貴重な写真が満載の雑誌。「アユブ・カルレ vs. シュガー・レイ・レナード」など「雑誌の内容についての個人的な解説」「雑誌で紹介された選手のその後」。
ボクシングマガジン1981年7月号
(コメント)
カラーポスターがマシュー・サアド・ムハマド(チャンピオンベルトにも注目)。白井義男と村田英次郎の対談(悔いの残る試合をやったことを反省する村田。白井も現役時代に満足した試合はほとんどない、とか)。クーニーとベニテスの試合レポート(ベニテスが三階級制覇の偉業達成。でもカラーじゃなくてモノクロでの紹介)は写真が迫力(カラーで見たかった)。トミーズ雅が日本J・ミドル級タイトルに挑戦した記事も載っています。「アンラッキーブルース」は「矢尾板貞雄」の話(パスカル・ペレス戦の内容、ポーン・キングピッチ戦を辞退して引退したエピソードが詳しく載っています)。梶間正夫の「世界リング万華鏡7」は「エース・ハドキンス」(出場禁止処分を受けたほどのラフファイター。迫力のある顔写真、兄弟がマネージやセコンドをやった話、当時のホープをKOした話、体重が増え続けた話、など)。浪越徳治郎がモハメド・アリに指圧する写真がユーモラス(55ページ。その時のエピソードも楽しい)。「世界のトップボクサー紹介」はハイメ・ガルサ。WBC19位のJ・フェザー級。ハードパンチャーで世界獲りを期待されている状況(後に王者に)。経歴や彼の兄弟の話も載っています。試合レポート(特に写真)、「アンラッキーブルース」に特に注目の一冊です。
ボクシングマガジン1981年8月号
(コメント)
カラーポスターはレナードとハーンズの世界戦。特集は「世界を目指すハリケーンテル」(エピソードが豊富な記事)。モノクロの世界戦レポートはラリー・ホームズ、マービン・ハグラーの防衛戦(カラーじゃないのが残念)。アルゲリョの三階級制覇は地味な扱い(と思ったら、ベニテスの三階級制覇と並んで特集(74、75ページ))。輪島功一と亀田昭雄の対談(プライヤーとブラックモアの試合を観戦した亀田が感想を語り、輪島がよくわからない冗談を入れながら亀田を励ます内容。亀田が輪島のことを「輪島先生」と呼んでいるのが個人的に気になった。格闘技の世界では「先生」と呼ぶのが常識なのかな?)。「アンラッキーブルース」は「米倉健司」の話(経歴と目を痛めたエピソードが詳しく載っています)。梶間正夫の「世界リング万華鏡8」は「パオリノ・ウスクダン」(バスク地方出身のタフガイ。左腕がケガで不自由だった話、マックス・ベア、プリモ・カルネラ、ジョー・ルイスとの試合のエピソード、など)。「世界のトップボクサー紹介」は「ミルトン・マクローリー」「ジョニー・バンフス」。「ハーンズ2世」のマクローリー。アマ時代に日本に来たこともあるとか。デトロイトのファンから期待されている存在(後にWBC世界ウェルター級タイトルを獲得)。バンフスはアメリカが参加しなかったモスクワオリンピックで金メダルが期待されていた男。ボブ・アラムは彼をレナード以上の選手だと絶賛(後にWBA世界J・ウェルター級タイトルを獲得したが・・・)。レナードとハーンズのカラー写真、米倉健司のエピソードに特に注目の一冊です。
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ボクシングマガジン1981年9月号
(コメント)
カラーポスターはハリケーンテルと村田英次郎。カラーページは「具志堅引退と全世界戦」「ルペ・ピントールの防衛戦」「アルゲリョ、ベニテス、スライマン会長の写真」。特集記事は「レナード vs. ハーンズ」戦の予想(両選手による相手に対する評価、も)。モノクログラビアの注目はマイケル・スピンクスが初めて世界王者になった試合のレポート(スピンクスが後にヘビー級でビッグファイトに出場することになるとは誰が予想しただろう?)。「アンラッキーブルース」は「ムサシ中野」の話(「12連続KO」の男。経歴、アーニー・ロペスとの試合、目を痛めたエピソード、が詳しく載っています)。梶間正夫の「世界リング万華鏡9」は「メリオ・ベッチナ」(L・ヘビー級の実力者。試合中にマネージャーから催眠術をかけられた話、不景気や第二次大戦で苦労した話、引退後のエピソード、など)。「世界のトップボクサー紹介」は「ルイス・イバラ」「マイケル・ドークス」。イバラはラシアルを破って王座を奪回したパナマの選手。金泰式にKOされたこともあるため、「王座は安泰ではない」と記事にある。ドークスは「ホームズの後継者」とある。アマチュアでは優秀だったが、プロではパワー不足、というのがこの記事の当時の評価(後にWBA世界ヘビー級王座を獲得)。「具志堅引退」が日本のファンにとっては寂しい一冊。「レナード vs. ハーンズ」戦の予想、「ムサシ中野」のエピソードに注目です。
ボクシングマガジン1981年10月号
(コメント)
歴史的な伝説の試合「サンチェス vs. ゴメス」がカラーで載っている一冊(試合内容はモノクログラビアでも紹介されています。カラーポスターもこの試合)。試合前の表情、ラリー・ホームズやジョー・フレージャーの写真も載っています。「エドワーズ vs. ナバレッテ」戦の写真は衝撃的(カラーで見たかった)。「アンラッキーブルース」は「ライオン古山」の話(強打者。僅差での敗北に終わった三度の世界挑戦のエピソードが詳しく載っています)。梶間正夫の「世界リング万華鏡10」は「バトリング・ネルスン」(デンマーク出身の世界ライト級王者。ジョー・ガンスと42ラウンド戦った試合、王座を失った後も精力的に試合をこなしたエピソード、など)。「ダイジェスト」にはエディ・ムスタファ・モハマッドが減量苦でマイケル・スピンクスに王座を奪われた話。「世界のトップボクサー紹介」は「ジェームス・クイック・ティリス」「アレクス・ラモス」。ティリスは全勝のヘビー級世界ランカー。デビュー当初に早いラウンドでのKO勝ちが多かったことから「クイック」と呼ばれるようになったとか。スタミナが課題、とのこと。マイク・ウィーバーに挑戦する予定(結果は?)。ラモスは世界獲りが期待されている全勝のミドル級。アマチュアで優秀な成績。プロでのその後の活躍は?
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ボクシングマガジン1981年11月号
(コメント)
カラーページとカラーポスターは「レナード vs. ハーンズ」「ピントール vs. 照」(モノクログラビアでも二試合の詳しい話が載っています。ジョー小泉の「ボクシング・アラカルト」も「レナード vs. ハーンズ」の分析)。注目の「ウィーバー vs. ティリス」は「全くの凡戦」だったそうな。「クロード・ノエルの王座奪取」の記事は写真が一枚だけの寂しい扱い。「アンラッキーブルース」は「龍反町」の話(経歴と三度の世界挑戦のエピソードが詳しく載っています)。梶間正夫の「世界リング万華鏡11」は「シュガー・ラモス」(日本でも試合をしたことがあるキューバ出身の世界フェザー級王者。革命で家族と別れた話、対戦相手が死亡した話、など)。「ダイジェスト」は「サルバドル・サンチェス vs. ウイルフレド・ゴメス」を振り返る記事、L・ヘビー級王者マイケル・スピンクスの紹介記事。「世界のトップボクサー紹介」は「朴鐘八」「ヴィチット・ムアングロイエト」。OPBFミドル級王者の朴は連続KO防衛のハードパンチャーでWBA1位。ハグラーへの挑戦を希望している、とか。WBAのJ・フェザー級1位のヴィチット。アマチュア、プロで無敗。「疑惑の判定」で勝ち進んできた怪しい男、らしい。セルヒオ・パルマに挑戦(結果は?)。「レナード vs. ハーンズ」レポート、「龍反町」「シュガー・ラモス」のエピソードに特に注目の一冊です。
ボクシングマガジン1981年12月号
(コメント)
カラーポスターはアーロン・プライアー、ピピノ・クエバス、ロベルト・デュラン(一枚に三人。でもカッコいい)。ミドル級の柴田の写真(プロレスの蝶野に似ている)。シュガー・レイ・レナードの記事(ハーンズとの大一番を制したレナードの軌跡。最終的な目標は「史上初の四階級制覇」だとか)。西出健一のメキシコボクシングのリポート(「ボクサーの待遇」について)。三原正がWBA世界J・ミドル級タイトルを獲った試合はモノクロで掲載。梶間正夫の「世界リング万華鏡12」は「ポール・ペンダー」(コブシを痛めて引退とカムバックを繰り返した末に世界ミドル級王者になった選手。シュガーレイ・ロビンソンとの試合のエピソード、など)。「アンラッキーブルース」は「川上林成」の話(子供の頃から働いて頑丈な体を作り、プロでは華々しい活躍。後の世界王者をKO。しかし骨折と減量苦に悩まされる・・・)。「世界のトップボクサー紹介」は「ロベルト・エリゾンド」「崔忠日」。エリゾンドはボディ打ちが得意なライト級世界ランカー。アルゲリョのWBCタイトルへの挑戦を希望。崔はWBC世界ライト級1位。ローランド・ナバレッテが持つ世界タイトルへの挑戦が決定(結果は?)。「世界バンタム級の歴史」。初代王者ジョージ・ディクソンから始まったタイトル。名王者が紹介されている良い資料。カラーポスター、川上林成のエピソード、「世界バンタム級の歴史」に特に注目の一冊です。
雑誌の紹介:ボクシングマガジン1982年1月号~6月号
この年の10月号からボクシングマガジンを買い始めました。ゴメスVSサンチェスもすごかったですが「アンラッキーブルース」に引き込まれました。
返信削除今回、アンラッキーブルースの登場ボクサーを検索していてこちらに来ました。
本の内容が詳しく書かれていて助かりました。
コメントありがとうございます。私が初めて買ったマガジンは「1988年12月号(レナードが五階級制覇)」でした。それ以前のものはヤフオクで入手したものです。ボクシングファンとしては「ひおどし」さんの方がずっと先輩ですね。マガジンはボクサーや試合に関するエピソードが豊富ですが、いわゆる「無断転載」を避けるため、雑誌の内容についてはメモ書き程度のことしかブログに書けないのが(少し)残念です。これからもこのブログをよろしくお願いします。
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