2021年12月17日金曜日

雑誌の紹介:ボクシングマガジン1983年7月号~12月号「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

貴重な写真が満載の雑誌。「デビー・ムーア vs. ロベルト・デュラン」など「雑誌の内容についての個人的な解説」「雑誌で紹介された選手のその後」。

ボクシングマガジン1983年7月号

(コメント)

カラーポスターはロジャー・メイウェザー。ヘビー級タイトル戦(ラリー・ホームズ)のカラー写真が迫力(試合内容の方はちょいと残念)。オジー・オカシオの試合がカラーで掲載(どちらかというとマイナーな存在のオカシオ。日本でカラー報道されたことを知っているのだろうか?)。チャコン、カリー、ハグラーのカラー写真も貴重かつカッコいい。何とアマチュアの試合もカラー(日本で行われた試合。マーク・ブリーランドの写真も)。「ジャック・デンプシー死去」(過去、数ヶ月に渡って自伝が紹介されてきたデンプシーが87歳で死去)。前号に続いて「西出健一のメキシコボクシング・レポート」(戦う動機について。格差が大きいメキシコ社会。マネーを求めて貧しい者がリングに上がる、ファンは選手の勇敢さを讃える、など)。梶間正夫の「世界リング万華鏡29」は「ちょっと変わった話15」(ベアナックル最後の王者ジョン・エル・サリバンを倒したジム・コーベットとサリバンのエピソード)。「短信」に「新組織USBAI設立」の記事(「USBAI」とは「米国国際ボクシング協会」のことで、ボビー・リーを会長とし、ボブ・アラムが設立したもの。WBAとWBCがボクシング界を支配していることに対抗するのが狙い。後に「IBF」となった)。「ダイジェスト」にもアラムが登場(「ボクシング界の実情」を語る。WBAとの関係、ヘビー級への進出をドン・キングに阻止されている形になっていること、など)。「世界のトップボクサー紹介」は「ティム・ウィザスプーン」「権順天」。ホームズを苦戦させたウィザスプーン。ニックネームは「テリブル」(モハメド・アリが名付けた、とのこと)。スピードに欠けるのが難点(後にWBC、WBAの世界ヘビー級タイトルを獲得)。権順天はOPBFのJ・バンタム級王者。ガチャガチャ打っていくタイプだがパンチ力を増してきた、という(渡辺二郎の持つWBA王座挑戦は失敗したが、IBF世界フライ級王座を獲得)。世界戦のカラー写真、メキシコボクシング、「万華鏡」、ボブ・アラムに特に注目の一冊です。

雑誌の紹介:ボクシングマガジン1983年7月号~12月号「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ボクシングマガジン1983年8月号

(コメント)

デュランが三階級制覇したムーア戦のカラー写真が貴重。赤井、渡嘉敷、伊波は残念な結果(ブルース・カリーによると、赤井のパンチにはそれほどパワーがなかった、とのこと)。「新KOキング」ガルサが全勝で世界王者に(しかし、意外な短命に終わった)。前号に続いて「西出健一のメキシコボクシング・レポート」(熱狂と選手の本音について。メキシコ人ファンの騒々しさ。試合で賭けをしているのも理由の一つ。特定の選手にひいきしたりするため、選手はレフェリーやリングドクターを信用していない、など)。梶間正夫の「世界リング万華鏡30」は「ちょっと変わった話16」(「ジャック・デンプシーの人望」「ソニー・リストンと犯罪者の関わり」「女性ボクサーの試合」「ボクシング好きの芸能人」「アマチュア選手の報酬」について)。デュラン、日本人選手が登場する世界戦のカラー写真、メキシコボクシング、「万華鏡」に特に注目の一冊です。

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ボクシングマガジン1983年9月号

(コメント)

カラーポスターはボビー・チャコン。ラシアルは韓国で圧勝。カルロス・デ・レオン、ジェフ・チャンドラー、ウィルフレド・ベニテス、ティム・ウィザスプーンのカラー写真(チャンドラー、ベニテス、ウィザスプーンはノンタイトル戦にもかかわらずカラー。注目度が高かった試合)。ハーンズはミドル級でテストマッチ(KOならず。写真は迫力)。前号に続いて「西出健一のメキシコボクシング・レポート10(最終回)」(メキシコボクシング界の三人の「ドン(大物)」。そのうちの一人、クーヨ・エルナンデス。彼の過去とボクシング哲学についての記事)。「今月のボクサー」は六車卓也(後のWBA世界バンタム級王者。ボクシングマガジンの表紙に出たい、とのこと。後に実現)。梶間正夫の「世界リング万華鏡31」は「ちょっと変わった話17」(「マジソン・スクエア・ガーデンの歴史」「アーチー・ムーアのテクニック」「ジェイク・ラモッタの素顔」について)。「郡司信夫のファン探訪」は俳優の根上淳(映画で白井義男を演じた根上さん。映画とボクシングについて語る)。「短信」にラリー・ホームズの記事(WBC世界ヘビー級王者ホームズの次の防衛戦の相手はマービス・フレージャー。WBCは経験の浅いフレージャーを挑戦者として認めない意向。結局この試合はホームズが持つIBFタイトルの防衛戦として行われた。結果はみなさんご存じ)。「世界のトップボクサー紹介」は「ホセ・ルイス・ラミレス」「文泰鎮」。ラミレスはエドウィン・ロサリオを追い込んだライト級。「左のオリバレス」と呼ばれる好戦的なサウスポー。アルゲリョを苦戦させたこともある(後にWBC世界ライト級タイトルを獲得。ウィテカーやチャベスと戦った)。文泰鎮はOPBFのJ・ライト級王者でWBA1位。タフなサウスポー(後にロッキー・ロックリッジのWBA世界J・ライト級タイトルに挑戦したがTKO負け)。「ダイジェスト」は三階級制覇したロベルト・デュランの記事。レナードとの再戦で棄権したことにより地元パナマで笑い者になってしまったデュラン。三つ目のベルト獲得で名誉回復。次はハグラー戦が期待されている、という記事(後にハグラーに判定負け、ハーンズにKO負け。折角獲った三つ目のベルトは剥奪。その後もデュランの戦いは続く)。カラー写真、メキシコボクシング、「万華鏡」に特に注目の一冊です。

雑誌の紹介:ボクシングマガジン1983年7月号~12月号「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ボクシングマガジン1983年10月号

(コメント)

期待のカマチョ、マクローリーが王座に。メイウェザーのベルト姿がカッコいい。村田、ベヒネスは残念な結果。カリーのKO防衛はモノクロ(カラーで見たかった)。カオサイが朴にかろうじて勝利。梶間正夫の「世界リング万華鏡32」は「ちょっと変わった話18」(「ジャック・デンプシーとジョー・ルイスが戦ったら?」「古代のボクシング」「ムハメド・アリとウィリー・パストラノ」について)。「世界のトップボクサー紹介」は「マルコス・ビジャサナ」「ポンパン・ソー・ファヤタイ」。ビジャサナはメキシコのフェザー級。強打でエウセビオ・ペドロサのWBA王座を狙う(数年後WBC王者に)。ポンパンはタイの「KOキング」。しかしファン・メサに惨敗。「作られた世界ランカー」だった。「ダイジェスト」にラリー・ホームズの記事(苦戦したウィザスプーン戦、グレグ・ペイジとの指名試合を避けてマービス・フレージャーと試合する予定であること、について)。カラー写真、「万華鏡」、ラリー・ホームズに特に注目の一冊です。

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ボクシングマガジン1983年11月号

(コメント)

カラーポスターはエドウィン・ロサリオ(アフロな髪型)。アルゲリョがプライアーに再びKO負け(リングサイドのオバチャンの表情にも注目)。「WBC創立20周年」のパーティに集まった豪華なメンバー(ファイティング原田、モハメド・アリ、ジョー・フレージャー、カルロス・モンソン、ダスティン・ホフマンら)。ヤキ・ロペスは実力がありながら世界王者になれなかった。ホームズ、ドークスの世界ヘビー級戦はモノクロ(マイナー扱い?)。「WBAラスベガス総会」(JBCの小島茂も総会に出席。WBAは新組織「IBF」を認めない、とのこと)。梶間正夫の「世界リング万華鏡33」は「ちょっと変わった話19」(プロモーターのマイク・ジェイカブスと契約したジョー・ルイスの活躍、について)。「世界のトップボクサー紹介」は「リチャード・サンドバル」「ジョン・コリンズ」。サンドバルはバンタム級。兄アルベルトは世界挑戦の経験がある「ボクシング兄弟」。アルベルトを負かしたアルバート・ダビラ(WBC王者)に挑戦したい、とのこと(後にジェフ・チャンドラーを破ってWBA王座獲得)。コリンズはミドル級(ウェルターのコリン・ジョーンズではなくてジョン・コリンズ)。連勝中。どこまで伸びるか?(後にマーク・ホームズに勝利してUSBA王座を獲得したがロビー・シムズに奪われて引退。マーク・ホームズはラリー・ホームズの弟。シムズはマービン・ハグラーの弟)。WBCのパーティ、WBA総会、「万華鏡」に特に注目の一冊です。

雑誌の紹介:ボクシングマガジン1983年7月号~12月号「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ボクシングマガジン1983年12月号

(コメント)

カラーポスターはカルロス・デ・レオン(WBCベルトにも注目)。渡嘉敷は王座奪回ならず。「ブルース・カリー vs. リロイ・ヘイリー」のマニアックな試合がカラーレポート(しかも4ページ)。千里馬がハーンズと記念撮影(ミルトン・マクローリーとスパーリングするシーンも)。ペドロサがカバに勝利(17連続防衛)。梶間正夫の「世界リング万華鏡34」は「ちょっと変わった話20」(ピークを過ぎたジョー・ルイス)。「世界のトップボクサー紹介」は「ジミー・ポール」「ロビン・ブレーク」。ライト級で世界を狙う二人(しかしながら共に判定負け(同号の「海外ニュース」に詳細)。「クロンクジム」のポールは後にIBF世界ライト級王座を獲得。初防衛戦でブレークを下した)。マニアックなカラーポスター&カラーレポート、「万華鏡」、ジミー・ポールに特に注目の一冊です。 

雑誌の紹介:ボクシングマガジン1984年3月号~6月号

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