2022年4月13日水曜日

ダニー・ロペス(Danny Lopez)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

「リトル・レッド」と呼ばれたWBC世界フェザー級王者。右ストレートが武器。タイトル防衛戦のファン・マルバレス戦、ロベルト・カスタノン戦、マイク・アヤラ戦を紹介します。

ダニー・ロペス(Danny Lopez)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

ダニー・ロペス(アメリカ)

身長171cm:オーソドックス(右構え)

ダニー・ロペス 2R KO ファン・マルバレス

(WBC世界フェザー級タイトル戦、1978年)

ロペス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

マルバレス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

1R:右ストレートでロペスがダウン

2R:右ストレートでマルバレスがダウン

(感想:ロペスがタイトル防衛。「Little Red」と呼ばれたロペス。ユタ州出身。ウェルター級のアーニー・ロペスの弟で、ネイティブ・アメリカン&アイルランドの血を引く男。子供の頃に父を失う不幸もあったが、兄に刺激され、自身もリングへ。デビュー以来、連戦連勝(牛若丸原田ら日本人選手とも対戦)。ボビー・チャコンに初黒星。連敗したこともあったが、チューチョ・カスティーヨ、ルーベン・オリバレス、ショーン・オグラディを破るなど好調。デビッド・コティをガーナで下してWBC世界フェザー級王座獲得。マルバレス戦は四度目の防衛戦となる。挑戦者マルバレスはアルゼンチンの選手。アルゼンチン王座、南米王座(いずれもフェザー級)を獲得し、このところ連勝中であるが、試合のほとんどは地元。アメリカでどんな試合を見せるか? ニューオリンズ「スーパードーム」での一戦。1R、コンビネーション(ジャブ、ストレート、左フック)で攻めるファイタータイプのロペス。マルバレスは右ストレートと左フックを思い切って打っていくパワフルな攻めを見せる。マルバレスの右ストレートが決まり、さらに左フックからの右ストレートでロペスがダウン。2R、今度は逆にロペスの右ストレートがカウンターとなってマルバレスがグラつき、右ストレートのカウンターでダウン、KO。短い試合ではあったがロペスの特徴が出ていた試合。勇敢でタフで右のパンチが強い。しかしながら打たれるシーンもあり、「難攻不落の王者」という印象はなかった。)


ダニー・ロペス 2R KO ロベルト・カスタノン

(WBC世界フェザー級タイトル戦、1979年)

ロペス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

カスタノン:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

2R:右アッパー、ワンツー(左ジャブからの右ストレート)で2度、カスタノンがダウン

(感想:ロペスがタイトル防衛。ソルトレイクシティで六度目の防衛戦。挑戦者カスタノンはスペインの選手。欧州フェザー級王座を獲得、防衛してきたファイターで、これまで全勝。しかしながら、ハッキリ言って器用な選手ではない。ただ、右ストレートを思い切り打っていく勇敢さはある。ロペスはいつものようにキレイなボクシング。2R、キレのあるパンチで二度ダウンを奪ってロペスが快勝。結果は妥当なところであるが、ワンツーのキレが素晴らしかった。カスタノンは後、サルバドル・サンチェス時代に同王座に再び挑戦(TKO負け)。)


ダニー・ロペス 15R KO マイク・アヤラ

(WBC世界フェザー級タイトル戦、1979年)

ロペス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

アヤラ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

7R:連打でアヤラがダウン

11R:左ジャブでアヤラがダウン

15R:連打でアヤラがダウン

(感想:ロペスがタイトル防衛。サンアントニオでの七度目の防衛戦。アヤラは北米王座(J・フェザー級、フェザー級)を獲得している新鋭で戦績は良好。敗北は元WBC世界バンタム級王者ロドルフォ・マルチネスに喫したもののみ(かつて世界王者になるのは確実と言われたJ・ミドル級のトニー・アヤラ・ジュニアの兄でもある)。ロペスと比べると小柄だが、パワーのあるフック連打を勢い良く打つ。接近戦。コンビネーションで攻めるロペス、フックで応戦するアヤラ。7R、ワンツーからの左フックでアヤラがダウン。9R、ロペスが右をマトモに食う。11R、左ジャブでアヤラがダウン。立てず。レフェリーのカルロス・パディーリャは試合終了のゼスチャー。アヤラのパンチを時折被弾しながらもロペスがタイトル防衛、と思ったら、試合再開。その後は受け身の姿勢になったアヤラ。15Rにもダウンして終了。あの11Rは何だったのか? 未だによくわからない混乱ぶり。試合自体はアヤラが受け身の姿勢で、ポイント的にロペスが優勢の展開だった。気になったのは、ロペスはよく打たれる選手である、ということ。勇敢なのは素晴らしいが、ダメージが心配な戦いぶり。後、ロペスは九度目の防衛戦でサルバドル・サンチェスの挑戦を受け、TKO負け、王座陥落。再戦にも敗れ、王座返り咲きならず。その再戦から12年ぶりにカムバックして2RでKO負け(やめときゃよかった)。引退後は「ボクシング殿堂」入り。サイン会を開いたり、建設作業員として働いたりの日々だったという。)

①「WBC World Featherweight Title 

Danny Lopez vs. Juan Domingo Malvarez」

②「WBC World Featherweight Title 

Danny Lopez vs. Roberto Castanon」

③「WBC World Featherweight Title 

Danny Lopez vs. Mike Ayala」

サルバドル・サンチェス(Salvador Sánchez)のページ

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