日本を拠点に戦ったJ・フライ級のメキシカン、トーレス。ジョーイ・オリボ戦、風来ゆうと戦、エレオンシオ・メルセデス戦を紹介します。
ヘルマン・トーレス(メキシコ)
身長 cm:オーソドックス(右構え)
①ヘルマン・トーレス 10R 判定 ジョーイ・オリボ
(フライ級戦、1982年)
トーレス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
オリボ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:後に世界J・フライ級王者になる者同士の対戦(オリボはWBA、トーレスはWBC)。WBC世界J・フライ級王者イラリオ・サパタ(パナマ)に挑戦して判定負けしたトーレス。再起戦でアマド・ウルスア(元WBC王者)にも敗北。オリボ戦はその再起戦となる。オリボはアメリカの選手。彼もまたサパタ(パナマ)に挑戦して負け、その再起戦に敗北。そしてこの試合。似たような境遇にある二人。メキシコシティで行われた試合。背が高いオリボはジャブ。トーレスは接近して左フックを狙う。右ストレート・左フックが上手いオリボ。トーレスは9Rに右ストレートを決めるなどしたが、攻めをかわされるシーンが多かった。判定でトーレス。ダウンシーンは無し。映像ではオリボが勝っていたように見えたが。)
②ヘルマン・トーレス 6R KO 風来ゆうと
(フライ級戦、1982年)
トーレス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
風来:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
2R:右ストレートで風来がダウン
6R:右アッパー、右アッパー、左フックで3度、風来がダウン
(感想:日本で行われた一戦。WBC世界J・フライ級2位のトーレスには複数のリングネームがあり、この試合では「キョウエイ・トーレス」(他に「大関トーレス」)。風来はこれまで6戦全勝(5KO)で日本フライ級1位の新鋭。フットワーク、ジャブ・ストレートの風来。2R、器用な右ストレートで風来がダウン。距離を詰めてフック攻撃のトーレス。6R、風来が三度ダウンでKO。トーレスには無器用なイメージがあったため、こんなに器用かつ力強い倒し方は少し驚き。風来は思い切って打つ右ストレートと左フックに迫力があり、決して弱い選手ではなかった。この後も連勝を続けたトーレスは張正九のWBC世界J・フライ級王座に挑戦(初戦)。)
③ヘルマン・トーレス 9R TKO エレオンシオ・メルセデス
(フライ級戦、1984年)
トーレス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
メルセデス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
1R:右ストレートでトーレスがダウン
9R:左フックでメルセデスがダウン
(感想:ロサンゼルス「オリンピック・オーディトリアム」での一戦。張に判定負けして二度目の世界挑戦も実らなかったトーレス。元WBC世界フライ級王者のメルセデスと対戦。メルセデスは左を器用に使うテクニシャン・タイプ。世界王座は一度も防衛できなかったが、なかなかの実力者。1Rからジャブ・フックで積極的に攻めるトーレスだがダウンを喫する。しかしながらメルセデスはややパワー不足。6Rには左フックでダウン寸前になるメルセデス。9R、左フックでメルセデスがロープ外に飛び出すダウン。立ったがフラついており、レフェリーストップ。実力者に文句なしの勝利。トーレスは左フックと右ストレートが強かった。)
その後のトーレス
張正九にさらに二度挑戦して判定負け(どうしても張には勝てなかった)。しかし決定戦で姜順中を判定で下し、WBC世界J・フライ級王座獲得(1988年)。初防衛戦を李烈雨と行い、TKO負け、王座陥落。ようやく獲った王座もすぐに手放してしまった。強さもあったが弱点も。張正九が相手でなければもっと早く王者になっていたかも。
①「Flyweight
Germán Torres vs. Joey Olivo」
②「Flyweight
Germán Torres vs. Kazaki Yuto」
③「Flyweight
Germán Torres vs. Eleoncio Mercedes」
ヘルマン・トーレス(Germán Torres)①のページ
0 件のコメント:
コメントを投稿