトル防衛。花形は過去、WBC世界フライ級王座に二度挑戦していずれも敗北(15R判定負け)。WBA4位。これが三度目の世界挑戦。これまで34勝(4KO)10敗8分。「4KO」というのが気になるところ。大場はこれが三度目の防衛戦で31勝(13KO)2敗1分。これは再戦。初戦は花形が10R判定勝ち。日大講堂での一戦(TV解説は田辺清、ゲストにファイティング原田、海老原博幸)。ゴング前、笑顔を見せる大場。試合開始。共に速いジャブ。花形は思い切った左フックと右ストレート。大場はジャブ連打、右ストレート。互いにディフェンス。花形はパワフルではあるが、いきなりの左フックは空振りが多い。大場の右ストレートもあまり当たらない。9R、13R、花形の強烈な右ストレートがクリーンヒット。15R終了。判定は2-0(ダウンシーンは無し)。大場が序盤から左目を腫らしながらもジャブ連打で僅差の勝利。なかなか力強かった花形。「4KO」というのが信じられないほど右ストレート、左フックにパワーがあった。ただ、惜しいのは単発だったこと。右ストレートからの左フックなどコンビネーションが打てる選手だったら、もっとKO数も多かったであろうし、大場にも勝てたに違いない。)


エルビト・サラバリア 15R 判定 花形進

(WBA世界フライ級タイトル戦、1975年)

花形:左ジャブ、右ストレート、左右フック

サラバリア:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:サラバリアがタイトル獲得。WBA世界フライ級王者、大場に悲劇が。新王者を決める決定戦が行われ、タイのチャチャイ・チオノイが新WBA王者に。チャチャイに挑戦した花形だが、判定負け。再度チャチャイに挑戦。計量に失敗したチャチャイが体重超過により王座剥奪。「花形が勝った場合は王者として認める」という条件で「決定戦」に変更。これにKO勝ちした花形。ようやく世界王者に。サラバリアと初防衛戦。サラバリア(フィリピン)は元WBC世界フライ級王者。これは再戦。初戦はWBC王者サラバリアに花形が挑戦する形で行われ、サラバリアが15R判定で防衛。再戦は立場を入れ替えて王者の花形にサラバリアが挑戦。富山県での一戦。花形がジャブを連打しながら、力強いワンツー、いつものように大きな左フック。サラバリアは端正なボクシング。スラリとした体格からジャブ、左フック。接近戦では共にフック連打。花形はパワフルではあるが、クリーンヒットが少ない。サラバリアはジャブ、ディフェンス。15R終了。判定は2-1(ダウンシーンは無し)。「敗北」といっても打ちのめされて負ける場合と相手の巧さにうまく攻められずに負ける場合があるが、花形はいつも妙な負け方をする。この試合でもパワーがあり、パンチのキレもあった。圧倒されたわけでもない。大場戦と同じように持ってる力をうまく発揮できずに負けた。当てるテクニックに欠けていたために長く防衛できなかったのが残念。その後の二人。花形は再起戦でサラバリアに挑戦してまたしても2-1で敗北。その再起戦でミゲル・カントのWBC王座に挑戦したが、3-0で敗北。世界戦三連敗でキャリア終了。サラバリアはアルフォンソ・ロペスにKOされて王座陥落。それが最後の世界戦となった。)


田辺清 6R TKO オラシオ・アカバロ

(フライ級戦、1967年)

花形進(Hanagata Susumu)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

田辺:左ジャブ、右ストレート、左右フック

アカバロ:ジャブ、ストレート、フック

(ダウンシーン)

3R:連打でアカバロがスタンディングダウン

4R:右ストレートでアカバロがダウン

(感想:田辺は1960年のローマオリンピック、フライ級で銅メダルを獲得した男(モハメド・アリ(当時、カシアス・クレイ)はライトヘビー級で金メダルを獲得)。ファイティング原田のように小気味良いコンビネーションを使うタイプ。アカバロはアルゼンチンの選手で当時、世界フライ級王者。後楽園ホールでの一戦。ジャブで攻める田辺。アカバロは動きはそれほど速くはないが、一発ずつ強く正確に当てていこうとする。左ボディ打ちが巧い田辺。アカバロは頻繁にサウスポーにスイッチ。3R、連打でアカバロがスタンディングカウントを取られる。4R、バッティングでアカバロがドクターチェックを受ける。そして右ストレートでアカバロがダウン。6Rにもバッティング。ドクターチェック後、レフェリーは田辺の手を上げた。世界王者を下した田辺。しかし、網膜剥離で引退。これが最後の試合に(「幻の世界王者」となった)。田辺が世界王者になれたかどうかはわからないが、それだけのボクシングをしていたのは確か。アカバロはその後、海老原博幸を相手に防衛に成功。それがラストファイトとなった。)

①「WBA World Flyweight Title 

Oba Masao vs. Hanagata Susumu」

②「WBA World Flyweight Title 

Hanagata Susumu vs. Erbito Salavarria」

③「Flyweight 

Horacio Accavallo vs. Tanabe Kiyoshi」


大場政夫(Oba Masao)のページ 

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