WBO世界J・ライト級王者。回転の速いフック連打で世界を獲得したオランダの黒人選手。ユージン・スピード戦、ピート・タリアフェロ戦、ナルシソ・バレンズエラ戦を紹介します。
レジリオ・ツール(オランダ)
身長171cm:オーソドックス(右構え)
①レジリオ・ツール 12R 判定 ユージン・スピード
(WBO世界J・ライト級王座決定戦、1994年)
ツール:左ジャブ、右ストレート、左右フック
スピード:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
2R:右フックでスピードがダウン
(感想:ツールがタイトル獲得。ツールは南米スリナム出身でオランダ国籍の黒人選手。英国ミドル級のクリス・ユーバンクに構え方・打ち方が似ている。ソウルオリンピック(1988年)に出場したことがあり、メダルは獲れなかったが、優勝候補のケルシー・バンクスを倒し、注目を集めた。プロでは欧州J・ライト級王座を獲得するなど戦績は悪くはないが、カルビン・グローブらに破れ、この世界戦まで少し遠回りしてきた印象。スピードはアメリカの選手。こちらも戦績は良いが、古豪バーナード・テーラーに破れ、少し遠回り。オランダ・ロッテルダムで行われた試合(ダイジェストで観戦)。フックを器用に使うツール。2Rには右フックでダウンを奪う。スピードは良いパンチを打つが「スピード」というほど動きは速くない。ツールが回転の速いフックをヒットさせ、判定は大差の3-0。ツールは身のこなしが速かった。スピードはこれで引退。)
②レジリオ・ツール 5R TKO ピート・タリアフェロ
(WBO世界J・ライト級タイトル戦、1995年)
ツール:左ジャブ、右ストレート、左右フック
スピード:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ツールがタイトル防衛。二度目の防衛戦。挑戦者タリアフェロはアメリカの黒人選手。負けてはいるがカルビン・グローブ、アルツロ・ガッティ、ケビン・ケリーら名のある選手との試合経験がある(バーナード・テーラーに勝利)。ニューオリンズで行われた黒人同士の一戦。ツールが速いワンツー(左ジャブからの右ストレート)、フック。タリアフェロもジャブを出すが、ツールのスピードと勢いに押され気味。4R、右フックで動きが止まったツールにタリアフェロが畳み掛けるようにフック連打(迫力)。しかし5R、ロープ際でタリアフェロが連打を浴びて前屈みになったところでレフェリーストップ。ダウンシーンは無し。最後は何かあっけなかったが「スタンディングダウン無し」のルールだったのだろう。タリアフェロも見せ場を作ったが、ツールが回転の速い連打で勝利。左ボディ打ち、ディフェンスも良かった。)
③レジリオ・ツール 12R 判定 ナルシソ・バレンズエラ
(WBO世界J・ライト級タイトル戦、1996年)
ツール:左ジャブ、右ストレート、左右フック
バレンズエラ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ツールがタイトル防衛。五度目の防衛戦。挑戦者バレンズエラはこれまで41勝(27KO)18敗2分のメキシカン。オスカー・デラ・ホーヤ、シェーン・モズリーにはKOされているが、北米J・ライト級王座、NABOのJ・ライト級、ライト級王座などを獲得してきた。ツールは 41勝(27KO)3敗1分。勝ち数とKO数は同じだが、負け数ではバレンズエラが圧倒(?)。メキシカンらしく思い切った右ストレート、パワフルな左ボディフックを振るうバレンズエラ。ツールは速いジャブ、連打。接近戦での打ち合い、もみ合い。12R、ラッシュをかけるバレンズエラ。判定は大差の3-0。パンチの正確さに差があったか。ダウンシーンは無し。バレンズエラは結構タフで力強いパンチを打っていた。負けながら強くなっていった選手だと思われる。ツールは安定したボクシング。ディフェンスもできていたように見えた。その後、ツールは王座を返上して引退。そして数年後ちょっとだけカムバック。一発で倒すようなパワーのある選手ではなかったが、よく鍛えられた良い選手だった。)
①「vacant WBO World Super Featherweight Title
Regilio Tuur vs. Eugene Speed」
②「WBO World Super Featherweight Title
Regilio Tuur vs. Pete Taliaferro」
③「WBO World Super Featherweight Title
Regilio Tuur vs. Narciso Valenzuela」
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