貴重な写真が満載の雑誌。「ヘクター・カマチョ vs. エドウィン・ロサリオ」など「雑誌の内容についての個人的な解説」「雑誌で紹介された選手のその後」。
ボクシングマガジン1986年7月号
(コメント)
カラーポスターはアズマー・ネルソン(渋い)。シュガー・レイ・レナードがカムバック(ハグラーを狙う計画)。タイソンがジェームス・ティリス戦に続いて判定勝ち(グリーンとは後にストリートでも対決)。「新<世界>の顔」がカラーページ(浜田の挑戦を受けることになったレネ・アルレドンド。兄リカルドも世界王者だったボクシング兄弟。プロでの試合ぶり、についての記事)。ウィルフレド・ゴメスが痛烈なKO負け。チャベスが無名相手に50連勝。強打者カニザレスがアッサリ王座転落。「情報BOX」に死亡事故の記事(フライ級4回戦でデビューした選手が試合のダメージで死去。ボクシングはやはり「危険すぎるスポーツ」)。梶間正夫の「世界リング万華鏡63」(「マービン・ハグラーの素顔と本音」「反則を使うボクサー」について)。「WHO's WHO」は「コントラニー・パヤクアルン」「ドワイト・プラチェット」「マイケル・ナン」。コントラニーはサーマート・パヤクアルンの兄でJ・バンタム級。オーソドックスのハードパンチャー(後にヒルベルト・ローマン、カオサイ・ギャラクシーの世界タイトルに挑んでいずれも判定負け)。プラチェットは北米J・ライト級王者。チャベスの世界タイトルに挑んで判定負けしたが倒されなかったタフ男(後、マリオ・ミランダに北米王座を奪われ、ハイメ・ガルサに判定負けして引退)。ナンはミドル級の世界ランカー。テクニックは一級品だがスタミナと打たれ強さに不安がある選手、とのこと(後にIBF王座獲得。「不安」も的中)。「ダイジェスト」は「スピンクス、タイソン」(マイケル・スピンクスの「パワー不足」、ジェームス・ティリスをKOできなかったタイソンの「経験不足」を指摘する記事の二本立て)。カラー写真、タイソン、「万華鏡」、「WHO's WHO」に特に注目の一冊です。
ボクシングマガジン1986年8月号
(コメント)
カラーポスターはマイク・タイソン。喜友名は残念な結果。カマチョがロサリオに微妙な判定勝ち。タイソンは豪快なKO勝ち(カラー写真がエラい迫力)。ハーンズが防衛。マクギガンが意外な王座転落(カラー報道になったとたん敗北)。「レネ・アルレドンドにインタビュー」(浜田剛史の挑戦を受けるレネ。兄リカルド、プロでの思い出について。「(浜田戦は)ベストを尽くす」とのこと)。「新<世界>の顔」は「アズマー・ネルソン」(プロ入り後の快進撃、サルバドル・サンチェス戦、ウィルフレド・ゴメス戦、など)。「ジェリー・クーニー特集」(タイソンの登場で活気づくヘビー級。「ホワイトホープ」クーニーが参戦。ブランクを克服できるか?)。梶間正夫の「世界リング万華鏡61」(「カシアス・クレイとヘンリー・クーパーの試合」「威勢がよかったジョーイ・ジアルデロ」のエピソード)。「WHO's WHO」は「スティーブ・クルス」「ジョニー・デラ・ローサ」「ブライアン・ブルーネット」。クルスは新WBA世界フェザー級王者。親、兄弟もボクサー。やや迫力不足、とのこと(初防衛戦でアントニオ・エスパラゴサにKO負け。日本でも試合をしたことがある)。デラ・ローサはJ・ライト級。積極性に欠けるテクニシャン(後、ロッキー・ロックリッジのIBFタイトルに挑戦してTKO負け。世界は獲れなかった)。ブルーネットはJ・ウェルター級。世界ランクにも入っていないのにWBA王者オリバから挑戦者として指名されている。ただし、対戦相手は無名が多いが、これまで無敗(オリバに3Rで惨敗。次の試合に勝利して引退)。「ジョー小泉の海外ビデオ」は「判定について」(試合をテレビで観たときの印象とリングサイドから見たときの印象が異なることについて。微妙な判定だった「カマチョ vs. ロサリオ」戦を例に解説している記事)。充実したカラー写真、「万華鏡」、「WHO's WHO」、「判定について」に特に注目の一冊です。
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ボクシングマガジン1986年9月号
(コメント)
カラーポスターはスティーブ・クルス。浜田が豪快なKO勝ち(アルレドンドが死んだんじゃないか、と思うようなパンチだった)。フランク・ブルーノが豪快にKO負け(筋肉はスゴイが打たれ弱かった)。ローマンが地味に防衛(でもカラーで目立ってる)。ホリフィールドが初めて世界王座を獲得(カラー写真で見たかった)。「チャベス vs. ロックリッジ」のJ・ライト級ナンバーワンを決める試合は2-0でチャベス。タイソンがフレージャーを粉砕。「新<世界>の顔」は「イベンダー・ホリフィールド」(オリンピックでの反則負け、プロ入り前の出来事、プロでの活躍、など。ヘビー級でマイケル・スピンクスと戦いたい、とのこと)。「南洋諸国のボクシング事情」(ニュージーランドのボクシングについて。選手はいるがあまり盛んではないとのこと)。「WHO's WHO」は「マシュー・ヒルトン」「トロイ・ダーレル」「パーネル・ウィテカー」。ヒルトンはJ・ミドル級の人気者。親兄弟もボクサー。重いパンチが武器(後にIBF王者に)。ダーレルもJ・ミドル級。22戦全勝(19KO)のハードパンチャー(マイケル・オラジデ、フランク・テートに連敗。世界には届かなかった)。ウィテカーはライト級。オリンピック金メダリスト。拳を痛めてブランクを作っている(後の活躍は有名)。梶間正夫の「世界リング万華鏡65」(「試合を延期したかったロッキー・グラジアノ」「最後まで諦めなかったボクサー」「ヘンリー・アームストロングが口の中を大怪我した試合」のエピソード)。充実したカラー写真、「WHO's WHO」、「万華鏡」に特に注目の一冊です。
ボクシングマガジン1986年10月号
(コメント)
カラーポスターはトーマス・ハーンズ。タイソンのカラー写真が迫力。「ローマン vs. ラシアル」はドロー(結局、計三度戦った)。ジュリアン・ジャクソンが惨敗(マッカラムの想像を超えた強さ)。「ハグラー vs. レナード」がついに決定(「ハグラーの衰え」を指摘するアンジェロ・ダンディ。結果は?)。「新<世界>の顔」は「カルロス・デ・レオン」(WBC世界クルーザー級王者。このタイトルを奪われては取り返す。WBA王者ホリフィールドとの対戦が予定されている)。「ウィーバー vs. ラドック」戦(記事には「ウィーバー、無名に敗る」とある。後にタイソンと激しい試合をしたラドック。この頃は駆け出しだった)。「WHO's WHO」は「マーロン・スターリング」「テレンス・アリ」「フランク・テート」。スターリングはウェルター級。ライバルのドナルド・カリーに阻まれて世界王座を獲れない運が悪い男。技巧派でディフェンシブ(後に世界王者に。ディフェンシブなため人気の方は今ひとつだった)。アリはライト級。長いリーチ。IBFタイトル挑戦は失敗(息の長い選手だったが世界は獲れず)。テートはミドル級。オリンピック金メダリスト。パワーはないがスピードがある、とのこと(後にIBF王者に)。「ダイジェスト」は「海外ファンの声」(ファンの辛辣な意見を紹介する記事。「カマチョはチャンピオンの名に値しない」「マクギガンが負けた言い訳をするのにはウンザリ」「世界ランクに入っていないレナードがハグラーに挑戦できるのはなぜ?」)。梶間正夫の「世界リング万華鏡66」(「リングに物を投げる客」「大雨の中で行われた世界ミドル級タイトルマッチ」「カシアス・クレイと人気プロレスラー」のエピソード)。タイソンのカラー写真、「WHO's WHO」、「万華鏡」に特に注目の一冊です。
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ボクシングマガジン1986年11月号
(コメント)
カラーポスターはトレバー・バービック(USBAベルトにも注目)。今月号はなかなか興味深い試合が多い。ドナルド・カリーの大番狂わせ(敗北)、ハードパンチのロサリオ、人気キャラのカマチョ(派手なトランクス)、スピンクスの防衛戦、タイソンの世界前哨戦、など。スピンクスに挑戦したタングスタッドは欧州王者(正直なところ、微妙なチャレンジャーだった)。ブライアン・ミッチェルが世界獲得(後にこのクラス最強を証明)。「新<世界>の顔」は「ミゲル・ロラ」(WBC世界バンタム級王者。「コロンビアのアルゲリョ」。ダニエル・サラゴサを破って王座獲得。ウィルフレド・バスケス相手に初防衛に成功。アマ時代、プロでの活躍ぶり、について)。トニー・タッカーがブロードを下す(この試合はIBFタイトルへの挑戦者決定戦として行われた。後にIBF王者スピンクスはクーニー戦をやるために王座返上。タイソンだけではなく、タッカーからも「逃げた」形に)。「WHO's WHO」は「ボビー・チェズ」「ジョン・ミーキンス」「ラントン・ティナゴ」。チェズは新IBF世界L・ヘビー級王者。不幸・不運を乗り越え王座奪取。「白人」ということで白人ファンにとっては貴重な存在(チャールズ・ウィリアムスに敗れて王座転落。その後、WBA世界クルーザー級王座を獲得して二階級制覇)。ミーキンスはJ・ウェルター級。「ドン・カリー2世」とある(後、メルドリックテーラーのIBF王座に挑んだが敗北。北米王座を手に入れたが、世界には手が届かなかった)。ティナゴはライト級。ジンバブエの古豪。100戦以上のキャリアで右パンチが強いらしい(しばらくして引退。ラストファイトはジンバブエのライト級タイトル戦での勝利)。梶間正夫の「世界リング万華鏡67」(「名レフェリー、アーサー・ドノヴァン」「カネ儲けが上手だったジャック・オブライエン」「世界タイトルの保持最短記録」のエピソード)。注目カードのカラー写真、ミゲル・ロラ、「WHO's WHO」、「万華鏡」に特に注目の一冊です。
ボクシングマガジン1986年12月号
(コメント)
カラーポスターはエドウィン・ロサリオ。ハーンズはしぶといデウィットをKOできず(試合は微妙だったがカラー写真はかなりの迫力)。「林一道インタビュー」(チト・レクトーレ、ラファエル・メンドサ、カール・キングにインタビュー。レクトーレはアルゼンチンのプロモーターで大勢の世界王者を育てた男。世界チャンピオンが多すぎる、という理由でボクシング界の将来に悲観的。メンドサはボクシングライターでマネージもやるメキシコ人。最高のボクサーはアレクシス・アルゲリョ、とのこと。キングはドン・キングの息子。マイケル・ドークスらをマネージ。ボクシングの悪いイメージを払拭することが夢)。「新<世界>の顔」は「ロイド・ハニガン」(カリーを番狂わせで破った世界ウェルター級王者。試合前から自信があったようで、「自分の勝ち」に5000ドルを賭けた、とか)。カオサイは敵地でKO防衛。「WHO's WHO」は「フランキー・ランドール」「プラユンサク・ムアンスリン」「グレグ・ホーゲン」。ランドールはライト級。華麗なアウトボクシングをする男で、ニックネームは「外科医」(後にビッグアップセットを起こして世界のボクシングファンを驚かせた)。プラユンサクは東洋太平洋J・フェザー級王者。KO負けでスランプだった時期も(後に李承勲と空位のIBF世界J・フェザー級王座を争ってTKO負け)。ホーゲンは白人のライト級で無敗(強打者ジミー・ポールに勝ってIBF世界ライト級王座獲得。ビニー・パジェンザとのライバル対決、パーネル・ウィテカー、ヘクター・カマチョ、フリオ・セサール・チャベス戦などが有名)。梶間正夫の「世界リング万華鏡68」(暴れん坊ロッキー・グラジアノが世界王者になるまでのエピソード)。カラー写真、ハニガン、「WHO's WHO」、「万華鏡」に特に注目の一冊です。
雑誌の紹介:ボクシングマガジン1987年1月号~6月号
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