貴重な写真が満載の雑誌。「ラリー・ホームズ vs. ジェリー・クーニー」など「雑誌の内容についての個人的な解説」「雑誌で紹介された選手のその後」。
ボクシングマガジン1982年7月号
(コメント)
カラーポスターはドワイト・ブランクストン(後のドワイト・ムハマド・カウイ)。マンシーニ、アルゲリョ戦、シュガー・レイ・ロビンソンのカラー写真(貴重)。サンチェスがパンチを食ってるモノクロ写真(カッコいいサンチェスも打たれたら変顔に)。レナードが網膜剥離で引退の危機(ハーンズ戦の前から目を痛めていた、という。スパーリングでヒジが目に当たったのが原因)。「トミー・ハーンズの前半生」(ハグラーのミドル級王座に挑戦する予定のヒットマン・ハーンズ。レナードと再戦するためにはミドル級王座が必要、と信じている。少年時代、アマチュア時代、ウェルター級での快進撃、について)。梶間正夫の「世界リング万華鏡17」は「ちょっと変わった話3」(「プロ入りを断った有望株」「黒人の英雄ジャック・ジョンソンが恐れた人物」「不意打ちで王座を失った男の凄まじい復讐」「ベニー・レナードとの契約を安く買ったマネージャー」のエピソード)。「ダイジェスト」では期待の新人を紹介(ジョニー・バンフスやトニー・タッカーら。世界王者になった選手もいれば問題を起こした選手も)。「世界のトップボクサー紹介」は「レイ・マンシーニ」「白仁鉄」。WBA世界ライト級王者マンシーニは「父の夢」を実現した男。白はKO率100%のOPBF・Jミドル級王者(後にWBA世界S・ミドル級王者に)。「世界L・ヘビー級の歴史」(初代王者ジャック・ルートからマイケル・スピンクスまでを紹介する記事。「ミドルではデカいけどヘビーでは小さい選手」のために作られた階級。ヘビー級に挑戦した選手についても書かれています)。カラー写真、「ハーンズの前半生」、「万華鏡」、「世界L・ヘビー級の歴史」に特に注目の一冊です。
ボクシングマガジン1982年8月号
(コメント)
カラーポスターはラファエル・リモン。「ホームズ vs. クーニー」、ウイルフレド・ゴメス、「ナバレッテ vs. リモン」の貴重なカラー写真。亀田は残念な結果(あのプライヤーと試合しただけでも貴重)。「照 vs. ベヒネス」のレポート(若くして亡くなったベヒネスの勇姿)。「ホームズ vs. クーニー」のレポート(試合内容、興行のスケール、について)。「ドワイト・ブラクストンの栄光」(WBC世界L・ヘビー級王者。強盗で五年の服役。タイトルを獲った試合や服役中のことを振り返る記事)。梶間正夫の「世界リング万華鏡18」は「ちょっと変わった話4」(「かなりの倹約家だったロッキー・マルシアノ」「ジョー・ルイスのトレーニングキャンプ」「ジョー・ルイスとシュガーレイ・ロビンソンの出会い」「ベニー・レナードの初めての15回戦」のエピソード)「世界のトップボクサー紹介」は「サントス・ラシアル」「金得九」。WBA世界フライ級王座を奪回したラシアル。決め手に欠ける選手であるため王座は安泰ではない、とある(後に日本でも防衛成功。WBC世界J・バンタム級タイトルを獲得し、二階級制覇)。金はWBA2位のOPBFライト級王者(後にボクシング界に大きな影響を与えるKO負けを喫した)。「世界J・フライ級、J・バンタム級、J・フェザー級の歴史」(ジュニアクラスのせいで2流、3流の王者が増えた、という批判もある階級。王座の流れを紹介する記事)。カラーポスター、試合の貴重な写真、ドワイト・ブラクストン、「万華鏡」、「世界J・フライ級、J・バンタム級、J・フェザー級の歴史」に特に注目の一冊です。
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ボクシングマガジン1982年9月号
(コメント)
カラーポスターはアーロン・プライアー。トーマス・ハーンズのカラー写真がカッコいい。サンチェスの写真もカッコいいが、これが最後の試合となった。アルゲリョに倒されたルーニーは後にマイク・タイソンのトレーナーになったことでおなじみ。WBA王者とWBC王者を比較する記事(統一戦をやったら、という予想。実現したのもあれば、そうでないものも)。「チャンドラーの半生」(WBA世界バンタム級王者、ジェフ・チャンドラー。ボクサーになる前(スラム街で育ったがマジメな青年だった、とか)、女マネージャー(ベッキー)との出会い、目標はWBC王者ピントールとの統一戦(実現しなかった))。梶間正夫の「世界リング万華鏡19」は「ちょっと変わった話5」(「鼻が弱点だったロッキー・マルシアノ」「シュガーレイ・ロビンソンの派手な暮らしぶり」「脚を痛めてしまったテッディ・ヤロズ」のエピソード)。ポーン・キングピッチ死去の記事(戦績やマネージャーの影響、など。「ポーン・キングピッチ」は本名ではなく、「キングピッチ」は「キングペッチ」と読むのが正しいそうな)。「世界のトップボクサー紹介」は「レオ・クルス」「黄俊錫」。クルスはWBA世界J・フェザー級王者。元世界ライト級王者だったカルロス・テオ・クルスの弟。「小型ケン・ノートン」って感じの体格、とのこと。黄俊錫は番狂わせでOPBFウェルター級王者になった男(後にドナルド・カリーらと世界戦をやるが世界は獲れなかった)。「世界J・ライト級、J・ウェルター級の歴史」(ワケありな経緯で作られたJ・ライト級。26年間世界王座が空位だったことも。J・ウェルター級の初代世界王者は投票で決定された。トニー・カンゾネリ、バーニー・ロスは他の階級の王座を保持しながら防衛戦。11年間王座が空位の状態が続いて消滅したことも)。ハーンズ、サンチェスのカラー写真、「チャンドラーの半生」、「万華鏡」、「世界J・ライト級、J・ウェルター級の歴史」に特に注目の一冊です。
ボクシングマガジン1982年10月号
(コメント)
カラーポスターはサルバドル・サンチェス。サントス・ラシアル、マイク・ウィーバーのカラー写真が珍しい(昔の海外のボクシング雑誌はモノクロのページが多かった。カラーはスター選手のポスターや表紙ぐらいのものだった)。ゴメスが16連続KO防衛。ロベルト・デュランはカークランド・レインに不覚。「サンチェス追悼」(事故で亡くなったサンチェス。過去の試合をモノクロ写真で振り返る。ソニー・リストンら若くして亡くなったボクサーについての記事も載っています)。「今月のBOXER」に尾崎富士男(日本ライト級王者。後にマーロン・スターリング、マーク・ブリーランドの世界ウェルター級王座に挑戦)。「レイ・マンシーニ物語」(父レニー、ボクサーになる前のエピソード、マネージャー、素顔、について)。梶間正夫の「世界リング万華鏡20」は「ちょっと変わった話6」(「試合前に緊張しすぎて負けたボクサー」「大変な増量(減量ではなくて)をして三階級制覇を目指したヘンリー・アームストロング」のエピソード)。「世界のトップボクサー紹介」は「レロイ・ヘイリー」「ST・ゴードン」。ヘイリーはWBC世界J・ウェルター級王者。ファイタータイプだがパンチ力はない、とのこと。ゴードンはWBC世界クルーザー級王者。ガッチリした体型のファイター。パッとしない存在だったがクルーザー級が創設されて一気に王座へ。「世界J・ミドル級の歴史」(ニノ・ベンベヌチ、フレディ・リトル、輪島功一ら。王座の交代劇を書いた記事)。「ジャック・デンプシー自伝1」(サッパリ売れないボクサーだった頃のエピソード。ジャック・カーンズがマネージャーになった経緯など)。サンチェスのカラー写真、レイ・マンシーニ、「万華鏡」、「世界J・ミドル級の歴史」、デンプシーに特に注目の一冊です。
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ボクシングマガジン1982年11月号
(コメント)
「サパタ vs. 張」「リモン vs. 崔」のカラー写真が迫力。「ピントール vs. ルハン」はノンタイトル戦ながらカラー写真入りレポート。「ミランダ vs. ラポルテ」「スピンクス vs. デービス」はモノクロでも迫力(カラーで見たかった)。「アルゲリョ、四階級制覇なるか!?」(プライアーに挑戦するアレクシス・アルゲリョ。両者の軌跡、ソウル・マンビーら関係者による予想)。「レイ・アーセル物語」(世界王者を17人育てた男。エザート・チャールズ、トニー・ゼール、ジョー・ルイス、ロベルト・デュランらとの思い出、失敗談、など)。梶間正夫の「世界リング万華鏡21」は「ちょっと変わった話7」(「大試合を前に緊張するジェス・ウィラードとジーン・タニー」「女性にモテたマックス・ベア」のエピソード)。「世界のトップボクサー紹介」は「ジェームス・グリーン」「カオサイ・ギャラクシー」。グリーンはWBA世界ミドル級8位のタフな岩石男。ただし、パンチのキレに欠ける、とのこと。WBC世界J・バンタム級10位のカオサイ。本誌には「ガラクシイ」とある。その後の怪物ぶりは皆さんご存じ。「ダイジェスト」は「フィリピン人ボクサー」について(韓国で負け続けるフィリピン人選手たちを嘆く記事。ボビー・ベルナに期待する、とある(現在、韓国ボクシング界は低迷し、フィリピン人ボクサーたちは「マニー・パッキャオに続け」とばかりに世界の舞台で活躍中)。「ジャック・デンプシー自伝2」(ガンボート・スミス、カール・モリス、ビル・ブレナンらとの試合、18秒で勝った試合、ジェス・ウィラード戦の前のエピソード、など)。カラー写真、レイ・アーセル、「万華鏡」、カオサイ・ギャラクシー、「ジャック・デンプシー自伝2」に特に注目の一冊です。
ボクシングマガジン1982年12月号
(コメント)
カラーポスターはエウセビオ・ペドロサ。イタリアで行われたハグラーの防衛戦はカラーで4ページ(迫力)。「今は昔」(西出健一のレポート。低迷するメキシコボクシング界。サンチェスの事故死、メキシコのインフレ、有望な若手の不在、などが背景)。「ラリー・ホームズの半生」(少年時代、性格、他の選手への評価、など。「王者として評価されなくても構わない」「マイク・ウィーバーはダメになっていくだろう」などと発言)。梶間正夫の「世界リング万華鏡22」は「ちょっと変わった話8」(「迷信に取り憑かれたボクサーたち」「ダブルノックダウンで対処に困ったレフェリー」「ボクシング関係者の行きつけの店」「ジャージー・ジョー・ウォルコットとマルシアノの試合」のエピソード)。「世界のトップボクサー紹介」は「ヘクター・カマチョ」「ホセ・カバ」。カマチョは17戦全勝(10KO)の若手ホープ。後の活躍はおなじみ。カバはフェザー級。来日してKO勝利した過去。スピードが落ちている、とのこと。「ジャック・デンプシー自伝3」(ジェス・ウィラード戦のエピソード。会場が満員にならなかったこと、ウィラードがかなりのダメージを負ったこと、試合後のトラブル、防衛戦、について)。「モハメド・アリの本」(「カシアス・クレイ」「世界最強の男」など。アリのエピソードが書かれた本を紹介する記事。ファンなら一冊は持っておきたいところ。私は「モハメド・アリの道」「モハメド・アリ その生と時代」を持っています)。ハグラーのカラー写真、ラリー・ホームズ、「万華鏡」、「ジャック・デンプシー自伝3」に特に注目の一冊です。
雑誌の紹介:ボクシングマガジン1983年1月号~6月号
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