貴重な写真が満載の雑誌。「マイク・タイソン vs. ジェームス・ダグラス」など「雑誌の内容についての個人的な解説」「雑誌で紹介された選手のその後」。
ボクシングマガジン1990年1月号
(コメント)
カラーポスターはマイク・マッカラム。「レナード vs. デュラン(三戦目)」は凡戦(カラー写真多し)。ブリーランドが来日、圧勝。ナパが惨敗。ヒルベルト・ローマンが王座転落(地味に防衛し続けてきたローマン。ガーナのコナドゥには押されっぱなしだった)。「WBC総会、WBA総会」(新旧の王者が出席。イベンダー・ホリフィールドは両方の会に出席)。「タイソン再来日」(東京でバスター・ダグラスと防衛戦を行うことに。本誌タイトルに「ダブラス」となっているのが少し悲しい)。「田島吉秋の挑戦を受ける白仁鉄」(白「田島との試合は問題なくクリアしてみせる」)。「鶴太郎のタイランド見聞録」(片岡鶴太郎が鬼塚勝也とタイボクシングを見学。ナパ、ソット・チタラダの練習風景、ボクシング観について)。「戦士の肖像」は「イベンダー・ホリフィールド」(少年時代、アマ時代、プロでの快進撃について)。「スーパースター候補登場」は「トミー・モリソン」(20連勝のヘビー級。ジョン・ウェインの血を引く男。アマ時代にレイ・マーサーに敗北。ケビン・ルーニーの指導を受け、パワーだけではなく技術力もアップ。映画「ロッキー5」にも出演)。「WHO's WHO」は「ルイシト・エスピノサ」「グレンウッド・ブラウン」。エスピノサはWBA世界バンタム級王者。パンチに鋭さが増してきている、とのこと(後にWBC世界フェザー級王座も獲得)。ブラウンはウェルター級。地域タイトルを持ち、世界挑戦を待つ身(モーリス・ブロッカー、メルドリック・テーラーと世界王座を争って判定負け。マイナータイトルIBOを獲得)。カラー写真、ヘビー級(タイソン、ホリフィールド、モリソンら)、「WHO's WHO」に特に注目の一冊です。
ボクシングマガジン1990年2月号
(コメント)
カラーポスターはマーク・ブリーランド。「タイソン vs. ダグラス」直前情報(トレーニング風景のカラー写真とインタビュー。ダグラス「毎日、長い距離を走って脚力を鍛えている」。両選手の特集記事も)。「ドン・キングにインタビュー」(アリとの出会いがキッカケでプロボクシングと関わりを持つようになった。プロモーターとしての実績・思い出、について語る)。「崔漸煥にインタビュー」(大橋秀行の挑戦を受けるWBC世界ストロー級王者。崔「7回までに大橋を倒す」)。張正九は王座復帰ならず。チャベスは楽勝(コルテスが44戦全勝(21KO)の記録を引っさげて挑戦したが惨敗。「作られた記録」だった?)。エストラーダが反則負け。ダミアニが楽勝。「WHO's WHO」は「ヘスス・サルード」「トレーシー・スパン」。サルードは新WBA世界J・フェザー級王者。ハワイ出身。左フックが強いが、試合によってムラがある、とのこと(一度も防衛戦をやらなかった(剥奪されたらしい)。ウェルカム・ニシタ、ケネディ・マッキニー、アントニオ・セルメニョ、ブヤニ・ブング、マルコ・アントニオ・バレラの世界王座に挑戦したが王座に返り咲くことはなかった)。スパンはライト級のハードパンチャー。これまで全勝(ホルヘ・パエスに初黒星。フレディ・ペンドルトンと空位のIBF世界ライト級王座を争って判定負け。次の試合でも敗北し、引退)。「古き良き時代の拳豪たち」は「マックス・ベア」(世界ヘビー級王者。プリモ・カルネラを破って王座に。女好きでファンから愛された男。トニー・ガレントとの試合、経歴について)。カラー写真、ヘビー級(タイソン、ダグラス、ダミアニら)、インタビュー記事、「WHO's WHO」、マックス・ベアに特に注目の一冊です。
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ボクシングマガジン1990年3月号
(コメント)
カラーポスターはホルヘ・パエス。今月号は何と言っても「タイソン vs. ダグラス」(とんでもない番狂わせ。大いに期待されていた「タイソン vs. ホリフィールド」がふっ飛んだ。何かとやらかすタイソン。個人的にはこの敗北が一番の「やらかし」だと思う)。大橋が王座獲得(特集記事も注目)。田島、徳島は予想通りの敗戦。文が負傷判定で二階級制覇(いつも微妙な王座奪取劇)。クーニーが豪快にKO負け。ラウル・ペレスが防衛(強いのかそれほどでもないのかよくわからないガビー・カニザレスという男)。後にWBO王者になるジョニー・ネルソンが歴史に残る凡戦。「カマチョ vs. バジェンサ」の人気者対決(「真剣勝負」というより「ショー」っぽい雰囲気)。「ソ連ボクサーのデビュー」(チャコフ・ユーリ、グッシー・ナザロフ、スラフ・ヤノフスキー、スラフ・ヤコブレフら)。「韓国ボクシング」(人気が落ちて世界戦以外の興行を打つことが難しくなった、という。ライバル選手同士の競争、二つのテレビ局が持つ影響力、IBF創設により「世界王座」の値打ちが下がったこと、ボクサー志願者が減った、など)。「グレグ・ペイジ、トレバー・バービックにインタビュー」(ペイジはアリとの思い出、負けた試合について、王座奪回を目指してカムバック中であることを語る。バービックはカナダを拠点にした理由、ラリー・ホームズ、モハメド・アリ、マイク・タイソン戦について語る)。「戦士の肖像」は「ジョン・ムガビ」(ウガンダ出身。少年時代、アマ時代、プロでの挫折と栄光、について)。「1990年、世界のホープ」(104、105ページ。リカルド・ロペス、アイク・クォーティ、レノックス・ルイスら。後に世界王者になる選手が大勢紹介されている)。「WHO's WHO」は「デニス・ミルトン」「ポール・ホドキンソン」。ミルトンはミドル級。ジェラルド・マクラレン、ロビー・シムス、マイケル・オラジデに勝利(ジュリアン・ジャクソンのWBC世界ミドル級王座に挑戦してKO負け。続くバーナード・ホプキンス、アーロン・デービス戦で連敗して引退)。ホドキンソンは英国のフェザー級。精力的なファイター(後にWBC王座を獲得)。「古き良き時代の拳豪たち」は「ロッキー・グラジアノ」(ミドル級世界王者。少年時代、陸軍時代、トニー・ゼールらとの試合、について)。「タイソン vs. ダグラス」、カラー写真、ソ連ボクサー、インタビュー記事、「WHO's WHO」、ロッキー・グラジアノに特に注目の一冊です。
ボクシングマガジン1990年4月号
(コメント)
カラーポスターはジェームス・ダグラス。タイソンの敗北を振り返るカラー記事(特集記事も)。ウィテカー、マッカラム、ブリーランド、パエスらが防衛。「戦士の肖像」は「マイク・マッカラム」(年齢不詳。複雑な性格。シュガー・レイ・ロビンソンに憧れてボクサーに。カリー、マクローリーら実力者を破ってきたが地味な存在)。「WHO's WHO」は「リンデル・ホームズ」「アントワンヌ・フェルナンデス」。ホームズはIBF世界S・ミドル級王者。右が強いベテラン(三度防衛したが、ダーリン・バン・ホーンにKOされて王座陥落)。フェルナンデスは欧州ウェルター級王者。好戦的なサウスポーだが、無名の相手が多い(カークランド・レイン、パトリツィオ・オリバらに敗北。世界挑戦ならず)。「古き良き時代の拳豪たち」は「パンチョ・ビラ」(世界フライ級王者。フィリピンの選手。メキシコ革命の人物名を拝借してリングネームに。ジミー・ワイルドとの試合、若くして亡くなったこと、など)。カラー写真、マッカラム、「WHO's WHO」、パンチョ・ビラに特に注目の一冊です。
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ボクシングマガジン1990年5月号
(コメント)
カラーポスターはルイシト・エスピノサ。今月号の注目は「チャベス vs. テーラー(初戦)」(歴史に残る逆転劇。レフェリーのリチャード・スチールはこの試合のせいで以後、ファンから白い目で見られるようになってしまう)。カオサイが豪快に防衛(ブランカが倒れている写真に注目)。白仁鉄がフランスで王座転落(予定されていたビッグマッチ、トーマス・ハーンズ戦は流れていた様子)。ムガビが惨敗(ノリスが新しいスターになっていくキッカケとなった試合)。「ジェームス・ダグラスにインタビュー」(タイソン戦の日はコンディションが良く、勝つ自信があった。全てのラウンドがキツいものだった、という。ホリフィールドを打ちのめす、WBCベルトはチャリティに出して手放した、とも)。「イベンダー・ホリフィールドにインタビュー」(体によくないものは口にしない、ベストファイトはマイケル・ドークス戦、フォアマンとはいつか戦うかもしれない、など)。「WHO's WHO」は「トロイ・ドーシー」「リカルド・セペダ」。ドーシーは北米フェザー級王者。元キックボクサー。パンチがあるブルファイター(後にIBF王座を獲得)。セペダもフェザー級。これまで無敗。パワーには定評がある、とのこと(マルコス・ビジャサナ、ポール・ホドキンソンのWBC王座に挑戦したが敗北。世界は獲れなかった)。「古き良き時代の拳豪たち」は「ビセンテ・サルディバル」(世界フェザー級王者。「メキシコの赤い鷹」。シュガー・ラモス戦、防衛戦、について)。世界戦のカラー写真、インタビュー、「WHO's WHO」、ビセンテ・サルディバルに特に注目の一冊です。
ボクシングマガジン1990年6月号
(コメント)
カラーポスターはイベンダー・ホリフィールド。今月号は海外マッチが充実(ハーンズ、フォアマン、ナイジェル・ベン、マッカラム、サラゴサに特に注目)。ナンは凡戦、柳明佑は激戦(ナンの旧式IBFベルト、柳のWBAベルトがカッコいい)。「ナパ・キャットワンチャイにインタビュー」(大橋秀行の世界王座に挑戦するナパ。韓国で負けたのは寒さが原因、パスクワ戦での大苦戦は練習不足によるもの、大橋には絶対に勝つ、と語る)。「戦士の肖像」は「ホルヘ・パエス」(IBF・WBO世界フェザー級王者。派手なコスチュームとパフォーマンスで人気。際どい内容で王座防衛中)。「WHO's WHO」は「テリー・ノリス」「フリオ・セサール・バスケス」。ノリスはWBC世界J・ミドル級王者。パンチのスピードと切れに定評がある(打たれ脆さはあったが、J・ミドル級を盛り上げた)。バスケスもJ・ミドル級。これまで全勝のパワーファイター(後にWBA王座を獲得。王座決定戦で彼と戦った上山仁はヒドい目にあった)。「古き良き時代の拳豪たち」は「カルロス・オルチス」(世界ライト、J・ウェルター級王者。プエルトリコ。少年時代、J・ウェルター級についでライト級を制覇、防衛戦、について)。カラー写真、インタビュー、「WHO's WHO」、カルロス・オルチスに特に注目の一冊です。
雑誌の紹介:ボクシングマガジン1990年7月号~12月号
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