2025年10月19日日曜日

ゾルト・エルデイ(Zsolt Erdei)&マーカス・ブラウン(Marcus Browne)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ライトヘビー級の実力者。「エルデイ vs. アブロン」「エニス vs. ハンショー」「ブラウン vs. ウィリアムス」ほかを紹介します。


ゾルト・エルデイ(ハンガリー)

身長178cm:オーソドックス(右構え)


マーカス・ブラウン(アメリカ)

身長187cm:サウスポー


ゾルト・エルデイ 12R 判定 デアンドレイ・アブロン

(WBO世界ライトヘビー級タイトル戦、2008年4月)

ゾルト・エルデイ(Zsolt Erdei)&マーカス・ブラウン(Marcus Browne)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

エルデイ:左ジャブ、右ストレート、フック

アブロン:左ジャブ、右ストレート、フック

(感想:エルデイがタイトル防衛。ハンガリー・ブダペスト出身の王者エルデイ。アマチュアでも実績があり、シドニーオリンピック(2000年)ではミドル級で銅メダル。プロではこれまで全勝。WBO王座を守り続けている安定王者。挑戦者はオハイオ州ヤングスタウン出身の黒人アブロン。NABO王座(ライトヘビー級)を獲得して、この世界初チャレンジ。ドイツ・ドレスデンでの一戦。距離を取りながらジャブを連打するアブロン。右ストレートにパワーを込める。エルデイはヨーロッパ人らしく正確にジャブ、ストレート。右目が腫れていくアブロン。しかし、互いにブロックするためダウンシーンなど大きな見せ場が無い。12R終了。判定は3-0。エルデイがワンツー&ブロックで勝利。アブロンはワンツーからの左フックなどに良いものがあったが、ブロックされた。ただ、共にKOを狙うような畳み掛けるような攻めがなかったのが、残念。意外なことにアブロンはこの後、全敗。)


デニス・グラチェフ 10R 判定 ゾルト・エルデイ

(ライトヘビー級戦、2013年3月)

ゾルト・エルデイ(Zsolt Erdei)&マーカス・ブラウン(Marcus Browne)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

グラチェフ:左ジャブ、右ストレート、フック   

エルデイ:左ジャブ、右ストレート、フック

(感想:30歳同士の対戦。アブロン戦後もWBO王座を守ったエルデイ。WBC世界クルーザー級王座も獲得して二階級制覇。王座返上後、バイロン・ミッチェルらに二連勝して全勝(33戦全勝(18KO))のまま引退。そして、このカムバック戦。グラチェフはロシア・イジェフスク出身。ニックネームは「Drago's Son」(『ロッキー4/炎の友情』に登場する「ドラゴ」の息子、という意味?)。キックボクシングのキャリアを引っさげてプロ入り。手本としているボクサーはマイク・タイソン、とのこと。アメリカを主戦場にこれまで12勝(8KO)1敗1分。デビューから好調でWBC米大陸王座、北米王座(いずれもライトヘビー級)を獲得したが、ルシアン・ブーテに北米戦で判定負け(初黒星)、王座陥落。エルデイ戦はその再起戦となる。モナコ・モンテカルロでの一戦(会場でマービン・ハグラーが観戦)。似たタイプの二人。グラチェフは全くタイソンに似ておらず、共にテクニシャンタイプ。無駄な動きが少なく、ダッキングしながらジャブ、ワンツー、左フック。互いにディフェンスし、決定打を許さない。時折ジャブ、ストレートがヒット。互角の展開で大きな山場が無いまま10R終了。TV解説席は「エルデイ勝利」を見ていたようだが、判定は2-1(ジャッジ三者とも「96-94」の僅差。ダウンシーンは無し)。グラチェフがわずかに勝利。リングサイドのジャッジにしかわからない微妙な差があったのだろう。個人的にはドローに見えた。エルデイは初黒星。内容では負けていなかったが、相手を圧倒するパワーに欠けた。リングに上がるべきではなかったような気がする(カムバックしなければ全勝だったのだが。リングに上がる理由があったのだろう)。その後の二人。エルデイは再起戦に勝利して引退。グラチェフはどうしたことか、WBCインター王座戦(ライトヘビー級)に敗れるなど四連敗。メキシコやヨーロッパでも試合をしたが、アメリカでの重要な地域王座戦に敗北。最後は連敗続きで引退。)


ファラー・エニス 10R 判定 アンソニー・ハンショー

(ライトヘビー級戦、2013年6月)

ゾルト・エルデイ(Zsolt Erdei)&マーカス・ブラウン(Marcus Browne)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

エニス:左ジャブ、右ストレート、フック

ハンショー:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

10R:右ストレートでハンショーがダウン

(感想:エニス(30歳)はペンシルベニア州フィラデルフィアの黒人。兄弟もボクサー。これまで20勝(12KO)1敗。デビューから連勝で北米王座(スーパーミドル級)獲得。しかし、その次の試合で判定負け、初黒星。再起三連勝中。ハンショー(35歳)はオハイオ州の黒人。アマチュアで活躍。プロでは23勝(14KO)2敗2分。デビューから連勝だったが、IBO王座決定戦(スーパーミドル級)でドロー。さらにロイ・ジョーンズ・ジュニアに判定負け、再起戦でTKO負け、ブランク。再起して二勝一分。ワシントン州シェルトンでの一戦。マイク・タイソン風の顔立ちのハンショー。右ストレート、しゃくるような左フックで攻撃。エニスは距離を取るタイプ。左のガードを下げた構えからジャブ、ワンツー、左フック。パンチにキレがあり、左ボディ打ちに威力。接近戦。意外にぎこちないハンショー。エニスはボディ攻撃。ディフェンス、パワーでややエニスが優勢。ただ、畳み掛けるようなハードな攻めをせず、淡々としたところがある。7R、ハンショーが連打。左ボディ打ちに巧さがあるが、パワーはそこそこ。10Rにハプニング。クリンチの離れ際にエニスが右ストレート。ハンショーがダウン。10R終了。判定は小差の3-0。エニスがパンチの鋭さで勝利。ただ、エキサイティングな試合ぶりではなかった。ハンショーはスピード感に欠けた。それで精一杯だったのだろう。その後の二人。ハンショーは次の試合にTKO負けで引退。エニスは次の試合に判定負けして、それが事実上のラストファイトに。似たようなキャリアとなった。)


マーカス・ブラウン 8R 判定 ラモント・ウィリアムス

(ライトヘビー級戦、2013年9月)

ゾルト・エルデイ(Zsolt Erdei)&マーカス・ブラウン(Marcus Browne)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ブラウン:右ジャブ、左ストレート、フック   

ウィリアムス:左ジャブ、右ストレート、フック   

(感想:ニューヨーク出身の黒人サウスポー、ブラウン(22歳)。アマチュアで実績。しかし、2012年ロンドン・オリンピックではメダル無し。プロではこれまで6連勝(6KO)。ウィリアムス(33歳)はカリフォルニア出身の黒人で、5勝(2KO)1敗1分。記録によるとこれが二年ぶりのカムバック戦。ニューヨーク・ブルックリンでの一戦。濃いヒゲを生やし、タオルをターバン風に巻いて入場のウィリアムス(イスラム教徒のよう)。試合ではジャブ、ストレートを狙う。ブラウンは典型的なサウスポーで、距離を取って速い右ジャブ、左ストレート。接近戦では右フックを振るうが打ち合いは避けたいらしく、相手の攻撃を距離を取ってかわす。ウィリアムスは攻められるとクリンチに逃げ、ブラウンはそれにイラ立ち。5R、クリンチ中にブラウンがヘディングをして減点。その後もブラウンのアウトボクシングが優勢。KO決着になりそうもない雰囲気で8R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。ブラウンが右ジャブで勝利。しかしながら、エキサイティングではない勝ち方。ウィリアムスはサウスポーに対応できず。その後の二人。ウィリアムスは連敗。タイトル戦を経験することなくキャリア終了。ブラウンは連勝を続け、WBCアメリカ王座(ライトヘビー級)、WBA世界ライトヘビー級暫定王座獲得。しかし、暫定王座の初防衛に失敗、初黒星(2019年)。ブランク後、WBC・IBF世界ライトヘビー級王座に挑戦したが、KO負け。「暫定王座」止まりだった。)


①「WBO World Light Heavyweight Title 

Zsolt Erdei vs. DeAndrey Abron」

②「Light Heavyweight 

Denis Grachev vs. Zsolt Erdei」

③「Light Heavyweight 

Farah Ennis vs. Anthony Hanshaw」

④「Light Heavyweight 

Marcus Browne vs. Lamont Williams」

 

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