2021年12月11日土曜日

雑誌の紹介:ボクシングマガジン1982年1月号~6月号「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

貴重な写真が満載の雑誌。「ベニテス vs. デュラン」など「雑誌の内容についての個人的な解説」「雑誌で紹介された選手のその後」を書いています。

ボクシングマガジン1982年1月号

(コメント)

カラー特集は三原正がWBA世界J・ミドル級タイトルを獲った試合(前号では「特報」だったためモノクロで掲載)。ラリー・ホームズ、アレクシス・アルゲリョ、ジャッカルの激闘の写真はかなりの迫力。モノクログラビアの世界戦の写真もいいのが多い(あのジョー・フレージャーのカムバック戦の写真は寂しい感じ)。三原正と輪島功一の対談(新王者を讃える輪島。「15R戦う心構え」などを語る)。特集で「マービン・ハグラーの軌跡」(経歴、強すぎて世界に挑戦できない状態が続いたこと、など)。原功がアメリカのボクサー、池田博人がタイのボクシングをリポート(現地からの貴重な情報)。「アンラッキーブルース」は「高山一夫」の話(伝説のデビー・ムーア戦の詳しいエピソード)。梶間正夫の「世界リング万華鏡13」は「ルイス・フィルポ」(ジャック・デンプシーをリング外に叩き出して名を上げた男。経歴、デンプシーとの試合のエピソード、ほか)。ジョー小泉がWBAのサンチェス会長とコルドバにインタビュー(パナマ出身の二人がパナマのボクシング事情を語る。WBAとWBCの統一は難しい、とも)。「世界のトップボクサー紹介」は「ドワイト・ブラクストン」「黄忠載」。マシュー・サァドのWBC世界L・ヘビー級王座を狙うブラクストンは刑務所出身。黄忠載は全勝のOPBFウェルター級王者でセンサク・ムアンスリンにも勝ったことがある。シュガー・レイ・レナードへの挑戦を狙えるポジション(黄俊錫に敗れ、結局世界挑戦ならず。黄俊錫はドナルド・カリーとWBA世界ウェルター級王座決定戦で戦い、敗北)。「世界フライ級の歴史」(初代王者ジミー・ワイルドを始めとする王者たちを紹介する記事。大場などの日本のフライ級選手の情報も)。カラーページが増えたボクシングマガジン。特に世界的スターのカラー写真が貴重。輪島、WBA幹部のトークにも注目の一冊です。

雑誌の紹介:ボクシングマガジン1982年1月号~6月号「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ボクシングマガジン1982年2月号

(コメント)

カラーポスターは渡嘉敷と具志堅(対談もあり)。村田、友成は残念な結果。RING誌のベルト授賞式に列席したアルゲリョ、プライアー、ハグラー、チャンドラー、レナード、(ウィルフレド)ゴメスの写真がカッコいい。モハメド・アリのラストファイトの写真(アリの顔が迫力。試合内容はどうだったか?)。特集で「アーロン・プライアーの軌跡」(アマチュアでの立派な経歴、次の標的はレナード、など)。「アンラッキーブルース」は「高山勝義」の話(32連勝を記録したフライ級ボクサー。現世界王者に勝ちながら無冠に終わったキャリア、などについて)。梶間正夫の「世界リング万華鏡13」は「ジャック・ブリットン」(世界ウェルター級タイトルを長く防衛した人気者。ベニー・レナードとの試合、マネージャーの秘策、ライバルのテッド・キッド・ルイスとの試合、について)。「ダイジェスト」の「アメリカボクシング事情」(アメリカボクシング界を支配するドン・キングとボブ・アラム。彼らと「ボクシング界の公正さ」に関する記事)。「世界のトップボクサー紹介」は「トニー・アヤラJr」「エドウィン・ロサリオ」。アヤラは三原正のWBAタイトルを狙うポジション。ディフェンスが甘い、とのこと。強打者ロサリオ。この当時はJ・ライトまたはフェザーの世界ランカー。後の活躍ぶりはおなじみ。「世界ミドル級の歴史」(初代王者ノンパレル・ジャック・デンプシーを始めとする名王者たちを紹介する記事。現王者ハグラーを狙う選手も紹介されています。ドワイト・ダビソンなど)。アリのラストファイトの写真(カラーで見たかった)、高山勝義、「アメリカボクシング事情」「世界ミドル級の歴史」に特に注目の一冊です。

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ボクシングマガジン1982年3月号

(コメント)

カラーポスターはジェフ・チャンドラー。三原は残念な結果に。「ベニテス vs. デュラン」はモノクロでのレポート(カラーじゃないのが少し寂しい)。アルツロ・フリアスはアル・パチーノ風の顔立ち。「今月のスポット」に「子供に殴られるガッツ石松」の写真が(サービス精神あふれるガッツ)。「82年、期待の新鋭」の記事(ジョーイ・オリボ、バーナード・テーラー、ドナルド・カリー、ミルトン・マックローリー、トニー・タッカーら当時の注目株が紹介されています)。マイケル・スピンクスの記事(アマチュア時代、兄レオンとの関係、エディ・ムスタファへの怒り、など)。「アンラッキーブルース」は「桜井孝雄」の話(東京オリンピック金メダリスト。アマチュア時代の話、22戦全勝で世界王者ライオネル・ローズに挑戦した話、「怪物」ルーベン・オリバレスと戦った話、など)。梶間正夫の「世界リング万華鏡14」は「マヌエル・オルチス」(「史上最強のバンタム」と呼ばれた男。当時のバンタム級は層が厚かったこと、ライバルのカルロス・シャベスとの試合、浪費癖と病気、について)。「ダイジェスト」の「アメリカボクシング事情(前号の続き)」(アメリカボクシング界を支配するドン・キングとボブ・アラム。彼らに批判的な人たちの意見が載っている記事)。「世界のトップボクサー紹介」は「マリオ・ミランダ」「ブルース・フィンチ」。ミランダはWBC世界フェザー級1位のコロンビア人。快進撃で世界獲りが期待されている長身選手(後にマルコス・ビジャサナをTKOで下すが、WBC世界フェザー級王座決定戦でファン・ラポルテに判定負け)。フィンチは北米ウェルター級王者。トーマス・ハーンズにKOされた過去があり。シュガー・レイ・レナードの世界王座に挑戦する予定(結果は?)。「世界ライト級の歴史」(初代王者キッド・レービンを始めとする名王者たちを紹介する記事。ロベルト・デュランとエステバン・デ・ヘススのライバル物語の記事も)。世界戦の写真、スピンクス、桜井孝雄、オルチスのエピソード、「世界ライト級の歴史」に特に注目の一冊です。

雑誌の紹介:ボクシングマガジン1982年1月号~6月号「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ボクシングマガジン1982年4月号

(コメント)

カラーポスターはウィルフレド・ベニテス。前号ではモノクロだった「ベニテス vs. デュラン」のレポートがカラー。新設されたWBA世界J・ヘビー級タイトルの決定戦(オカシオがパンチをかわしている写真が一枚だけ。ジャッジとして南アフリカに滞在した柏木良治のレポートにも注目)。赤井英和は9連続KO勝ち。「今月のBOXER」に「浜田剛」(憧れのボクサーはロベルトデュラン、など)。ロイヤル小林が現役時代を振り返る記事(アルゲリョ戦の思い出、など)。「アンラッキーブルース」は「関光徳」の話(少年時代、シュガー・ラモスやビセンテ・サルジバルと戦った話、など)。梶間正夫の「世界リング万華鏡」は「トミー・バーンズ」(ジャック・ジョンソンにベルトを奪われた男。ジョンソン戦の真相、少年時代の苦労、対戦相手が死にかけたこと、タイトル防衛戦、について)。「世界のトップボクサー紹介」は「クロンクジムのホープたち」(おなじみトーマス・ハーンズや当時の有望株。ミドル級のミッキー・グッドウィンはハグラーに挑戦する予定(実際は練習中に拳を負傷。代役でケイブマン・リーが挑戦。グッドウィンは結局一度も世界挑戦できなかった))。「世界ヘビー級の歴史」(初代王者ジョン・L・サリバンからマイク・ウィーバーまでを紹介する記事。とても良い資料)。世界戦の写真、関光徳のエピソード、クロンクジム、「世界ヘビー級の歴史」に特に注目の一冊です。

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ボクシングマガジン1982年5月号

(コメント)

カラーポスターはラリー・ホームズ。渡嘉敷は微妙な判定防衛。渡辺が世界獲得(「渡辺時代」の始まり)。ハーンズ、アルゲリョのカラー写真もカッコいい。ハグラーが秒殺で防衛。アントニオ・アベラルがダウンしている写真は妙におかしい(うつぶせで首を鍛えているみたいな感じ)。ベルト姿がカッコいいチャンドラー。「今月のBOXER」に「赤井英和」(浜田剛と戦いたい、とか)。前号に続いてロイヤル小林が現役時代を振り返る記事(ウィルフレド・ゴメス、エウセビオ・ペドロサ戦の思い出、など)。フィリピンのボクシング事情の記事(コミッションなどの団体、ローランド・ナバレッテについて)。梶間正夫の「世界リング万華鏡15」は「ちょっと変わった話1」(「ジョー・ルイスが買った土地」「チャンピオンが負ける縁起が悪い試合会場」「フランスの英雄ジョルジュ・カルパンチェと有望選手アンドレ・ラングレの話」「ボクシングが禁止されていた時代」のエピソード)。「世界のトップボクサー紹介」は「チャーリー・ウェア」「ドナルド・カリー」。ウェアはデビー・ムーアのWBA世界J・ミドル級タイトルを狙う南アフリカの選手(結果は?)。カリーはこの記事の時点で10連勝(世界ランクにはまだ入っていない)。アマ時代の経歴、ボブ・アラムのカリー評が載っています。「ダイジェスト」にプルデンシオ・カルドナ(負けながら強くなった男)。「ウィルフレド・ベニテスの軌跡」(父親がボクシング好きだった話、エステバン・デ・ヘススとの関係、年齢を偽って16歳で試合をした話、練習嫌いになっていった経緯、など)。「世界ウェルター級の歴史」(初代王者ミステリアス・ビリー・スミスからシュガー・レイ・レナードまでを紹介する記事。次期王者候補としてマーロン・スターリング、ミルトン・マクローリーら)。スター選手の写真、ロイヤル小林、ベニテスのエピソード、「万華鏡」、「世界ウェルター級の歴史」に特に注目の一冊です。

雑誌の紹介:ボクシングマガジン1982年1月号~6月号「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ボクシングマガジン1982年6月号

(コメント)

カラーポスターはルペ・ピントール。ウィルフレド・ゴメスの顔写真は人相悪すぎ。ムーアの防衛戦記事はモノクロながら4ページに渡る。赤井英和は10連続KO。王座に返り咲いたスパイダー根本は片岡鶴太郎に似ている。友利と輪島の対談(友利の顔がカッコいいことにむくれる輪島、ウルスアのパンチがとても強かった話、減量の話、ほか)。「アレクシス・アルゲリョの軌跡」(ニカラグア大地震の話、ルーベン・オリバレス戦の話、ロベルト・デュランとの因縁、など)。前号の「WBA世界J・ウェルター級タイトルマッチ:アーロン・プライヤー vs. ミゲル・モンチラ」にジャッジとしてニュージャージー州に滞在した柏木良治のレポート(試合内容、元ヘビー級王者ジョー・ウォルコットが会場にいたこと、など)。前号に続いてロイヤル小林が現役時代を振り返る記事(ボクサーになる前のこと、忍耐の重要さ、など)。梶間正夫の「世界リング万華鏡16」は「ちょっと変わった話2」(「無名時代のジャック・デンプシーの逸話」「スパーリング・パートナーが強くなってかつての雇い主にチャレンジした話」「ミッキー・ウォーカーが泥酔して試合をした話」)。「ダイジェスト」は「WBAルール」(ルール違反があったとしてWBAと南アフリカ、ボブ・アラムの関係を糾弾する記事)と「アート・フリアス」(元世界ライト級王者マンド・ラモスに憧れてプロ転向。幸運をモノにしてWBA世界ライト級王者に)。「世界のトップボクサー紹介」は「ランドール・コッブ」「チャン・スンヒュン」。コッブはヘビー級の世界ランカー。映画にも出演し、マイク・ウィーバーの世界王座に挑戦する予定のタフガイ(実際にはラリー・ホームズに挑戦。結構有名な映画にも出演した。エディ・マーフィ『ゴールデン・チャイルド』、ジム・キャリー『エース・ベンチュラ』ほか)。チャンはJ・フェザー級の世界ランカー。日本人を倒しまくり、三度目の世界挑戦を目指す状況(レオ・クルスに判定負けして世界王座獲得ならず。その試合で引退)。「世界フェザー級の歴史」(初代王者ジョージ・ディクソンからサルバドル・サンチェスまでを紹介する記事。次期王者候補としてエドウィン・ロサリオ、ジャッキー・ベアードら)。友利正、スター選手の写真、ロイヤル小林、「WBAルール」、「万華鏡」、「世界フェザー級の歴史」に特に注目の一冊です。 

雑誌の紹介:ボクシングマガジン1982年7月号~12月号

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