貴重な写真が満載の雑誌。「レイ・レナード vs. トーマス・ハーンズ(再戦)」など「雑誌の内容についての個人的な解説」「雑誌で紹介された選手のその後」。
ボクシングマガジン1989年7月号
(コメント)
カラーポスターはファン・マルチン・コッジ。チャベスが三階級制覇。井岡はボカボカ打たれてTKO負け(ナパ「この階級に自分より強い者はいない」と試合後に語る)。マッカラム、ソット、白仁鉄、ダミアニ、ムアンチャイが王座獲得。「ベン vs. ワトソン」の激しいライバル争いはワトソンに軍配。「WHO's WHO」は「ファン・モリナ」「アーロン・デービス」。モリナはWBO世界J・ライト級王者。ワンツーを主体としたカウンターパンチャー。これからの活躍が期待されている(後、IBF王座も獲得。トニー・ロペスとのライバル争いが有名)。デービスは黒人のウェルター級。ヘビー級とスパーリングするほどのハードパンチャーで、ニックネームは「スーパーマン」(後、マーク・ブリーランドをKOしてWBA世界ウェルター級タイトルを獲得。しかし初防衛戦でメルドリック・テーラーに敗北。世界王者としてはほとんど活躍できなかった)。「新版 昔こんなボクサーがいました」は「パスカル・ペレス」(身長147のアルゼンチンの英雄。白井義男からタイトルを奪い、日本のボクシング関係者にとって天敵であった。クーデターで祖国を追われたことも)。世界戦のカラー写真、「WHO's WHO」、パスカル・ペレスに特に注目の一冊です。
ボクシングマガジン1989年8月号
(コメント)
カラーポスター、カラー報道は「レナード vs. ハーンズ(再戦)」(写真、シーザースパレスの様子、特集記事、香川照之の現地レポートにも注目)。ウンベルト・ゴンザレスが王者に(後にカルバハルと「100万ドルマッチ」。その原点となった試合)。「サラゴサ vs. バンキ」は激しい消耗戦(計三度対戦。いずれも激戦だった)。カニザレス、トニー・ロペス、モーラーがKO防衛。「WHO's WHO」は「グレン・マクローリー」「フランシスコ・テヘドール」。マクローリーはIBF世界クルーザー級王者。目標はヘビー級王座。決め手に欠けるがスタミナは豊富、とのこと(後、ジェフ・ラムキンにKOされて王座転落。レノックス・ルイスにKO負け。王座奪回を目指してアルフレッド・コールのIBF世界クルーザー級王座に挑戦して敗北、引退)。テヘドールはJ・フライ級。これまで全勝。コロンビア期待の星(後、ウンベルト・ゴンザレスのWBC世界J・フライ級王座に挑戦して敗北。IBF世界フライ級王座を獲得したが初防衛戦でダニー・ロメロに敗北。王者としてはほとんど活躍できなかった)。「レナード vs. ハーンズ」、カラー写真、「WHO's WHO」、に特に注目の一冊です。
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ボクシングマガジン1989年9月号
(コメント)
カラーポスターはダニエル・サラゴサ。注目は「タイソン vs. ウィリアムス」(旧型IBFベルトがカッコいい。特集記事も)。ホリフィールドがロドリゲスを粉砕(WBC米大陸ベルトにも注目)。「ジュリアン・ジャクソン vs. テリー・ノリス」もかなりの好カード(試合のレポートはモノクロ画像一枚のみ。ノリスが後に大物になるとは当時予想されていなかった)。ラドックがスミスを豪快にKO(後、タイソンと激闘)。「マイケル・ドークスにインタビュー」(元世界ヘビー級王者。栄光と不祥事について。タイソンへの挑戦がウワサされている)。「ロベルト・デュランにインタビュー」(レナードとの三度目の対戦が決定。デュラン「(戦い続ける理由は?)レナードとの再戦で喫した屈辱的な汚名をそそぐため」)。「ホセ・スライマンにインタビュー」(WBC会長。タイソンとレナードを高く評価。四つの世界団体は一つにまとまるべきだ、とも)。「WHO's WHO」は「ニコ・トーマス」「閔泳千」。トーマスはIBF世界ストロー級王者。インドネシアのサウスポー(初防衛戦でエリック・チャベスにKO負け)。閔泳千は東洋太平洋バンタム級王者。スピーディな連打が武器(ダオルン・チュワタナに敗れ、引退。世界挑戦ならず)。カラー写真、インタビュー記事、「WHO's WHO」、に特に注目の一冊です。
ボクシングマガジン1989年10月号
(コメント)
カラーポスターはカオコー&カオサイのギャラクシー兄弟(双子。ソックリと言われるが顔の雰囲気が違う。WBAベルトにも注目)。ナンが凡戦(危険なバークレーから逃げ回る試合ぶり。ボブ・アラムの怒りを買った)。ウィテカーがラミレスを下してWBC王座獲得(唯一の黒星の相手と再戦。ラミレスはチャベス、ウィテカーの踏み台になってしまった)。コナドゥがインター王座を防衛(後に二階級制覇するコナドゥ。モノクロなのが残念ですが、インターベルトを巻いた写真が印象的)「WHO's WHO」は「ステファン・コリンズ」「ケニー・ミッチェル」。コリンズはミドル級。トニー・ソーントンに勝ったことがある。ファイタータイプだがパンチ力に欠ける、とのこと(いわゆる「スティーブ・コリンズ」。マイク・マッカラム、レジー・ジョンソンとWBA世界ミドル級タイトルを争ったが敗北。その後、WBOのミドル級とS・ミドル級王座獲得。クリス・ユーバンク、ナイジェル・ベンにそれぞれ二連勝。キャリアの後半で報われた)。ミッチェルは初代WBO世界J・フェザー級王者。小柄ではあるが手数が多く、ディフェンスもできる選手、とのこと(初防衛には成功したが二度目の防衛戦で反則負け。その後は負けが多くなり、引退)。「各国・地域チャンピオン一覧」(インドネシアJ・ライト級王者「ガニタラ」というのが気になる。個性的な名前。どんな選手だったのだろう?:「Ganitala」。4勝(2KO)4敗。デビュー戦でインドネシア王座獲得。その王座を失った後、ヘンキー・ガンのOPBF J・ライト級王座に挑戦してKO負け)。カラー写真、「WHO's WHO」、ガニタラに特に注目の一冊です。
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ボクシングマガジン1989年11月号
(コメント)
カラーポスターはアントニオ・エスパラゴサ。「王者の安定した試合ぶり」が印象的な今月号。柳、ローマン、エスパラゴサ、スターリング、ミッチェルらが防衛(スターリングは凡戦)。ヘスス・ロハスがバッサを下してWBA世界フライ級王座獲得(後に日本でもおなじみになるロハス。初めての世界王座)。「カオサイにインタビュー」(練習風景がカラー写真で見られる記事。カオサイ「16度は防衛したい」。張正九が持つ15度防衛のアジア記録を抜きたい、という意味。柳明佑の「(防衛回数の)記録作り」には意識しながらも興味はなさそう)。「辰吉のプロデビュー戦」(ここから全てが始まった、という感じのデビュー)。「新<世界>の顔」は「パーネル・ウィテカー」(WBC・IBF世界ライト級王者。アマ時代、ラミレスとの因縁、試合ぶり、について)。「アメリカン・ボクシング」(アメリカでのローカル試合をレポートする記事。マイク・エフゲンという地元のヒーローが出場した興行。対戦相手が会場に現れないハプニング、観客の盛り上がりぶり、など)。「WHO's WHO」は「ポリ・ディアス」「ロレト・ガルサ」。ディアスはこれまで全勝の欧州ライト級王者。パワーが武器(パーネル・ウィテカーの統一世界ライト級王座に挑戦して判定負け。それが最初で最後の世界戦となった)。ガルサは全米J・ウェルター級王者。長身から繰り出す右ストレートが得意技(後にファン・マルチン・コッジからWBA世界J・ウェルター級王座獲得。しかしエドウィン・ロサリオに豪快なKO負けで王座陥落)。カラー写真、カオサイ、「WHO's WHO」、に特に注目の一冊です。
ボクシングマガジン1989年12月号
(コメント)
カラーポスターは尾崎富士雄。カラー特集は直前に迫った「シュガー・レイ・レナード vs. ロベルト・デュラン(三戦目)」(多くの予想。WBA委員長コルドバ「(デュランは)レナードにはかなわない」、アントニオ・エスパラゴサ「(でっかいハートを持っている)デュランが勝つ」。トーマス・ハーンズ、マイケル・ナンはレナード楽勝を予想)。カオサイ、ホリフィールドがパワフルな勝利。「WBA会長ヒルベルト・メンドサにインタビュー」(「(四つの世界団体があることについて)統一戦を認めることによって真の王者を誕生させたい」「日本のボクサーはもっとテクニックが必要」)。カオコーが妙な負け方で王座転落(特集記事106ページ)。「WHO's WHO」は「エリック・チャベス」「全七星」。チャベスはIBF世界ストロー級王者。サウスポーのハードパンチャーで無敗(初防衛戦でファーラン・ルクミンクワンに敗北。「佐藤建太」としてロセンド・アルバレスのWBA世界ストロー級王座に挑んだが失敗)。全七星はライト級。アマ時代にパーネル・ウィテカーを追い込んだことも。スピードがあるファイタータイプだがパンチのキレに欠ける、とのこと(ジョーイ・ガマチェと空位のWBA世界ライト級王座を争って敗北、引退)。カラー写真、カオサイ、カオコー、「WHO's WHO」、に特に注目の一冊です。
雑誌の紹介:ボクシングマガジン1990年1月号~6月号
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