長い右ストレートを打つWBO世界ミドル級王者。ビクトル・ガリンデス戦、ランディー・スミス戦、サイモン・ブラウン戦ほかを紹介します。
ロニー・ブラッドリー(アメリカ)
身長180cm:オーソドックス(右構え)
①ロニー・ブラッドリー 1R KO マーセル・ハファカー
(ミドル級戦、1993年)
ブラッドリー:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ハファカー:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
1R:左ボディでハファカーがダウン
(感想:サウスカロライナ州チャールストン出身の黒人ブラッドリー。長いジャブ・ストレートを打つトーマス・ハーンズ型の選手(ややパワーに重きを置いた打ち方)。アマチュアで優秀な成績。プロ入り後、これまで7連勝(6KO)。ハファカーはオハイオ州の黒人で、5勝(4KO)4敗2分。直前の試合は四回戦で、2-0の勝利。ニューヨークでの一戦(リングアナはエド・デリアン)。共にスリムな体型で、鍛えた身体。互いに速いジャブ。ハファカーはシャープで振りが大きい左フックを振るう。ブラッドリーはワンツーからの左フック、回転の速い連打。フックはショートで小気味よい。左フックをボディにダブルで打ち込んだブラッドリー。間を置いて倒れたハファカーはそのままレフェリーストップ。ブラッドリーが隙を突く左フックで勝利。実にキレのいいパンチだった。ハファカーもパンチにスピードがあって良かったが、大きな振りのパンチは隙も大きい。これが事実上のラストファイトに。後、カムバックしたが二連続KO負けだった。)
②ロニー・ブラッドリー 1R KO ビクトル・ガリンデス
(WBO世界ミドル級タイトル戦、1996年)
ブラッドリー:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ガリンデス:左ジャブと左右フック
(ダウンシーン)
1R:右ストレート、左フックで2度、ガリンデスがダウン
(感想:ブラッドリーがタイトル初防衛。ハファカー戦後も連勝のブラッドリー。ニューヨーク州ミドル級王座を獲得後、WBO世界ミドル級王座決定戦に出場。最終ラウンドでのTKO勝ちで世界王者に。挑戦者ガリンデス(元WBA世界ライトヘビー級王者とは別人)はアルゼンチンの選手でWBO1位、無敗。しかし、これまでの試合はほとんど地元。どんな選手なのか? カリフォルニア「グレート・ウェスタン・フォーラム」での一戦。大きな実力差。1R、ブラッドリーの右ストレートでグラつくガリンデス。二度のダウンで終了。パンチが効いてしまえばランキングも過去の実績も関係なし。ガリンデスは強さを見せる前に終了。短い試合だったが、ブラッドリーはジャブが効果的だった。ガリンデスはその後も地元で多くの試合。しかし、WBOラティノ王座戦(ミドル級)で判定負け。以後は負けが増えていくようになった。)
③ロニー・ブラッドリー 2R KO ランディー・スミス
(WBO世界ミドル級タイトル戦、1996年)
ブラッドリー:左ジャブ、右ストレート、左右フック
スミス:左ジャブと右ストレート
(ダウンシーン)
2R:右フック、連打で2度、スミスがダウン
(感想:ブラッドリーがタイトル防衛。ニューヨークでの二度目の防衛戦。WBO10位のスミス。デビュー四戦目で敗北したが、それ以降は負け無し。直前の試合ではNABOミドル級王座を獲得している。しかしながら、ぎこちない打ち方。ブラッドリーが長いジャブ・ストレートに加え、左ジャブ・左フックといった左のパンチを器用に使う。1Rに右ストレートでグラついたスミス。「ダウン」だと思ったブラッドリーはコーナーへ。2R、二度のダウンで終了。ミスマッチな世界戦。ブラッドリーはこれで23戦全勝(19KO)に。その後、スミスは再起戦でKO負け、引退。)
④ロニー・ブラッドリー 12R 判定 サイモン・ブラウン
(WBO世界ミドル級タイトル戦、1996年)
ブラッドリー:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ブラウン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ブラッドリーがタイトル防衛。四度目の防衛戦の相手は強敵。挑戦者ブラウンは二階級制覇王者(ウェルター級、J・ミドル級)。これまで45勝(32KO)5敗のハードパンチャー。ブラッドリーにとっては試練。真価が問われる試合。ペンシルベニア州レディングでの一戦。パワフルな右ストレート・左フックで前進するブラウン。ブラッドリーはフットワークを使いながらジャブ・右ストレート。距離を取ってポイントを狙う。打ち合いではブラウンが優勢(8Rなど)。12R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。ブラッドリーが「打ち合わない作戦」で防衛。できればブラウンをKOして「ミドル級最強」と言われるような試合をして欲しかったところ。しかしながら、下の階級からやってきたブラウンの方がむしろパワーがあった。ブラッドリーの戦法が正しかったのかも。ブラウンは試合には負けたが、ミドル級でも危険な存在であることを証明(しかし、バーナード・ホプキンスのIBF王座に挑戦してTKO負け。以後、全敗。ミドル級の世界王者にはなれず)。その後、ブラッドリーは六度の防衛に成功し、王座返上。ブランク後にカムバック。最後の試合はTKO負け、初黒星。王者のまま引退していれば「全勝王者」として記録に残れた。なぜ中途半端に戦線離脱し、カムバックしたのだろう?)
①「Middleweight
Lonnie Bradley vs. Marcel Huffaker」
②「WBO World Middleweight Title
Lonnie Bradley vs. Victor Galindez」
③「WBO World Middleweight Title
Lonnie Bradley vs. Randy Smith」
④「WBO World Middleweight Title
Lonnie Bradley vs. Simon Brown」
サイモン・ブラウン(Simon Brown)のページ
0 件のコメント:
コメントを投稿