WBA世界J・フェザー級王者。ファブリス・ベニシュ戦、ノーリー・ジョッキージム戦、ハオ・カルドソ戦ほかを紹介します。
ルイス・メンドサ(コロンビア)
身長 cm:オーソドックス(右構え)
①ルイス・メンドサ 12R 判定 ファブリス・ベニシュ
(WBA世界J・フェザー級タイトル戦、1990年)
メンドサ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ベニシュ:左ジャブと左右フック
(感想:メンドサがタイトル防衛。メンドサはコロンビアのスリムな黒人。(個人的に好みの)正統派スタイルで、ジャブ、右ストレートをシャープに打ち込む。レベルの高いコロンビアで国内王座(バンタム級)を獲得、防衛。決定戦でこのWBA王座を獲得。これが初防衛戦。挑戦者ベニシュはフランスの選手で、元IBF王者。世界王座返り咲きなるか、といったところ。パリでの一戦。ボクサータイプのメンドサが伸びがあるジャブ、ストレート。ファイタータイプのベニシュは接近して左右フックを振るうが、ディフェンスされてあまりヒットしない。最終ラウンド終了時に自身の勝利をアピールしたタフなベニシュだが、判定は2-1でメンドサ(ダウンシーンは無し)。正確なパンチが評価されたか。メンドサはテクニックで勝負する選手であるが、この試合では接近戦で打ち合い、迫力もあった。)
②ルイス・メンドサ 8R TKO ノーリー・ジョッキージム
(WBA世界J・フェザー級タイトル戦、1991年)
メンドサ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ノーリー:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
8R:右アッパー、右ストレートで2度、ノーリーがダウン
(感想:メンドサがタイトル防衛。二度目の防衛戦。挑戦者ノーリーはタイ人。ダオルン・チュワタナと一勝一敗、タイ王座(J・フェザー級)獲得、韓国で李承勲にKO負け。そして伝説の高橋ナオトとの二試合。初戦は高橋がKO勝ち。タイ王座戦に勝利後、リターンマッチで高橋に判定勝ち(東京ドーム)。高橋との初戦後は連勝で初の世界挑戦。タイ・バンコクでの一戦。共にスリムな体型、速いジャブ。ダッキングしながら前に出るノーリー。ワンツー、フック、ボディ打ちにパワーを込める。リズミカルな動きのメンドサは相手から距離を取ってジャブカウンター、ワンツー、左フック。4R、激しい打ち合い。フックを食うノーリー(どうやら一発一発にパワーを込めるため隙ができるようだ)。メンドサは隙を突く巧さ&パワー。その後も強打の応酬。ディフェンスでメンドサ優勢。8Rに強烈なシーン。右カウンターが効いたノーリー。さらに斜め下からの左フックを食い、右アッパーでダウン。立ったが、今度は連打からの右ストレートでうつぶせにダウン。そのままレフェリーストップ。メンドサが快勝。リズミカルに攻撃し、パワーを込めて隙を突いた。ノーリーは強かった。しかし、微妙に隙が。トップ中のトップは僅かな隙も見逃さない。その後のノーリー。横田広明、三谷大和(東洋太平洋ジュニアライト級王座決定戦)、ラクバシム(PABAジュニアライト級王座戦)に敗北。KO勝ちでWBFジュニアライト級王座獲得。勝つも負けるもKO、といった感じのエキサイティングな選手だった。)
③ルイス・メンドサ 12R 判定 カルロス・ウリベ
(WBA世界J・フェザー級タイトル戦、1991年)
メンドサ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ウリベ:左ジャブと左右フック
(感想:メンドサがタイトル防衛。三度目の防衛戦。挑戦者ウリベはチリの選手。デビュー戦で敗北してしまったが、それ以降は南アメリカのJ・フェザー級王座を獲得するなど、連勝中。ただし、これまでの試合は全てチリで行ってきた。敵地でどんな試合を見せるか? コロンビアのカルタヘナで行われた試合。パープルのオシャレなトランクスのメンドサ。手数が少ないウリベにイラついて挑発(3R)。ウリベは4Rに左フックでメンドサをグラつかせたが、打ち方が雑な印象。12R終了。判定は文句無しの3-0(ダウンシーンは無し)。この試合もパンチの正確さでメンドサが勝利。しかし、意外な打たれ弱さを見せた。その後、ウリベは多くの試合。強打者エロイ・ロハスにドロー、TKO負け。地元では強く、チリ王座、WBOラティノ王座(いずれもフェザー級)を獲得する活躍を見せた。)
④ルイス・メンドサ 7R KO ハオ・カルドソ
(WBA世界J・フェザー級タイトル戦、1991年)
メンドサ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
カルドソ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
4R:右アッパーでカルドソがダウン
7R:左フックでカルドソがダウン
(感想:メンドサがタイトル防衛。四度目の防衛戦。サウスポーの挑戦者カルドソはブラジルの選手。「ブラジル」と言えばエデル・ジョフレ、「何でもアリ」の格闘技であるバーリーチュードが有名だが、カルドソはどんな強さなのか? これまで全勝。ブラジルのバンタム級タイトルを獲得。ただし、この選手もウリベと同様、これまでの試合は全て地元。スペイン・マドリードで行われた試合。1Rから右フックでカルドソをグラつかせるメンドサ。カルドソの左ストレートも迫力があるが、メンドサがパンチのキレとディフェンスで上回る。4R、右アッパーでカルドソがダウン。その後もアグレッシブに攻めるカルドソだが、7R、左フックでダウンして終了。サウスポーを問題としなかったメンドサ。オーソドックスの選手にとって「サウスポーを倒す一番の武器」は左フック。左フックが得意なメンドサにはサウスポースタイルは特に脅威ではなかった。レベルの高いところを見せたメンドサだが、次の防衛戦で長身のラウル・ペレスに敗れ、王座陥落。その後も世界挑戦のチャンスには恵まれたが、王座返り咲きならず(ウィルフレド・バスケス、エロイ・ロハス、レジリオ・ツール、フレディ・ノーウッドに敗北)。優れたテクニシャンだったメンドサにはもっと防衛して欲しかったが、「上には上がある」のがボクシング界。)
①「WBA World Super Bantamweight Title
Luis Mendoza vs. Fabrice Benichou」
②「WBA World Super Bantamweight Title
Luis Mendoza vs. Noree Jockygym」
③「WBA World Super Bantamweight Title
Luis Mendoza vs. Carlos Uribe」
④「WBA World Super Bantamweight Title
Luis Mendoza vs. Joao Cardoso」
ラウル・ペレス(Raul Perez)のページ
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