WBO世界クルーザー級王者。ウェイン・ブライスウェイト戦、モハメド・アズーイ戦、デビッド・ヘイ戦を紹介します。
エンゾ・マカリネリ(イギリス:ウェールズ)
身長193cm:オーソドックス(右構え)
①エンゾ・マカリネリ 12R 判定 ウェイン・ブライスウェイト
(WBO世界クルーザー級タイトル戦、2007年)
マカリネリ:左ジャブ、右ストレート、フック
ブライスウェイト:ジャブ、ストレート、フック
(ダウンシーン)
5R:左フックでブライスウェイトがダウン
(感想:マカリネリがタイトル防衛。「親子ボクサー」のマカリネリ。父はアマチュアで活躍したことがあり、ジムを所有。息子にもボクシングを勧め、マカリネリは幼い頃からグローブに親しむ。プロ四戦目で敗北してしまったが、その後は快調。決定戦でWBUクルーザー級王座獲得。それを防衛し続けた後、WBO世界クルーザー級暫定王座決定戦に出場。勝利し、王座獲得。その後、正規王者に認定され、これまで26勝(20KO)1敗。ブライスウェイト戦は三度目の防衛戦。挑戦者ブライスウェイトはガイアナ出身の黒人選手で22勝(18KO)2敗。WBC世界クルーザー級王者だったが、WBA王者ジャン=マルク・モルメク(フランス)と王座統一戦を行い、3-0で敗北、王座陥落。今度はWBO王座を狙う。ウェールズ・カーディフでの一戦。アップライトな姿勢から細かく速いジャブを打つマカリネリ。ジャブは軽めだが、右ストレート、左フックにはパワーがある。ブライスウェイトはスイッチヒッター。頻繁に左右を切り替え、ストレートを狙う。5R、左フックでブライスウェイトがダウン。その後は接近戦。マカリネリが左ボディ打ち、マイク・タイソン式「右ボディからの右アッパー」。ブライスウェイトは攻められてクリンチしたり、相手を挑発するような妙な動きをしたり。12R終了。判定は3-0。離れても接近しても強かったマカリネリ。ただ、距離を取ったときの方が良いパンチが当たっていた印象。ブライスウェイトはスイッチが多かった。個人的には、そういう頻繁なスイッチは攻撃が中途半端になりがちなためオススメできない。その後もブライスウェイトはリングに上がり続け、WBA・WBCの地域王座を獲得したが、世界戦はマカリネリ戦が最後となった。)
②エンゾ・マカリネリ 4R KO モハメド・アズーイ
(WBO世界クルーザー級タイトル戦、2007年)
マカリネリ:左ジャブ、右ストレート、左フック
アズーイ:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
4R:左ボディフックでアズーイがダウン
(感想:マカリネリがタイトル防衛。四度目の防衛戦。アズーイはアルジェリアの選手。オーストラリア、ニュージーランドを主戦場にこれまで無敗。WBAやIBFの地域王座を獲得しており、「挑戦者としての資格は十分」といったところ。カーディフでの一戦。ゴング前、リング中央で両者が至近距離でニラみ合い(坊主頭のアズーイ。「危ない奴」といった感じの表情)。似た戦い方をする二人。ガードを上げてジャブ。右ストレートは共にパワフルだが、左フックはマカリネリの方が正確。ジャブの打ち合い。アズーイが左フックからの右ストレートを見せる。4R、ロープ際での左ボディでアズーイがダウン。腰のあたりを押さえたままアズーイは立てず、KO。アズーイは低い体勢になるクセがあり、マカリネリがその隙を捉えた。アズーイは「KO」の裁定に納得していない様子だったようだが、あっけない結末だった。基本に忠実なボクシングで防衛に成功したマカリネリ。次の試合は注目の世界統一戦。相手は同じ英国のデビッド・ヘイ。)
③デビッド・ヘイ 2R TKO エンゾ・マカリネリ
(WBC・WBO世界クルーザー級王座統一戦、2008年)
マカリネリ:左ジャブ、右ストレート、左フック
ヘイ:左ジャブ、右ストレート、フック
(ダウンシーン)
2R:右フックでマカリネリがダウン
(感想:ヘイがタイトル統一。ルーツが違う「英国同士」の対戦。WBC王者ヘイはドレッドヘアーの黒人。これまで20勝(19KO)1敗の強打者。英国グリニッジでの一戦。ゴング前、両者気合いの入った表情。ヘイは自由奔放なスタイル。ガードを下げた構えからジャブ、右ストレート、左フック。マカリネリはしっかりガードを上げて慎重姿勢。ジャブを打つマカリネリだが、ヘイがパワフルな右カウンター、左ボディフック。2R、ヘイが踏み込みの速い右ストレート。これが効いたマカリネリ。連打からの右フックでダウン。立ったが、足がフラついておりレフェリーストップ。ヘイが爆発力で圧勝。マカリネリは得意の「右ストレートからの左フック」を出す前にやられてしまった。その後の両者。ヘイは世界ヘビー級王座も獲得。マカリネリは英連邦ライトヘビー級王座獲得、ロイ・ジョーンズ・ジュニアをKO、といった実績。しかし、世界王座に返り咲くことはなかった。重量級らしい豪快さに少し欠けるところがあったが、正統派でパワーもある良い選手だった。)
①「WBO World Cruiserweight Title
Enzo Maccarinelli vs. Wayne Braithwaite」
②「WBO World Cruiserweight Title
Enzo Maccarinelli vs. Mohamed Azzaoui」
③「WBA・WBC・WBO World Cruiserweight Title
Enzo Maccarinelli vs. David Haye」
デビッド・ヘイ(David Haye)のページ
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