2026年5月22日金曜日

ミッキー・ウォーカー(Mickey Walker)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

世界ウェルター、ミドル級王者。ヘビー級にも挑戦した豪傑。トミー・ローラン戦、マックス・シュメリング戦ほかを紹介します。


ミッキー・ウォーカー(アメリカ)

身長170cm:オーソドックス(右構え)

ミッキー・ウォーカー(Mickey Walker)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ミッキー・ウォーカー 10R KO トミー・ミリガン

(世界ミドル級タイトル戦、1927年6月)

ウォーカー:左ジャブ、右ストレート、フック   

ミリガン:左ジャブ、右ストレート、フック

(感想:ウォーカーがタイトル初防衛。「トイ・ブルドッグ」と呼ばれたウォーカー。こんな無茶苦茶な男も珍しい。身長170cm。世界ウェルター王者になり、ヘビー級でも勝負。挑戦されたヘビー級の選手たちも困っただろう。こんな小さい選手を思いっ切り殴るワケにはいかない(かつてミドル級のスタンリー・ケッチェルがヘビー級王者ジャック・ジョンソンと戦ったが、ジョンソンは手加減。ケッチェルの不意打ちに怒ったジョンソンが全力でケッチェルをぶちのめし、ケッチェルは酷い状態になった)。ニュージャージー州エリザベス出身。本名「エドワード・パトリック・ウォーカー」だが、なぜか「ミッキー」と呼ばれるように。正式なボクシングの訓練もアマチュアの経験も無しでプロ入り(1919年)。タフネス&パワーの自己流ファイト。ただ、頭の回転は速かったという。1922年11月1日、ニューヨーク「マジソン・スクエア・ガーデン」で世界ウェルター級王者ジャック・ブリットンに挑戦。何度もダウンを奪い、15ラウンド判定勝ち。21歳で初の世界タイトル獲得。1925年 7 月 2 日、ニューヨーク「ポロ・グラウンズ」で世界ミドル級王者「人間風車」ハリー・グレブに挑戦。判定で敗れ、二階級制覇ならず。世界ウェルター級王座をさらに防衛したが、王座陥落。1926年12月3日、世界ミドル級王者タイガー・フラワーズ(グレブを破って王座獲得)に判定勝ちで二階級制覇。挑戦者ミリガンはスコットランドの白人。1924年11月26日、テッド・キッド・ルイスを判定で破って英国・英連邦・欧州王座(ウェルター級)を一気に獲得。さらに欧州ミドル級王座も獲得。英国・英連邦ミドル級王座も獲得してウェルター級に次いでミドル級でも統一王者に。その勢いでウォーカーに挑戦。英国ケンジントンでの一戦(短いハイライト映像で観戦)。ウォーカーは豪快なボクシング。振りの大きいフック、そして意外にキレイな打ち方で速いワンツー。ミリガンは接近してフック連打、ボディ連打。大きなパンチでウォーカー優勢。右カウンター、フックで何度もミリガンをダウンさせ、最後は強烈な左フックで完全KO。「荒っぽいケンカファイトの男」というのがウォーカーのイメージだが、荒っぽいのはフック攻撃。ワンツーはいつの時代でも通用するキレ味だった。ミリガンは手数を出して頑張ったが、マトモに打たれてしまった。その後のミリガン。このKO負けでエネルギーが消え去ったのだろう。再起戦に勝利したが、英国・英連邦・欧州ミドル級王座防衛戦で反則負け、王座陥落。英国王座の奪回を狙ったが、1RでKOされて引退(1928年8月)。)


トミー・ローラン 10R 判定 ミッキー・ウォーカー

(世界ライトヘビー級タイトル戦、1929年3月)

ウォーカー:左ジャブ、右ストレート、フック   

ローラン:左ジャブ、右ストレート、フック

(感想:ローランがタイトル防衛。ミリガン戦後も連勝のウォーカー。この男はなかなかのチャレンジャー。ミドル級王座を保持したままライトヘビー級に挑戦。王者ローランは「亡霊」のニックネームを持つ男で、ディフェンス&左のテクニックで相手に打たせない試合をする。相手からするとやりにくいタイプだが、ウォーカーがどんな攻めを見せるか? イリノイ州シカゴでの一戦。独特の構え方のローラン。アップライトな姿勢。両手を下げた低いガードで左腕を前に突き出す構え。ジャブ連打、フック、ねじ込むように打つ右ストレート、打ち下ろすようなワンツー。相手の攻撃はスウェーやクリンチで阻止(まるでクリチコ兄弟のよう)。ウォーカーは相手の大きさを意識しているのか接近してフック攻撃。一発狙いの攻め方で、かわされたり、クリンチされたりで単発に終わる。ただ、右フックカウンター、左フックを当てるシーンも。判定は2-1。攻めが雑だったウォーカー。ミリガン戦のようなワンツーが見られなかったのが惜しい。ローランはその後、ヘビー級に挑戦。ジャック・シャーキーに判定勝ちしたり、ペンシルベニア州ヘビー級王座を獲得したりといった活躍はあったが、プリモ・カルネラの世界ヘビー級王座への挑戦は判定負けでヘビー級制覇ならず。)


ミッキー・ウォーカー 10R 判定 エイス・ハドキンス

(世界ミドル級タイトル戦、1929年10月)

ウォーカー:左ジャブ、右ストレート、フック   

ハドキンス:左ジャブ、右ストレート、フック

(感想:ウォーカーがタイトル防衛。挑戦者ハドキンスはネブラスカ州バルパライソ出身の白人。ニックネームは「山猫」。1922年にデビューし、当時はライト級。ローカル王座を獲得、防衛。徐々に階級を上げ、ベテランのルー・テンドラーに判定勝ちするなど連勝の勢いでウォーカーの王座に挑戦したが、2-1の敗北。その再起戦で敗れた相手に雪辱して、再びウォーカーに挑戦。カリフォルニア州ロサンゼルスでの一戦。相撲のような押し合い、左右フック攻撃の応酬。同じように打ち合う両者。ウォーカーが足で距離を取ってカウンターで迎え撃つ作戦。ジャブ、フックで攻めてくるハドキンスにジャブカウンター、フック。10R終了後、レフェリーがウォーカーの手を上げた(判定はPTS)。ウォーカーは闇雲に打ち合う選手ではない。相手の勢いを受けながら正確に反撃して勝利。「作戦勝ち」といったところ。ハドキンスは積極的で悪くはなかったが、攻めが正直すぎたか。その後、ハドキンスはウォーカーと同じような道。ライトヘビー級の体格でヘビー級に挑戦。カリフォルニア州ヘビー級王座を獲得できたが、防衛ならず。プライベートでは酒場を経営したり、競走馬を多数所有したりで成功していたようだが、暴行事件を起こす。銃で撃たれる事件もあり、引退。)


マックス・シュメリング 8R TKO ミッキー・ウォーカー

(ヘビー級戦、1932年9月)

ウォーカー:左ジャブ、右ストレート、フック   

シュメリング:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

1R:ワンツーでウォーカーがダウン

8R:ワンツー、左フック連打で2度、ウォーカーがダウン

(感想:ハドキンスとの再戦後、連戦連勝のウォーカー(「史上最強」と呼ばれる所以)。ミドル級に相手がいないということなのか、ヘビー級に挑戦。ジャック・シャーキーとドロー、パウリノ・ウズクドゥンに判定勝ち、ジョニー・リスコに判定負けで久々の敗北。再起戦にKO勝ちしてシュメリング戦。シュメリングはドイツのクライン・ルッコー出身。ジャック・シャーキーに反則勝ちでヘビー級史上初めて「反則勝ちで世界王座を獲った男」に。シャーキーとの再戦に敗れ、王座陥落。再起戦でウォーカーと対戦。身長170cmのウォーカー。シュメリングは185cm。身長以外にも大きな差があるはず。ニューヨーク州クイーンズ「Madison Square Garden Bowl」での一戦。1R、ゴツい身体に仕上げてきたウォーカー。左フック連打、左ボディ打ち、右ストレート。左ジャブに速さ。シュメリングもジャブ、右ストレート、左フック。接近してショートフック連打。やはりパワー、身体全体の差が。ワンツーでウォーカーがダウン。2Rにも右を食ってウォーカーがグラつく。その後、接近戦が続く。互いにフック、ボディ打ち、もみ合い。シュメリングの右カウンター、右ストレートでウォーカーがピンチ。8R、ワンツーウォーカーがダウン。立ったが、今度は左フック連打でダウン。フック攻撃で何とか抵抗したウォーカーだが、このラウンド終了後に棄権。両目がふさがり、出血もひどかったという(モノクロ映像ではよくわからなかった)。シュメリングがヘビーなパワーで圧勝。普通に打ったヘビー級のパンチも下の階級から上がってきた者には脅威。これは当然の結果。その後の二人。シュメリングは次の試合でマックス・ベアにTKO負け。その次の試合は判定負け。ドイツで連勝後、大きなサプライズ。世界王者になる前のジョー・ルイスにKO勝ち。しかし、世界王者になったルイスに挑戦して1Rで無惨なKO負け。その後はドイツでの欧州王座&ドイツ王座戦で勝利。世界王者にはなれたが、「ヨーロッパのトップ」といったキャリアだった印象。ウォーカーはさすがにヘビー級ではキツかったか、再びライトヘビー級へ。1933年11月3日、「マジソン・スクエア・ガーデン」で世界ライトヘビー級王者マキシー・ローゼンブルームに挑戦したが、3-0で敗北。結局、三度の世界ライトヘビー級王座への挑戦は実らず、三階級制覇ならず。後にローゼンブルームに勝利したが、ノンタイトル戦だった。プライベートでは遊びで財産を使い果たし、キャリアの終わり頃には無一文。様々な職に就きながら趣味の絵とゴルフを楽しんだが、最後は身体の不調。1981 年 4 月 21 日、79 歳没。)


①「World Middleweight Title

Mickey Walker vs. Tommy Milligan」

②「World Light Heavyweight Title

Tommy Loughran vs. Mickey Walker」

③「World Middleweight Title

Mickey Walker vs. Ace Hudkins」

④「Heavyweight 

Max Schmeling vs. Mickey Walker」

 

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