2020年5月8日金曜日

リー・ロイ・マーフィー(Lee Roy Murphy)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

「ダブルノックダウン」で有名なクルーザー級、マーフィー。マービン・カメル戦、エディ・テイラー戦、チサンダ・ムッティ戦を紹介します。

リー・ロイ・マーフィー(Lee Roy Murphy)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

リー・ロイ・マーフィー(アメリカ)
身長180cm:オーソドックス(右構え)

リー・ロイ・マーフィー 15R TKO マービン・カメル
(IBF世界クルーザー級タイトル戦、1984年)
マーフィー:左ジャブと右ストレート
カメル:右ジャブ、左ストレート
(ダウンシーン)
8R:右ストレートでカメルがダウン
(感想:マーフィーがタイトル獲得。シカゴ出身のマーフィー。12歳の頃、ボクシングを始める。才能があったようで、アマチュアで優秀な成績。オリンピックの代表にも選ばれたが、アメリカがモスクワオリンピックをボイコットしたため、出場ならず。プロ入り後、連戦連勝。これまで全勝ではあるが「パワーはスゴイが、スピードに難がある」という評価も(どうやら「自由な人」らしく、元々太る体質であるうえに、好きなときに好きなものを食べたりするのがパッとしない動きをしてしまう原因らしい)。王者カメルはWBC世界クルーザー級初代王者であり、IBF世界クルーザー級初代王者でもあるサウスポー(いずれも決定戦で初代王者に。珍しい記録なのではないだろうか?)。カメルの長いジャブが試合を支配している流れであるような感じだが、時折マーフィーの右ストレートが「ガツン」という感じでヒットする。8R、強烈な右ストレートでカメルがダウン。14R終了でカメルは負傷によりストップ負け(それに不満な観客がリングに物を投げ込む)。マーフィーは相手がサウスポーだったからかも知れないが、やや手数が少ないように見えた。しかし、右ストレートにはかなりの威力があった。カメルはWBCとIBFの初代王者だが、いずれも初防衛戦で敗れ、王座陥落。これもまた珍しい記録なのではないだろうか?)

リー・ロイ・マーフィー 12R TKO エディ・テイラー
(IBF世界クルーザー級タイトル戦、1984年)
マーフィー:左ジャブと右ストレート
テイラー:左ジャブと右ストレート
(感想:マーフィーがタイトル初防衛。テイラーは「ヤング・ジョー・ルイス」という別名もある選手(あのジョー・ルイスと何か関係があるのだろうか?)。デビュー以来、連戦連勝で無敗のまま、オジー・オカシオのWBA世界クルーザー級タイトルに挑戦したが判定負け。その後、二度のKO負けを喫したが、この二度目の世界挑戦のチャンスを得た。シカゴで行われた一戦。フットワークとジャブで距離を取ろうとするテイラーをジャブ・ストレートで追うマーフィー。動きは軽快だが自分から攻めて行かないテイラー。12R 、右ストレートが効いて棒立ちになったテイラーに連打を爆発させるマーフィー。テイラーはレフェリーストップ後に崩れ落ちた。マーフィーが強打で勝利。イマイチなチャレンジャーだったテイラー。軽量級の試合ならともかく、クルーザー級のような重量級ではジャブだけでは勝てないのでは? 結局、テイラーは世界王座を獲ることなく連敗してキャリアを終えた)

リー・ロイ・マーフィー 12R KO チサンダ・ムッティ
(IBF世界クルーザー級タイトル戦、1985年)
マーフィー:左ジャブ、右ストレート、左フック
ムッティ:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
9R:左フックでマーフィーがダウン
11R:左フックでムッティがダウン
12R:右ストレートで両者ダウン
(感想:マーフィーがタイトル防衛。ムッティはザンビアの選手。デビュー戦でTKO負け。ザンビアのミドル級王座を獲得するが、トニー・シブソンに判定負け(シブソンはその後(1983年)、マービン・ハグラーの世界ミドル級王座に挑戦する実力者)。それから経験を積み、体重も増え、クルーザー級で世界初挑戦。モナコで行われた一戦。マーフィーが強いジャブとストレート。ムッティは右ストレートを狙う。2R、右ストレートでグラつくマーフィー。ムッティが右ストレート、左フックで優勢に。9R、左フックでマーフィーがついにダウン。しかしタフなマーフィーは11Rにダウンを奪い、12Rにはお互いの右ストレートで両者もつれるようにダウン。立ったマーフィーが勝利。まるで映画『ロッキー2』のような結末。両者フラフラになっての激闘。マーフィーとムッティの名はこの試合により永遠に残るだろう。「80年代のクルーザー級」といえばイベンダー・ホリフィールドの時代だったが、この名勝負を演じたマーフィーとムッティは是非とも記憶しておきたい選手だ。)

①「IBF World Cruiserweight Title
Marvin Camel vs. Lee Roy Murphy」
②「IBF World Cruiserweight Title
Lee Roy Murphy vs. Eddie Taylor」
③「IBF World Cruiserweight Title
Lee Roy Murphy vs. Chisanda Mutti」

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