2023年10月11日水曜日

トラヴィス・シムズ(Travis Simms)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

WBAスーパーウェルター級王者。「恐るべき」男。アレハンドロ・ガルシア戦、ブロンコ・マッカート戦、ジョアシャン・アルシーヌ戦を紹介します。

トラヴィス・シムズ(Travis Simms)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

トラヴィス・シムズ(アメリカ)

身長177cm:スイッチヒッター(両構え)

トラヴィス・シムズ 5R KO アレハンドロ・ガルシア

(WBA世界スーパーウェルター級タイトル戦、2003年)

シムズ:ジャブ、ストレート、左右フック 

ガルシア:左ジャブ、右ストレート、左右フック   

(ダウンシーン)

5R:左フックでガルシアがダウン

(感想:シムズがタイトル獲得。「Tremendous(恐るべき)」と呼ばれたシムズ。コネチカット州ノーウォーク出身。意外なことにアマチュアでは大した実績無し(試合数も少ない。元々「プロ志向」だったか)。これまで22戦全勝(17KO)でWBA1位。直前の試合で北米スーパーウェルター級タイトルを獲得。そして、初の世界王座戦。王者ガルシア(メキシコ)も22戦全勝(21KO)の立派な戦績。これが二度目の防衛戦。アトランチックシティでの一戦(イラクに駐留する米兵が衛星中継で観戦)。シムズはサウスポースタイルで慎重な構え。ジャブ、左ストレートを細かく連打。ガルシアは伸びと重さを感じる右ストレートを狙う。攻めようとするガルシア、カウンターを狙うシムズ。4R、シムズは右構えにチェンジ。5R、クリンチが離れた瞬間に叩き込まれた左フックでガルシアがダウン、KO。ルール上は問題ないのかもしれないが、スッキリしない勝ち方。ラウンド終了のゴングが鳴ったからといって、クリンチ中だからといって油断してはならない、ということか。途中スイッチしたシムズだが、右構えの時の方が強そうなストレートを打っていた。残念な負け方をしたガルシアだが、後、この王座を奪回。)


トラヴィス・シムズ 12R 判定 ブロンコ・マッカート

(WBA世界スーパーウェルター級タイトル戦、2004年)

シムズ:右ジャブ、左ストレート、左右フック 

マッカート:右ジャブ、左ストレート、左右フック   

(感想:シムズがタイトル初防衛。このところ7連続KO勝利のシムズが初防衛戦。これまで47勝(31KO)5敗の挑戦者マッカート(ミシガン州出身)は元WBO王者で、ロナルド・ライトとWBO、IBF王座(スーパーウェルター級)を争ったことがある。ニューヨーク「マジソン・スクエア・ガーデン」で行われたサウスポー同士の一戦。ジャブ、ストレートを使う似たタイプ。共に警戒してディフェンス。連打で先手を取るシムズ。マッカートはいいパンチを打ってはいるが、どこか受け身で単発。10R、シムズのグローブのテープが少しはがれて試合中断(中断させるほどはがれていたわけではないが、レフェリーは細かいところまでよく見ていた)。12R終了。判定は3-0。ダウンシーンは無し。実力的に大きな差があったとは思えないが、手数と攻める姿勢でシムズ。ただし、どちらもKOを狙うような精力的な戦い方ではなかった。マッカートはもっと手数を出せば勝てた。肝心な時に休んでしまうようでは大きな王座は獲れない。その後、マッカートはブランク後に復帰して多くの試合。マイナー王座、地域王座を獲得したが、メジャー団体の世界王座に返り咲くことはなかった。) 

          

ジョアシャン・アルシーヌ 12R 判定 トラヴィス・シムズ

(WBA世界スーパーウェルター級タイトル戦、2007年)

シムズ:右ジャブ、左ストレート、左右フック 

アルシーヌ:左ジャブ、右ストレート、左右フック 

(ダウンシーン)

9R:左ジャブでシムズがダウン

(感想:アルシーヌがタイトル獲得。シムズの三度目の防衛戦。マッカート戦後、WBAとモメて長いブランクを作ってしまったシムズ。WBA1位の挑戦者アルシーヌ(オシャレな名前)はハイチ出身の黒人選手。カナダを主戦場にこれまで28戦全勝(18KO)。NABA王座、WBCインター王座、WBAの地域王座(全てスーパーウェルター級)を獲得するなど挑戦者の資格は十分。コネチカット州ブリッジポートで行われた全勝対決。アルシーヌが慎重に距離を取ってジャブ、ワンツー(左ジャブからの右ストレート)を狙う。シムズは隙を突く攻撃。速いワンツーで攻めるアルシーヌ。シムズは得意の左ストレートをかわされてしまう。接近戦は共に得意ではなく、もみ合い、クリンチ、反則で両者減点。9R、左ジャブでシムズがダウン。最終ラウンド終了時、共に自身の勝利をアピール。判定は3-0。シムズの動きは特に悪くはなかった。アルシーヌの長いジャブ、ストレートで勝負が決まった印象で、シムズのブランクは関係なかったように見えた。その後の二人。アルシーヌは二度目の防衛戦でKO負け。その後は敗北が目立つようになっていった。シムズはその後もブランクがちながらリングに上がり、三連勝で引退。基本、テクニシャンタイプのサウスポーだったシムズ。「Tremendous(恐るべき)」と呼ばれるほどの強さではなかったような気がする。引退後はコネチカット州の下院で政治的な職務に就いた。)

①「WBA World Super Welterweight Title 

Alejandro Garcia vs. Travis Simms」

②「WBA World Super Welterweight Title 

Travis Simms vs. Bronco McKart」

③「WBA World Super Welterweight Title 

Travis Simms vs. Joachim Alcine」 

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