貴重な写真が満載の雑誌。「マイク・タイソン vs. フランク・ブルーノ(初戦)」など「雑誌の内容についての個人的な解説」「雑誌で紹介された選手のその後」。
ボクシングマガジン1989年1月号
(コメント)
カラーポスターはマイケル・ナン。カラーページは国内マッチが中心。井岡は残念な結果(井岡「勝ったと思った」。特集記事にも注目)。海外ではミッチェル、ヒル、エスパラゴサ、柳、文、カランベイ、フェネック、サラゴサら実力派王者たちが防衛成功。「菅原文太、ボクシングを語る」(浅草の公会堂で観戦した思い出、など)。「キッド・ギャビランにインタビュー」(野球選手やジョー・ルイスに憧れた少年時代、プロでの多くのライバル、ボクサーにとって大切なもの、を語る)。「WHO's WHO」は「アディルソン・ロドリゲス」「トニー・ロペス」。ロドリゲスはブラジルのヘビー級。ナイトクラブの用心棒からボクサーに。軽快な動きでボディ打ちが巧い(後、ホリフィールド、フォアマンにKO負け。マイナー団体の王座を獲得するにとどまった)。ロペスはIBF世界J・ライト級王者。親兄弟もボクサー。サクラメントの人気者(後、WBA世界ライト級王座も獲得して二階級制覇。ブライアン・ミッチェル、ジョンジョン・モリナとのライバル戦が有名)。「香川照之の熱病的思考法」(香川流「年間MVP」の選出。ロジャー・メイウェザー、ダニエル・サラゴサ、ホセ・サナブリアらの印象を語る。結局、誰が「MVP」なのかよくわからない記事)。梶間正夫の「新版 昔こんなボクサーがいました」は「ヘンリー・アームストロング」(ジョー・ルイスの人気に対抗するために三冠王を狙ったアームストロング。エピソードを紹介する記事)。カラー写真、キッド・ギャビラン、ヘンリー・アームストロング、「WHO's WHO」に特に注目の一冊です。
ボクシングマガジン1989年2月号
(コメント)
カラーポスターはラウル・ペレス。ヘルマン・トーレスが五度目の挑戦で世界獲得。「アレクシス・アルゲリョにインタビュー」(資産を没収されたり、身内を亡くしたり。息子が生き甲斐となっている模様(当時))。ホリフィールドのヘビー級転向(トーマスに楽勝。トーマスはかつて「ヘビー級王座統一トーナメント」の本命だったこともあったが)。「朴鐘八 vs. 白仁鉄」(韓国重量級の大一番。白が快勝。後に世界王座も獲得)。「WHO's WHO」は「タシー・マカロス」「マイケル・モーラー」。マカロスはIBF世界J・フライ級王者。ファイタータイプだがスタミナが課題、とのこと(初防衛戦でムアンチャイ・キティカセムに敗北。その後は負けが増え、ラストファイトの相手はピューマ渡久地)。モーラーはL・ヘビー級。これまで全試合KO勝ち。WBOから「初代L・ヘビー級王者」に認定されている(期待されたL・ヘビー級統一戦は実現しなかったが、ヘビー級タイトルを獲得)。梶間正夫の「新版 昔こんなボクサーがいました」は「カルロス・モンソン」(アルゼンチンの英雄。戦う相手がいなくなった、という理由で引退したほどの強さ。現役時代、引退後の事件、について)。カラー写真、ホリフィールド、モンソン、「WHO's WHO」に特に注目の一冊です。
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ボクシングマガジン1989年3月号
(コメント)
カラーポスターはシュガー・レイ・レナード。「マーク堀越 vs. 高橋ナオト」は激戦。タイソンのトレーニング風景がカラー写真で。世界ウェルター級タイトル戦(スターリングとブリーランドがタイトル獲得)。カオサイ、コッジが防衛。「マイケル・ナン特集」(IBF世界ミドル級王者。カランベイとの注目の決戦を控えている状況。オリンピック行きを逃したアマ時代、プロでの勝ちっぷりについて。レナードやバージル・ヒルと戦いたい、とのこと)。「ジミー・レノンにインタビュー」(代役でリングアナを務めたのがキッカケで本職に。映画にも出演。リングでの悲しい思い出、ボクサーへのアドバイス、など)。「WHO's WHO」は「ジョン・デビッド・ジャクソン」「リチャード・クラーク」。ジャクソンはWBO世界J・ミドル級王者。出入りの激しい戦い方(WBA世界ミドル級王座も獲得して二階級制覇)。クラークはフライ級。スリムな黒人選手。元王者たちを破り、地域タイトルを複数獲得(ソット・チタラダのWBC世界フライ級タイトルに挑戦して敗北。その後は負けが増えて引退)。梶間正夫の「新版 昔こんなボクサーがいました」は「マービン・ハート」(世界ヘビー級王者。王座決定戦でタイトルを手に入れたことで大勢からケチをつけられたあげく、初防衛に失敗。「知られざるチャンピオン」として逆に有名に)。カラー写真、ジミー・レノン、「WHO's WHO」、マービン・ハートに特に注目の一冊です。
ボクシングマガジン1989年4月号
(コメント)
カラーポスターは高橋ナオト。カラーページが充実した一冊。「タイソン vs. ブルーノ(初戦)」「バークレー vs. デュラン」「カマチョ vs. マンシーニ」が特にオススメ。対決が直前に迫ったレナード、ハーンズのインタビューにも注目。玉熊、小見山、小林は韓国の王者たちに敗北(玉熊の試合の特集記事に「WBA世界フライ級」とある。専門誌でも間違うほど「世界団体が増えてきた時代」を象徴しているミス)。カリーが地味に敗北。ナパが防衛。ウィテカーが初の世界タイトル(非常に地味な記事。ここからウィテカーの快進撃(?)が始まる)。マイケル・カルバハル、ケネディ・マッキニー、レイ・マーサーらオリンピック組がデビュー(世界を獲った人もいれば、そうでない人も)。「WHO's WHO」は「ジェフ・ハーディング」「ルネ・ジャコ」。ハーディングはオーストラリアのS・ミドル級。これまで全勝。パンチがある選手(後、WBC世界L・ヘビー級タイトル獲得。デニス・アンドリュースとのライバル対決が有名)。ジャコはカリーを番狂わせで破ってWBC世界J・ミドル級タイトルを獲得したフランス人。パンチ力に欠ける、とのこと(初防衛戦でジョン・ムガビによくわからない負け方をして王座転落。テリー・ノリス、ジャンフランコ・ロッシの世界王座に挑戦したが敗北し、引退)。梶間正夫の「新版 昔こんなボクサーがいました」は「チャーリー・バーリー」(ウェルター級の強豪。強すぎて世界タイトルに挑戦させてもらえなかった。ボクシング殿堂入り)。世界戦のカラー写真、「WHO's WHO」、チャーリー・バーリーに特に注目の一冊です。
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ボクシングマガジン1989年5月号
(コメント)
カラーポスターはデニス・アンドリュース。注目は来日した世界的強豪(エスパラゴサ、カオサイ。カッコいいカラー写真)。「ナン vs. カランベイ」はあっけない結果。ヘルマン・トーレスがベルトを手放す(打たれてスゴイ顔になってる写真に注目)。前月号の「マイク・タイソン vs. フランク・ブルーノ」の話(ラスベガスのヒルトンホテルが赤字を出した、という。この試合の誘致にかかった費用に比べて入場料収入が低かったらしい。トラブル続きのタイソン。人気低下を表す出来事)。「ボブ・アラムとWBA」(「ナン vs. カランベイ」をプロモートしたアラム。ミドル級王座統一計画を進めているが、WBAがカランベイの王座を剥奪したことに激怒。「WBAを消滅させてやる」とのこと)。「WHO's WHO」は「アレックス・スチュワート」「ユップ・カン」。スチュワートはこれまで全勝のヘビー級。全てKO勝ち。パワーとスピードが評価されている(後、ホリフィールド、タイソンらに敗北。世界は獲れなかった)。カンはトルコ出身の欧州フライ級王者。ロス五輪で銅メダル獲得。しかしKO勝ちはゼロ。パンチ力はない、とのこと(結局、世界挑戦することもなく引退。KO勝ちも無しのままだった)。世界戦のカラー写真、試合の舞台裏、「WHO's WHO」に特に注目の一冊です。
ボクシングマガジン1989年6月号
(コメント)
「レナード、ハーンズにインタビュー」(注目の再戦が迫る。レナード「早い回のトミーは危険。100%勝つ。」、ハーンズ「4Rで倒す」)。平仲はコッジに惜しくも敗れる(カラー写真、特集記事に注目)。エストラーダ、ブリーランド、フェネック、バッサ、パエスが防衛。「シュガー・レイ・ロビンソン死去」(伝説の男。67歳で死去。天才ボクサーだったが、晩年は病と金銭面で苦しんだ。彼の人気ぶりを物語るエピソードが書かれた記事)。「WHO's WHO」は「デビッド・ゴンザレス」「ゲーリー・ジェイコブス」。ゴンザレスはライト級のファイター。左ボディ打ちが得意(ソウルオリンピック・ウェルター級金メダリストのロバート・ワンギラにはTKO勝ちしたが、テリー・ノリスのWBC世界J・ミドル級王座挑戦ではTKO負け。中堅どころにとどまった)。ジェイコブスは英国のウェルター級。サウスポーのファイター。国内のライバルを次々と撃破(回り道しながらようやく世界挑戦。パーネル・ウィテカーのWBC世界ウェルター級タイトルに挑戦して判定負け。バディ・マクガートにも敗北するなどアメリカのトップクラスには敵わなかった)。世界戦のカラー写真、シュガー・レイ・ロビンソン、「WHO's WHO」に特に注目の一冊です。
雑誌の紹介:ボクシングマガジン1989年7月号~12月号
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