2025年3月22日土曜日

エディ・スマルダース(Eddy Smulders)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

欧州L・ヘビー級王者。ヒューバート・ジマーマン戦、ヤウェ・デービス戦、ルー・デル・バーレ戦を紹介します。

エディ・スマルダース(Eddy Smulders)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

エディ・スマルダース(オランダ)

身長186cm:オーソドックス(右構え)


エディ・スマルダース 2R KO ヒューバート・ジマーマン

(L・ヘビー級戦、1992年)

スマルダース:左ジャブ、右ストレート、フック   

ジマーマン:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

1R:連打でジマーマンがロープダウン

2R:右カウンターでジマーマンがダウン

(感想:オランダの白人スマルダースは正統派。ニックネームは「Fast Eddy」(何が「速い」のだろう?)。ベネルクス(ベルギー、オランダ、ルクセンブルク)王座(L・ヘビー級)を獲得するなどこれまで全勝。ジマーマンはオランダ領キュラソー(カリブ海)出身の黒人。レスリー・スチュワート(トリニダード・トバゴ。後、WBA世界L・ヘビー級王者に)には敗れたが、IBFのインター王座(L・ヘビー級)を獲得した実績がある。キュラソーで行われた試合。1R、ややアップライトな姿勢から速いジャブ、ワンツーを打つジマーマン。スマルダースはジャブは少な目で右ストレート、左フック。接近戦では互いにクリンチ。右フックでグラついたジマーマン。スマルダースが左フックからの右ストレート、連打でダウンを奪う。その後、攻めるスマルダース、クリンチするジマーマン。2R、左フックで相手の懐に飛び込むジマーマンだが、右カウンターでダウン。立てず、KO。スマルダースが快勝。接近戦では共に粗いところを見せたが、スマルダースはコンビネーション、カウンター、ジマーマンはシャープなパンチに良さ。しかし、ジマーマンはこれが最後の試合となった。)


エディ・スマルダース 9R TKO ヤウェ・デービス

(欧州L・ヘビー級王座決定戦、1993年)

スマルダース:左ジャブ、右ストレート、フック

デービス:右ジャブ、左ストレート、フック

(感想:スマルダースがタイトル獲得。ジマーマン戦後も連勝のスマルダース(30歳)。オランダ王座(クルーザー級)を獲得した次の試合は欧州王座戦。デービス(31歳)はウガンダ・カンパラ出身の黒人サウスポー。1981年デビューのベテラン。キャリアは長いが、まだ王座を獲ったことがない。英連邦王座戦(L・ヘビー級)で判定負け、カール・トンプソン(後のWBO世界クルーザー級王者)にTKO勝ち、フランク・テートとのIBFインターコンティネンタル王座戦(L・ヘビー級)に判定負け。欧州王座決定戦(L・ヘビー級)で引き分け、その次の試合は再び決定戦。イタリア・カッシーノでの一戦。ボクサータイプのデービス。距離を取って右ジャブ、左ストレート、フック、左アッパー(同じウガンダの黒人サウスポー、アユブ・カルレに似たスタイル)。スマルダースは攻めの姿勢で右ストレート、左フック。ワンツーからの左ジャブといったテクニックも使用。互いにディフェンス。右パンチが強いスマルダースだが、空転。デービスがジャブでやや優勢。しかし、デービスはKOを狙って攻めるタイプではない(カルレもそうだった)。ただし、斜め上からの左ストレートに個性。5R、スマルダースの右ストレートがヒット。連打で攻勢。7R、デービスの左アッパー炸裂。8R、再びスマルダースが右強打&連打で優勢。9R、ダメージと疲労のデービス。コーナー付近で打たれたところでレフェリーストップ。スマルダースが右パンチで勝利。積極さで何とか相手のブロックを突破した。デービスは残念。アフリカのボクサーはクリーンなファイトをするが、これはプロボクシング。KOにつながる攻めをしないと逆にやられてしまう。スマルダースに勝てるだけの戦力を持ちながら負けてしまった。その後のデービス。好調。イタリア王座、WBCインター王座、欧州王座(全てL・ヘビー級)獲得。防衛にも成功。ただ、WBC世界L・ヘビー級王座挑戦者決定戦に敗れて世界挑戦はならず。闘争本能がもう少しあれば世界王者になっていたはず。)


ルー・デル・バーレ 8R TKO エディ・スマルダース

(WBA世界L・ヘビー級王座決定戦、1997年)

デル・バーレ:右ジャブ、左ストレート、フック

スマルダース:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

2R:左ストレート、左フックで2度、スマルダースがダウン

7R:左ストレートでスマルダースがダウン

(感想:デル・バーレがタイトル獲得。ヤウェ・デービスに勝利して欧州王座(L・ヘビー級)を獲得したスマルダース。防衛に成功したが、ファブリス・ティオーゾにKO負け(初黒星)で王座陥落。再び欧州王座を獲得、連続防衛。そして、「WBA3位」としてこの初の世界挑戦。ターゲットは空位のWBA王座(WBO世界L・ヘビー級王者ダリウス・ミハエルゾウスキーがWBA王者バージル・ヒルとの統一戦で判定勝ち。ミハエルゾウスキーがWBA王座を返上したため、決定戦が行われることになった)。WBA1位のデル・バーレはニューヨーク州ロング・アイランド島出身。ニックネームは「Honey Boy」(ハニー?)。デビューから連勝。ニューヨーク州王座(L・ヘビー級)を獲得。バージル・ヒルのWBA世界L・ヘビー級王座に挑戦したが判定負け。その後、連勝で、同王座への二度目のチャレンジ。ドイツ・アーヘンでの一戦(レフェリーはジョン・コイル)。共に坊主頭。動きのスピードも同じくらい。派手な金色トランクスのデル・バーレがサウスポースタイルから右ジャブ、左ストレート。スマルダースは慎重な構えから右ストレートを出すが、1Rから左ストレートを食う。2R、ジャブ、右フックをヒットさせたスマルダースだが、左ストレートでダウン。さらに左フックでダウン。サウスポーに苦戦するスマルダース。接近するが、もみ合い、クリンチ。7Rにも左ストレートでダウン。8R開始早々、スマルダースが左ストレートを打たれたところでレフェリーストップ。デル・バーレが左パンチで勝利。スマルダースはスピード感に欠け、左強打の標的と化した。この試合の時点では全盛を過ぎていた。勢いのあった頃に世界挑戦できなかったのが残念。その後の二人。スマルダースは三連勝で引退。デル・バーレは次の試合でWBC王者ロイ・ジョーンズ・ジュニアと統一戦、判定負け。WBA王座奪回を目指したが、王者ブルーノ・ジラードに勝てず。ブランク後、カムバックしたが、世界戦は無かった。)


①「Light Heavyweight 

Eddy Smulders vs. Hubert Zimmerman」

②「vacant EBU Light Heavyweight Title

Eddy Smulders vs. Yawe Davis」

③「vacant WBA World Light Heavyweight Title

Lou Del Valle vs. Eddy Smulders」 


バージル・ヒル(Virgil "Quicksilver" Hill)のページ 

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