貴重な写真が満載の雑誌。「マイク・タイソン vs. トニー・タッカー」など「雑誌の内容についての個人的な解説」「雑誌で紹介された選手のその後」。
ボクシングマガジン1987年7月号
(コメント)
カラーポスターはマイク・マッカラム。タイソン、タッカー、ホリフィールド、フェネックのカラー写真が迫力。六車は残念な結果に(バッティングが敗因?)。サントス・ラシアルが二階級制覇(日本でもおなじみの二人。ローマンはハードパンチャーではないのでラシアルには勝つチャンスがあった)。「落札」(浜田剛史のV2戦がオークションにかけられ日本側が落札。ガッツ石松がエステバン・デ・ヘススと戦ったときのオークションと不公平な扱いをされたエピソードにも注目)。「ボクシングアラカルト」(ジョー小泉のレポートによると、OPBF戦を興行するのにかかった金額は約600万円、とのこと)。「新<世界>の顔」は「ジェフ・フェネック」(オーストラリア出身の二冠王。典型的なブルファイター。子供の頃からケンカ三昧、アマでの活躍、7戦目で新垣を破ってIBF王者に)。「WHO's WHO」は「李相鎬」「メルドリック・テーラー」「ジョン・デュプリーシス」。李相鎬は東洋太平洋J・ウェルター級王者。技巧派(ファン・マルチン・コッジに惨敗して世界獲得ならず)。テーラーはJ・ウェルター級。ロス五輪フェザー級金メダリスト(後の活躍は有名。チャベスとの試合は歴史に残る名勝負)。デュプリーシスはライト級。これまで全勝。大学にも通うマジメな人(彼もまたチャベスに敗れた選手の一人になってしまった)。梶間正夫の「世界リング万華鏡75」(「最も偉大なボクサーは?」「非合法だったボクシングの合法化の流れ」「無礼なドン・キング」「ジョイス・キャロル・オーツ」について)。カラー写真、フェネック、「WHO's WHO」、「万華鏡」に特に注目の一冊です。
ボクシングマガジン1987年8月号
(コメント)
カラーポスターはアントニオ・エスパラゴサ。注目の「スピンクス vs. クーニー」(カラー写真は迫力だが興行的には失敗。タイソンから逃げたスピンクス。ブランクがちなクーニー。盛り上がらなかったのは当然か)。亀田昭雄は一方的な負け。「新<世界>の顔」は「トニー・タッカー」(IBF世界ヘビー級王者。タイソンとの統一戦を控える身。オヤジさんもボクサーだったこと、アマでの活躍、ケガ、世界を獲るまで、について)。「ウィルフレド・ベニテスの近況」(天才ベニテス。アルゼンチンで試合をしたが敗北。おまけにファイトマネーが支払われず、現地で足止め。L・ヘビー級またはクルーザー級に転向すればもっと活躍できる、と自信ありげに語る)。「WHO's WHO」は「孫五空」「ファン・ロルダン」「ダーリン・バン・ホーン」。孫はフライ級。「孫五空」はリングネームで本名ではない。タフネスとパワーの選手。一度負けている柳明佑に借りを返したい、とのこと(しばらくして引退。世界挑戦ならず)。ロルダンはミドル級のタフ男(ハグラー、ハーンズ、マイケル・ナンに敗れて世界獲得ならず)。バン・ホーンはJ・ミドル級。ハンサムな白人(IBFのJ・ミドル級、S・ミドル級王座を獲得。しかし、アイラン・バークレーにヒドい目に遭わされた)。梶間正夫の「世界リング万華鏡76」(「試合後の白井義男」「ボクシング以外のことはさっぱりうまくいかないムハマド・アリ」「白人ボクサーの値打ち」「人種差別に苦しめられたシュガー・レイ・レナード」のエピソード)。「スピンクス vs. クーニー」のカラー写真、トニー・タッカー、ベニテス、「WHO's WHO」、「万華鏡」に特に注目の一冊です。
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ボクシングマガジン1987年9月号
(コメント)
カラーポスターはジェフ・フェネック。注目はマイク・タイソンとドナルド・カリー(タイソンがタッカーを下して王座統一。写真は迫力だが、試合の方はタッカーがクリンチ連発。カリーはショッキングな惨敗。長々と伸びてしまった)。浜田は残念な結果に。フェネック、エスパラゴサ、エスピノサ、ラミレス、ロラ、ミッチェルらの実力派が防衛に成功。「新<世界>の顔」は「ビニー・パジェンサ」(IBF世界ライト級王者。ニックネームは「パズマニアン・デビル」。「ロッキー」に憧れてボクサーに。アマ時代、プロでの活躍ぶり、について)。「WHO's WHO」は「ハロルド・ナイト」「ロレンソ・ガルシア」「カオコー・ギャラクシー」。ナイトはJ・ライト級。これまで全勝。攻撃も防御もできる、とのこと(ロッキー・ロックリッジのIBF王座に挑戦して敗北、引退)。ガルシアはウェルター級。ジョニー・バンファスと空位のWBA世界J・ウェルター級王座を争って判定負けしたことがある。ズングリした体型でパンチも華もない選手、というのが本誌の評価(その後もリングに上がり続けたが負けと引き分けが多く、二度目の世界挑戦は叶わなかった)。カオコーはバンタム級。カオサイの双子の兄(WBA王座を二度獲得したが、長く活躍できなかった)。梶間正夫の「世界リング万華鏡77」(「靴磨きから世界王者になったボウ・ジャック」「ロッキー・マルシアノのマネージャー、アル・ワイル」のエピソード)。カラー写真、実力派王者の防衛戦、「WHO's WHO」、「万華鏡」に特に注目の一冊です。
ボクシングマガジン1987年10月号
(コメント)
カラーポスターはホセ・ルイス・ラミレス。タイソンとレナードの素顔(プライベートを取材。写真、インタビューが掲載されている。タイソン「(今まで)タフな敵は一人もいなかった」、レナード「(ハグラーに勝てると確信したのは?)6ラウンド。(視力は?)2.0」)。ロサリオとブリーランドが防衛。強打者対決「ネルソン vs. ビジャサナ(再戦)」(決着がついた一戦。倒れなかったビジャサナのタフさ)。ハニガンは40秒でKO防衛。プライヤーは無惨なKO負け(復帰すべきではなかった)。日本で行われたヘビー級の興行(出場したのは二線級の選手だが、重いパンチで会場が沸いたらしい)。試合後のバリー・マイケルの写真(呆然とした表情に注目)。「新<世界>の顔」は「フィデル・バッサ」(WBA世界フライ級王者。サパタを番狂わせで破って王者に。ボクサーになる前のエピソード、プロでの活躍ぶり、について)。「ボクシングアラカルト」(ジョー小泉のレポート。「マイク・タイソン vs. トニー・タッカー」でのタッカーのファイトマネーは190万ドル。しかし、マネージャーらが大半を取り、タッカーの取り分は9万ドル、だとか)。「WHO's WHO」は「オルランド・カニザレス」「ジェシー・ベナビデス」「鄭炳寛」。カニザレスはフライ級の新鋭。元バンタム級王者ガビーの弟でハードパンチャー(後、IBF世界バンタム級王者に。長期に渡って防衛)。ベナビデスはサウスポーのJ・フェザー級。アマで実績を上げ、プロでは全勝(後、WBO王座を獲得)。鄭炳寛は東洋太平洋J・バンタム級王者。積極的に攻めるタイプ(カオサイ・ギャラクシーにTKO負けで世界獲得ならず)。梶間正夫の「世界リング万華鏡78」(「ジャック・ジョンソンのハバナでの試合」「名ボクサーの勇ましい母親」のエピソード)。カラー写真、「ボクシングアラカルト」、「WHO's WHO」、「万華鏡」に特に注目の一冊です。
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ボクシングマガジン1987年11月号
(コメント)
カラーポスターはマーロン・スターリング。今月号は国内マッチのカラーが多い(高橋直人、大和田正春など)。ソットがKO防衛。バージル・ヒルが王者に(長期に渡ってL・ヘビー級の主役であり続けた)。柳明佑、ウィルフレド・バスケスが力強い勝利。「ジョージ・フォアマンにインタビュー」(カムバックした目的、今のコンディション、アリ戦、について。「日本でタイソンと戦いたい」とのこと)。「ジャック・フィスクにインタビュー」(ボクシングライターのフィスク。彼にとって「良い試合」とは「力が接近した者同士の勝負」だとか)。「ヘンリー・アームストロングにインタビュー」(幼い頃のヒーローはキッド・チョコレート、バーニー・ロス戦が一番心に残っている、など)。「マヌエル・アルメンテロスにインタビュー」(キューバ人。「無冠の帝王」と呼ばれたバンタム級世界ランカー。日本での思い出、強すぎて世界挑戦させてもらえなかったこと、について語る)。「新<世界>の顔」は「ファン・マルチン・コッジ」(WBA世界J・ウェルター級王者。イタリア移民の息子。プロ入り前のエピソード、プロでの強打者ぶり、について)。「UBA」(世界王者を認定する団体。「マイケル・スピンクス vs. ジェリー・クーニー」戦でかけられていた王座。次々に王者を認定。その後どうなった?)。「ダイジェスト」に「ルイシト・エスピノサ」(「有望な若手」として注目されている。後にバンタムとフェザーで世界を獲得)。「WHO's WHO」は「鄭栄吉」「バージル・ヒル」「ウンベルト・ゴンザレス」。鄭栄吉は東洋太平洋ウェルター級王者。世界ランク1位。国内タイトルを獲って以来、好調。左フックが強い(後、ロイド・ハニガン、マーロン・スターリングに敗れ、世界獲得ならず。その後も東洋王者として存在感を示した)。ヒルはWBA世界L・ヘビー級王者。オリンピック銀メダリスト(後、ハーンズらと対戦。判定勝ちが多かったためか、やや地味な存在だった)。ゴンザレスはJ・フライ級。ボディ打ちが強い(説明不要。後、マイケル・カルバハルと「100万ドルマッチ」を行った)。梶間正夫の「世界リング万華鏡79」(「ムハマド・アリの引退後の生活」「どっちのシュガー・レイが強い?」について)。カラー写真、インタビュー記事、「WHO's WHO」、「万華鏡」に特に注目の一冊です。
ボクシングマガジン1987年12月号
(コメント)
カラーポスターはイベンダー・ホリフィールド。ハーンズが四階級制覇(写真がちょっと微妙。もっとカッコいい写真はなかったのかな?)。タイソン、カオサイ、ウィリアムス、ヒルトンのカラー写真が迫力。井岡がマイ・トンブリファームを下す(謎の男「マイ・トンブリファーム」。その後どうなった?)。ハニガンがバカに判定負け。ロッシが王座獲得(WBC王座は長く守ることはできなかったがIBF王座を長期に渡り防衛)。カランベイがバークレーを破る(後、バークレーは四階級制覇のハーンズと対戦)。あのカルロス・サラテがかつて獲れなかったWBC世界J・フェザー級タイトルに挑戦(いいところなく敗れた)。人気者オラジデが敗北(後、ハーンズにも負けて世界獲得ならず)。「新<世界>の顔」は「マーロン・スターリング」(「スーパースター候補生」マーク・ブリーランドをKOしたWBA世界ウェルター級王者。実力がありながら長年トップに立てなかった男。プロでの活躍ぶりと敗北についての記事)。「WHO's WHO」は「ポール・ゴンザレス」「ラムジ・ハッサン」「レイモンド・メデル」。ゴンザレスはJ・フライ級。ロス五輪ライトフライ級金メダリスト。あのオルランド・カニザレスに判定勝ち。身長はなんと175センチ。目標は四階級制覇、とのこと(後、IBF世界バンタム級タイトルを懸けてカニザレスと再戦、敗北。結局、一度も世界王者になれなかった)。ハッサンはヨルダン出身のL・ヘビー級。パワーはあるがパンチにキレがないためKO数は少ない(後、バージル・ヒル、マイケル・モーラーに敗れ、世界獲得ならず)。メデルはフライ級。粘り強いボクシングをする(後、ポール・ゴンザレスを下してUSBAフライ級王座防衛。フィデル・バッサのWBA王座に挑んだが敗北。彼も世界は獲れなかった)。梶間正夫の「世界リング万華鏡80」(「KO負け寸前になったジョー・ダンディ」「ジャック・デンプシーとジーン・タニーの二連戦」のエピソード)。充実したカラー写真、マーロン・スターリング、(大成した人がいないため、ちょっと悲しい)「WHO's WHO」、「万華鏡」に特に注目の一冊です。
雑誌の紹介:ボクシングマガジン1988年1月号~6月号
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