2021年5月26日水曜日

アルベルト・ヒメネス(Alberto Jimenez)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

WBO世界フライ級王者。回転の速い連打。ムアンチャイ・キティカセム戦、ジェイク・マトララ戦、カルロス・サラサール戦(初戦)ほかを紹介します。

アルベルト・ヒメネス(Alberto Jimenez)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

アルベルト・ヒメネス(メキシコ)

身長157cm:オーソドックス(右構え)

ムアンチャイ・キティカセム 12R 判定 アルベルト・ヒメネス

(WBC世界フライ級タイトル戦、1991年)

ヒメネス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

ムアンチャイ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

3R:右ストレートでムアンチャイがダウン

(感想:ムアンチャイがタイトル防衛。メキシコシティ出身のヒメネス。ニックネームは「Raton(ハツカネズミ)」(どういう由来?)。デビュー当初に反則負けと引き分けが一つずつ。パワーがあり、KO勝ちが多い。実力者ウィリー・サラサールに勝利、メキシコ王座(フライ級)獲得、といった実績で、WBC5位。王者ムアンチャイはタイ人。元IBF世界J・フライ級王者でもあり、マイケル・カルバハルとの試合でアメリカでも知られているファイタータイプ。これが二度目の防衛戦。初防衛戦では張正九を最終ラウンドに逆転KO(軽量級の歴史に残る名勝負となった)。共にジャブ、ストレートが武器。どんな試合となるか?  バンコクで行われた試合。攻めるヒメネス、足を使ってジャブを打つムアンチャイ。3R、右ストレートでグラついたムアンチャイ。さらに右ストレートを合わせるように当てられてダウン。その後、打ち合いではヒメネスの方が強いため、ムアンチャイはジャブ、ストレートでカウンターを取る作戦。判定は2-0。ムアンチャイがスピードで勝利。打たれ弱さを見せたが、うまく逃げ切った。パワーがあったヒメネス。パワーを込める選手はその分、攻撃の間が空くことが多い。その後、ムアンチャイは前王者ソット・チタラダを返り討ちにして三度目の防衛戦に成功したが、四度目の相手ユーリ・アルバチャコフに日本でKO負け。タイで行った再戦もKO負け。それが事実上のラストファイトとなった。)


アルベルト・ヒメネス 8R KO ジェイク・マトララ

(WBO世界フライ級タイトル戦、1995年)

ヒメネス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

マトララ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

8R:連打でマトララがダウン

(感想:ヒメネスがタイトル獲得。ムアンチャイ戦後、連勝のヒメネスだったが、マーク・ジョンソンに2-1で敗北、アーサー・ジョンソンに2-1の判定勝ち。これまで27勝(23KO)3敗2分、25歳。二度目の世界挑戦。王者マトララ(34歳)は南アフリカの選手(スキンヘッドで、見た目が「小型マービン・ハグラー」といった印象)。身長148cmで実に小さいがパワフルで経験豊富。南アフリカで行われた試合。ヒメネスが速いジャブとフック連打。手数が多い。マトララもディフェンスと連打。共に連打を使うが、パンチの回転はヒメネスの方が上。8R、連打でマトララがダウン。ダウンと同時にレフェリーストップ。ヒメネスがついに世界王者に。マトララはタフだったが、連打の回転力で屈服させた。負けたマトララも後、マイケル・カルバハルに勝利したり、マイナー団体の世界王座を獲得するなどの活躍を見せた。)


アルベルト・ヒメネス 5R TKO ミゲル・マルチネス

(WBO世界フライ級タイトル戦、1996年)

ヒメネス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

マルチネス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

2R:ワンツー、左フックで2度、マルチネスがダウン

3R:右フックでマルチネスがダウン

5R:右ストレート、左フックで2度、マルチネスがダウン

(感想:ヒメネスがタイトル防衛。三度目の防衛戦。挑戦者マルチネスもメキシカン。経験豊富で現在、WBO9位。デビュー当初、後の世界王者ジョニー・タピア、ジョン・マイケル・ジョンソンにKO負け。その後、連勝で北米フライ級王座獲得。しかし、その次の試合でKO負け。ピチット・シスバンプラチャンのIBF世界フライ級王座に挑戦してKO負け。メキシコ王座(フライ級)獲得。ダニー・ロメロのIBF世界フライ級王座に挑戦してKO負け。再起戦に勝利して、このヒメネスへの挑戦。これが三度目の世界挑戦となるが、打たれ弱さが気になるチャレンジャー。ラスベガス「シーザース・パレス」での一戦。充実しているヒメネス。リズミカルなフットワークで前進し、ジャブ、ワンツー、左フックからの右ストレート。好戦的な姿勢で、ディフェンス&タフネス。マルチネスは相手の勢いもあって押され気味。ジャブ、左フックなどで打ち返すが、左フックを1Rから打たれる。ヒメネスがガードの隙を突く右フック、右カウンター。2R、左フックからのワンツーでマルチネスがダウン。立ったマルチネスは激しく応戦するが、左フックで二度目のダウン。共に左フックが武器。しかし、パワーでヒメネス。3R、右フックでマルチネスがダウン。5R、右ストレートでマルチネスがダウン。立ち上がり反撃。しかし、左フックで倒されたところでレフェリーストップ。ヒメネスが気合いの入った試合ぶりで快勝。打たれるシーンもあったが、ディフェンス、タフネス、パワーで跳ね返した。マルチネスは何度も倒れたが、その都度打ち返してなかなかタフ。左フックに良いものがあったが、受け身でパンチが軽めだった。その後、マルチネスはWBAの地域王座を獲得するなどの活躍もあったが、キャリア終盤は連続KO負け。ヒメネス戦が最後の世界挑戦となった。)


アルベルト・ヒメネス 12R 引分 カルロス・サラサール

(WBO世界フライ級タイトル戦、1996年)

ヒメネス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

サラサール:右ジャブ、左ストレート、左右フック

(WBO世界フライ級タイトル戦、1996年)

(感想:ヒメネスがタイトル防衛。五度目の防衛戦。サウスポーの挑戦者サラサール(32歳)はアルゼンチンの選手で、元IBF世界J・バンタム級王者。日本で川島郭志の持つWBC世界J・バンタム級タイトルに挑戦したこともある(判定負け。この頃はまだパワーに目覚めていなかった)。力強いジャブとフック連打に迫力があり、同じアルゼンチンのファン・マルチン・コッジに戦闘スタイルがよく似ている。アルゼンチンで行われた試合(ヒメネスは敵地での試合が多い)。精力的に動いて前に出るヒメネス。1Rから激しい打ち合い。攻めるヒメネス、応戦するサラサール。12R終了。判定はドロー。サラサールはもったいない試合をした。勝てるだけのものを持ちながら受け身の姿勢になってしまった。ヒメネスは次の防衛戦もサラサールと行い、TKO負け。日本で川島に負けた時とは違って強さに目覚めたサラサールは強かった。ヒメネスは次の試合にも敗北し、ブランク後に二試合、そして引退。「世界王者になるのは確実」と評価された時から数年後に世界を獲ったヒメネス。ムアンチャイに負けて遠回りしたようなキャリアとなった。)

①「WBC World Flyweight Title

Muangchai Kittikasem vs Alberto Jimenez」

②「WBO World Flyweight Title

Jacob Matlala vs Alberto Jimenez」

③「WBO World Flyweight Title

Alberto Jimenez vs Miguel Martinez」

④「WBO World Flyweight Title

Alberto Jimenez vs Juan Carlos Salazar」

ムアンチャイ・キティカセム(Muangchai Kittikasem)のページ

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ジェイク・マトララ(Jacob Matlala)のページ 

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カルロス・サラサール(Carlos Salazar)のページ

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