2021年12月24日金曜日

雑誌の紹介:ボクシングマガジン1986年1月号~6月号「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

貴重な写真が満載の雑誌。「ドナルド・カリー vs. ミルトン・マクローリー」など「雑誌の内容についての個人的な解説」「雑誌で紹介された選手のその後」。

ボクシングマガジン1986年1月号

(コメント)

カラーポスターはトニー・タッブス(後に来日してタイソンと世界戦)。世界ウェルター級統一戦「カリー vs. マクローリー」は意外なワンサイド(カラー4ページ。貴重な写真)。「チャンピオンの夕べ」は元王者を称えるパーティ(ヘンリー・アームストロング、キッド・ギャビラン、ルーベン・オリバレス、フロイド・パターソン、アーチー・ムーアらが出席)。カジェハスが世界王座防衛に成功(地味な存在ではあったが、かなりの実力者だった)。「新<世界>の顔」は「マイク・マッカラム」(シュガー・レイ・ロビンソンに憧れてボクサーに。アマチュア時代、クロンクジム入り、年齢疑惑、など。「トラブルメーカー」との評判も)。「CT衝撃」(CTスキャンにより日本ボクシングコミッションが数名のボクサーに引退勧告。ヨネクラ・イコニもその一人)。「ポール vs. ペンドルトン」戦(IBF世界ライト級王者ポールのノンタイトル戦。記事には「ポール、格下に苦戦」とある。後にこのタイトルを獲得したペンドルトン。実力では「格下」ではなかった)。梶間正夫の「世界リング万華鏡58」(「二回連続で反則負けにされてしまったボクサー」「ジョー・フレージャーとバスター・マチスの因縁」「伝説の強豪サム・ラングフォード」について)。「WHO's WHO」は「ハーリー・スニード」「マリオ・デマルコ」「カルビン・グローブ」。スニードは全米バンタム級王者。クロンクジム所属。アグレッシブなファイターだが小柄でパワーに欠ける(後にルイシト・エスピノサのWBAタイトル、ウェルカム・ニシタのIBF世界J・フェザー級タイトルに挑戦したが敗北)。デマルコはJ・フライ級。積極的な選手(柳明佑のWBA世界J・フライ級タイトルに二度挑戦していずれも敗北)。グローブはスピードのあるフェザー級。個性的な動きと髪型で人気(後にIBF王座を獲得。ホルヘ・パエス、ジェフ・フェネックら名のある選手と対戦した)。「カリー vs. マクローリー」、往年の名王者、「万華鏡」、「WHO's WHO」に特に注目の一冊です。

雑誌の紹介:ボクシングマガジン1986年1月号~6月号「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ボクシングマガジン1986年2月号

(コメント)

カラーポスターは浜田剛史。カリーの最終目標はマービン・ハグラー(ミルトン・マクローリーを豪快にKOした頃の記事。アマチュア時代、プロでのライバル、不幸な出来事、について)。カオサイのカラー写真が迫力。柳明佑がタイトル獲得(長い時代の始まり)。カマチョとチャベスがノンタイトル戦、を計画(その後、全盛を過ぎて対決が実現)。タイソンはデビュー13連続KO。梶間正夫の「世界リング万華鏡59」(「長年に渡って戦い続けたアーチー・ムーア」「バトリング・レビンスキーが1日3試合をやることになってしまった話」「勝つのも負けるのも速かったボクサー」について)。「WHO's WHO」は「J・B・ウィリアムソン」「柳明佑」「ダーネル・ノックス」。アマ時代に優秀だったウィリアムソン。得意なパンチは左フックだがキレがもう一つ、とのこと(初防衛戦でデニス・アンドリュースに敗北)。柳明佑は技巧派だが、倒すコツをつかみ始めている、という評価(日本で井岡に敗れるまで防衛し続けた)。ノックスはJ・ミドル級の世界ランカー。スピードがある選手らしい。ディフェンスと打たれ強さに問題があるかも、とのこと(後にマイケル・ナンと空位の北米ミドル級王座を争って敗北。それがラストファイトとなった)。「テオフィーロ・ステベンソンにインタビュー」(アマチュア最強の男。キューバの軍人。身長195センチ。ソ連選手の強さ、プロへの勧誘、について)。カオサイ、柳明佑、「万華鏡」、「WHO's WHO」、ステベンソンに特に注目の一冊です。

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ボクシングマガジン1986年3月号

(コメント)

カラーポスターはヘクター・カマチョ。ウィザスプーンがWBCに次いでWBAタイトルも獲得。ピントールはウェートオーバーでタイトルを剥奪されたうえにKO負け。サーマートはカラーで見ると実にカッコいい。今里が日本バンタム級タイトルを防衛(スゴイ顔してパンチを打つ今里の写真に注目)。直前に迫った「ハグラー vs. ムガビ」の予想記事(「(ムガビは)パンチは凄いがテクニックが無い」と語るカーチス・パーカー。パーカーはムガビに1RでKOされている)。「新<世界>の顔」は「ティム・ウィザスプーン」(フットボーラー時代、アマチュア時代、トップ選手とのスパーリング、ホームズ戦などの大試合、について)。「海外ニュース」にマイク・タイソンとジェームス・ダグラス。タイソンは三試合行っていずれもKO勝ち。ダグラスがペイジに番狂わせの判定勝ち(タイソン、ダグラス、ペイジは後に東京で話題に)。梶間正夫の「世界リング万華鏡60」(人気者だったマックス・ベアのエピソード。デンプシーとの会話、リングキャリアについて)。「WHO's WHO」は「マイク・タイソン」「バリー・マイケル」「ジョン・ムンダガ」。タイソンはヘビー級のスター候補。身長180センチでちょっと小柄(説明不要。後の統一世界ヘビー級王者)。マイケルはIBF世界J・ライト級王者。特に武器はなく、タフさが自慢(後にロッキー・ロックリッジにベルトを奪われた)。ムンダガはウガンダのウェルター級。同じウガンダのジョン・ムガビとは親友。スピードとテクニックの選手(マーク・ブリーランドに初黒星。その後、ダーリン・バン・ホーンにも敗れた)。サーマート、ウィザスプーン、タイソン、「万華鏡」、「WHO's WHO」に特に注目の一冊です。

雑誌の紹介:ボクシングマガジン1986年1月号~6月号「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ボクシングマガジン1986年4月号

(コメント)

カラーポスターはティム・ウィザスプーン。アルゲリョがカムバック(しかし持病により世界挑戦ならず)。ブランブル、ネルソンが防衛。「古豪」マービン・ジョンソンが世界L・ヘビー級王座奪回。マクギガンの世界戦はいつもモノクロ写真。「ロラ vs. バスケス」は今から見ればかなりの好カード。「日本ミニ・フライ級」の創設(初代王者は小野健治)。「ヘビー級世界統一の青写真」(群雄割拠のヘビー級タイトルを統一する企画が進行中。WBC王者ピンクロン・トーマス、IBF王者マイケル・スピンクス、WBA王者ティム・ウィザスプーン。「統一王者」になるのは?)。「新<世界>の顔」は「エドウィン・ロサリオ」(ヘクター・カマチョのせいで地味な存在になってしまった感があるロサリオ。アマ時代、プロでの快進撃と挫折、について)。タイソンが18連続KO。梶間正夫の「世界リング万華鏡60」(「ジョー・ルイスの人気ぶり」「バッティングで目を痛めてしまったシュガー・レイ・レナード」「ラリー・ホームズの少年時代と成功したビジネス」について)。「WHO's WHO」は「アルフレド・ライネ」「サミー・フェンテス」「ビニー・パジェンサ」。後に全員世界王者になった。ライネはWBA世界J・ライト級1位でウィルフレド・ゴメスへの挑戦を控えている。右のカウンターが強い、とのこと(後にゴメスをKO)。フェンテスはライト級。ハリー・アローヨをKOして名を上げた(フリオ・セサール・チャベスのWBC世界J・ウェルター級王座に挑戦して失敗するなど苦しい状態が続いたが、WBOの世界J・ウェルター級王座を獲得)。パジェンサもライト級。映画『ロッキー』に憧れてボクサーに(後に世界王者に。グレグ・ホーゲンとのライバル対決、ロジャー・メイウェザー、ロベルト・デュランなど名のある選手との試合で有名に)。「ダイジェスト」はムエタイの記事(ムエタイのトップ選手は一試合で300万円もらう。ムエタイに敵がいなくなると国際式(プロボクシング)に転向し、選手たちは高額のファイトマネーを求めてできるだけ早く世界王者になろうとする、など)。カラー写真、「万華鏡」、「WHO's WHO」、ムエタイに特に注目の一冊です。

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ボクシングマガジン1986年5月号

(コメント)

カラーポスターはバリー・マクギガン。カラーページは何と言っても「ハグラー vs. ムガビ」戦がド迫力(ただし、黒の背景に赤い文字で記事が読みにくい)。ハーンズ、カニザレス、カリーもカッコいい。ピンクロン・トーマスが意外な王座転落。サーマート・パヤクアルンの記事もカラー(ムエタイで強すぎて相手がいなくなり国際式(プロボクシング)に転向。試合ぶりとその評価、素顔、について)。レオン・スピンクスが敗北(元世界ヘビー級王者が一階級下のクルーザー級で惨敗。弟マイケルはL・ヘビー級でありながらヘビー級のラリー・ホームズを下したが)。大橋秀行が金奉準に判定負け(後の世界王者同士の一戦。金「(大橋は)まだまだアマチュアだね」)。「新<世界>の顔」は「ジミー・ポール」(ハードパンチャーのIBF世界ライト級王者。慎重な戦いぶりのためやや地味な存在。マクローリー兄弟、デュアン・トーマスとの出会い、アマチュア時代、プロでの活躍、素顔、について)。「海外ニュース」の「メイウェザー vs. ペンドルトン」はなかなかの好カード。タイソンは19連続KO勝ち。トニー・タッカーは30連勝。タイレル・ビッグス、ヘンリー・ティルマンも順調に勝利。梶間正夫の「世界リング万華鏡61」(「ムハマド・アリとレオン・スピンクスの二連戦」「ジョー・ルイスに逆転負けしたビリー・コン」について)。「WHO's WHO」は「ロビー・シムス」「マイケル・オラジデ」「ポンチョ・カーター」。シムスはミドル級の世界ランカー。あのマービン・ハグラーの弟。親が離婚したため兄弟で名前が違う、とのこと(当時のホープたちとの対戦で実力アップ。しかし、世界タイトルには手が届かなかった)。オラジデもミドル級。マイケル・ジャクソンっぽい雰囲気の人(人気はあったが世界タイトル獲得ならず。アイラン・バークレーとのタフファイト、トーマス・ハーンズとのWBOタイトル戦が有名)。カーターはL・ヘビー級。体格的にはS・ミドル級だというハードパンチャー(後、ヘビー級に転向。トニー・タッブス、ジェームス・スミス、オリバー・マッコール、ピンクロン・トーマスらと対戦。トーマスに勝ってWBFのヘビー級王座を獲得)。「ダイジェスト」は「海外ファンの声」(ヘクター・カマチョは過大評価されている、バリー・マクギガンがラフファイターのアズマー・ネルソンを恐れるわけがない、など)。カラー写真、ジミー・ポール、「万華鏡」、「WHO's WHO」に特に注目の一冊です。

雑誌の紹介:ボクシングマガジン1986年1月号~6月号「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ボクシングマガジン1986年6月号

(コメント)

カラーポスターはドナルド・カリー。ホームズがまたしても敗北(スピンクスが巻いている旧型IBFベルトにも注目)。引退が濃厚、ということでホームズの過去を振り返るカラーページ(引退どころかカムバックして再び世界戦をやった。ヘビー級の選手は息が長い)。ムガビを倒したハグラーが引退を示唆。ハグラーを狙うドナルド・カリーは「マイク・マッカラム戦は通過点。狙いはハグラーだ」と言っているが・・・。アルレドンドがワンパンチKOで王座へ(後、日本で浜田と二度対戦)。デニス・アンドリュースが地味に世界王座獲得(後、トーマス・ハーンズ、ジェフ・ハーディングらと対戦)。モノクログラビアで「マイク・タイソン特集」(試合ぶり、家族、カス・ダマトとの出会い、についての記事)。「新<世界>の顔」は「トレバー・バービック」(WBC世界ヘビー級王者。番狂わせで王座獲得。少年時代、アマ時代、モハメド・アリやラリー・ホームズといった名のある選手との試合、について)。「海外ニュース」に「ジェフ・フェネック vs. ダニエル・サラゴサ」のノンタイトル戦(後に日本でも戦ったサラゴサ。当時はスランプ気味。フェネックと対戦していた。今からするとかなり興味深いカード)。「タイソン、20連勝ならず」(ジェームス・ティリスに判定勝ちしたタイソン。「KOできなかった」ということなのだろうけど負けたかのような記事タイトルになっている。当時の読者はちょっと焦ったかも)。梶間正夫の「世界リング万華鏡62」(「ボクシングのルールが今とは全然違うものだった時代」「映画『レイジング・ブル』について語るジェイク・ラモッタ」のエピソード)。「WHO's WHO」は「イベンダー・ホリフィールド」「バディ・マクガート」「ルイ・エスピノサ」。ホリフィールドはJ・ヘビー級。基本に忠実なボクサーファイター(後の活躍ぶりは説明不要)。マクガートはJ・ウェルター級。パンチはあるが無名の選手との試合が多く、実力は未知数、とある(後に世界王者に。サイモン・ブラウンを下して二階級制覇)。エスピノサは好戦的でパワフルなJ・フェザー級(後、WBA世界J・フェザー級、WBO世界フェザー級タイトル獲得)。カラー写真、タイソン、「万華鏡」、「WHO's WHO」に特に注目の一冊です。 

雑誌の紹介:ボクシングマガジン1986年7月号~12月号

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