物議を醸した反則勝ちで有名。サイモン・ブラウン戦、テリー・ノリス戦(三連戦)ほかを紹介します。「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」
ルイス・サンタナ(ドミニカ)
身長175cm:オーソドックス(右構え)
①トミー・エアーズ 4R TKO ルイス・サンタナ
(北米ウェルター級タイトル戦、1987年)
サンタナ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
エアーズ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
1R:右フックでエアーズがダウン
4R:左フックでサンタナがダウン
(感想:エアーズがタイトル獲得。これまで30勝(24KO)4敗1分のサンタナ(ドミニカ、28歳)はタフなパンチャー。ロサンゼルスでプロデビュー。連勝したこともあったが、実力者との対戦が増えるにつれて敗北もチラホラ。ミルトン・マクローリーに敗北、マニング・ギャロウェイに勝利。北米ウェルター級王座を獲得。エアーズと初防衛戦。エアーズ(23歳)はオハイオ州シンシナティのスリムな黒人で、32勝(26KO)1敗。デビューから連勝だったが、マーロン・スターリングに2-0で敗北。そこからロジャー・スタフォードらを相手に連勝。中堅どころとの試合が多いが、どんな強さを持っている男なのか? ラスベガス「Showboat Hotel & Casino」での一戦(リングアナはチャック・ハル、レフェリーはジェイ・ネイディ)。1R、共にガードを上げてジャブ。サンタナが踏み込んで右ストレート。エアーズはリズミカルに右ストレート、左フックダブル。仕掛けるサンタナ。連打からの右フックでエアーズがダウン。2Rも攻めるサンタナ。エアーズはディフェンスしながら隙を突くパンチ(ワンツー、左ボディ打ち、速い連打、ワンツーからの左ジャブ、ほか)で応戦。4R、それまでのような展開の中、ワンツーからの左フックでサンタナがダウン。立ったが、左フック、連打を浴びてレフェリーストップ。タフなサンタナはストップに不満のようだったが、打たれていたため仕方がない。エアーズが器用さで逆転勝利。やや細いパンチのような気もするが、その分、鋭さがあった(ドナルド・カリーの雰囲気)。サンタナは精力的に連打していたが、敗北。真っ直ぐ攻めるクセがあり、ガードに甘さがあった。その後のエアーズ。全米ウェルター級王座戦で判定負けして引退。ブランク後、カムバック。しかし、バディ・マクガートにTKO負け。世界挑戦は一度も無かった。)
②サイモン・ブラウン 12R 判定 ルイス・サンタナ
(IBF世界ウェルター級タイトル戦、1989年)
サンタナ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ブラウン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ブラウンがタイトル防衛。エアーズ戦後、ダーリン・バン・ホーンに敗北したサンタナ。北米王座を奪回、防衛。しかし判定で王座陥落。アーロン・デービスと空位のWBC米大陸ウェルター級王座を争って判定負け。ビンセント・ペットウェイに判定負け。これまで36勝(30KO)11敗2分。安定したキャリアではないが、王座戦や元世界王者、後に世界王者になる選手と戦って経験を積んできた。これが初の世界挑戦。30勝(23KO)1敗の王者ブラウンは当時「ウェルター級最強」と言われた男で、ボクシング関係者からの評価も高い。マサチューセッツ州スプリングフィールドでの一戦。共に振りの大きいフックで打ち合う打撃戦。左でボディを叩くブラウン。サンタナのパンチはキレはそれほどでもないが、ゴツい感じのもの。手数も多く、タフな者同士が最初から最後まで打ち合って12R終了。判定は3-0。ブラウンのジャブ、連打のスピード・パワーが評価されたと思われる。ダウンシーンは無かったが、思い切った打ち方をする者同士の打撃戦はかなり迫力があった。その後もブラウンは強打を振るい続け、WBC世界J・ミドル級王座奪取。)
③ルイス・サンタナ 5R 反則 テリー・ノリス
(WBC世界J・ミドル級タイトル戦、1994年)
サンタナ:左ジャブ、右ストレート、左フック
ノリス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
3R:左フックでノリスがダウン
(感想:サンタナがタイトル獲得。ブラウン戦後、グレンウッド・ブラウン、クリサント・エスパニャ、ビニー・パジェンザに負けて四連敗のサンタナ。その後、二連勝し、「WBCウェルター級9位」として二度目の世界挑戦。年齢は35歳。これまで38勝(29KO)15敗2分。王者ノリスはスピードで勝負するタイプ。ブラウンにKO負けして王座を失ったが、再戦に判定勝ちして王座奪回。これが初防衛戦となる。メキシコシティでの一戦。ゴツゴツしたフックを打つサンタナ。ノリスはいつものようにフットワークを使って、スピードのあるジャブ・ストレート。無器用だがタフなサンタナ。3R、右ストレートを打たれて足がフラつくノリス。左フックでダウン。4R、バッティングでサンタナが流血。5R、ロープにもたれる体勢になったサンタナの後頭部をノリスが攻撃。失神したサンタナはタンカで運び出されていった。反則勝ちでサンタナが新王者に。ラビットパンチ(後頭部打ち)を序盤からレフェリーに注意されていたノリス。彼は若手時代から反則打をやってしまう悪いクセがある。それがこういった結果をもたらした。「失神」して王者になったサンタナ。倒れる時とドクター(?)が様子を診る時に「チラッ」と目を開けた。ホントに失神?)
④ルイス・サンタナ 3R 反則 テリー・ノリス
(WBC世界J・ミドル級タイトル戦、1995年)
(ダウンシーン)
2R:右フックでサンタナがダウン
3R:右ストレートでサンタナがダウン
(感想:サンタナがタイトル防衛。ラスベガス「シーザース・パレス」での因縁の再戦。ダウンを奪い、あとはフィニッシュするだけ、の状態になったノリス。3R終了間際にサンタナに何やら注意するレフェリー。その直後、ノリスが右ストレートを打ち込み、サンタナがダウン。あわてるレフェリー。「やっちまった」といった表情のノリス。またしても反則負け。失神して運び出されるサンタナ。今度はダメージが深そう。レフェリーの不手際も感じた。)
⑤テリー・ノリス 2R KO ルイス・サンタナ
(WBC世界J・ミドル級タイトル戦、1995年)
(ダウンシーン)
2R:左フック、右ストレート、右ストレートで3度、サンタナがダウン
(感想:ノリスがタイトル奪回。ラスベガス「MGM Grand」での三戦目。反則をしないように用心しながら戦うノリス。2R、三度ダウンを奪って圧勝。チャンピオンベルトは元の持ち主のところに帰っていった。これでよかったのだ、と思う。後、ノリスは王座を防衛し続け、サンタナはブランクを作りながら数試合やって引退した。)
①「NABF Welterweight Title
Luis Santana vs. Tommy Ayers」
②「IBF World Welterweight Title
Simon Brown vs. Luis Santana」
③「WBC World Super Welterweight Title
Terry Norris vs. Luis Santana」
④「WBC World Super Welterweight Title
Luis Santana vs. Terry Norris」
⑤「WBC World Super Welterweight Title
Luis Santana vs. Terry Norris」
サイモン・ブラウン(Simon Brown)のページ
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