WBA世界フライ級王者。ヘルマン・メラス戦(再戦)、リッチー・メプラナム戦(初戦)、エドリン・ダプドン戦ほかを紹介します。
エルナン・マルケス(メキシコ)
身長157cm:サウスポー
①エルナン・マルケス 8R 判定 ヘルマン・メラス
(スーパーフライ級戦、2008年7月)
マルケス:右ジャブ、左ストレート、フック
メラス:左ジャブ、右ストレート、フック
(ダウンシーン)
4R:左ストレートでメラスがダウン
(感想:共にソノラ出身のメキシカンで、これは再戦。初戦はマルケスが3-0で勝利。マルケスはこれまで19連勝(16KO)。小柄なファイターで、ニックネームは「Tyson」。WBAの地域王座(フライ級)を獲得している。メラスは17勝(5KO)9敗1分。ローカル王座(フライ級)を獲得している。メキシコ・エルモシージョでの一戦(リングアナはジミー・レノン・ジュニア)。サウスポーのマルケス。左ストレート、右フックをパワーを込めて打つが、タイソンには全く似ていない。メラスはボクサータイプ。距離を保って左ジャブ、右ストレート。互いにディフェンス。4R、左ストレートでメラスがダウン。その後もパワーでマルケスが押し気味。アッパー気味の右フックに迫力。ただ、全体的に狙いすぎで攻撃が単発になり、KOにつながらない。最終8R、攻めるメラス。右ストレートをヒットさせるが、仕掛けるのが遅すぎ。8R終了。判定は3-0。マルケスがパワーで勝利。しかし、もっとスムーズにコンビネーションできるようになる必要がある。メラスは慎重姿勢が長かった。相手のパワーに押されたことと経験不足が原因だろう。その後のメラス。驚くほど多くの試合。ただ、WBAの地域王座、北米王座といった大きなベルトは獲れず。勝ったり負けたり連敗したりだったが、通算戦績は65勝(41KO)70敗3分。KO負けは「8」で少な目だった。)
②リッチー・メプラナム 10R 判定 エルナン・マルケス
(スーパーフライ級戦、2010年3月)
マルケス:右ジャブ、左ストレート、フック
メプラナム:右ジャブ、左ストレート、フック
(感想:メラス戦後も連勝のマルケス。WBCの地域王座(フライ級)を獲得するなど、これまで25連勝(18KO)。メプラナムはフィリピン人で、ニックネームは「Magnum」。15勝(3KO)2敗1分。フィリピン王座、WBOの地域王座(いずれもフライ級)を獲得してきた。テキサス州グレープバインでの一戦。共にサウスポー、似た戦い方。機敏な動きでジャブ、ストレート、右フック。マルケスはワンツー、しゃくるような右フックに迫力。メプラナムは5Rに左フックをヒットさせるなど当てる巧さを発揮。7R、メプラナムがワンツーからの右フック。マルケスは攻撃をディフェンスされたり、逃げられたり。10R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。メプラナムが時折パンチをヒットさせて勝利。ディフェンスで差が付いた印象。マルケスは特に動きが悪いということはなかった。相手が似たタイプで、やりにくかったのだろう。大きな勝利を得たメプラナム。次の試合はWBO世界フライ級王座決定戦。これにTKO負け。マルケスとの再戦は3-0の敗北。ファン・フランシスコ・エストラーダとWBA・WBO世界フライ級王座を争って敗北。WBC世界スーパーフライ級王座への挑戦も失敗。地域王座戦で活躍できたが、メジャー団体の世界王座には手が届かなかった。)
③エルナン・マルケス 3R TKO エドリン・ダプドン
(WBA世界フライ級タイトル戦、2011年7月)
マルケス:右ジャブ、左ストレート、フック
ダプドン:左ジャブ、右ストレート、フック
(ダウンシーン)
3R:左フックでダプドンがダウン
(感想:マルケスがタイトル初防衛。メプラナムに初黒星を喫したマルケス。再起戦でノニト・ドネアとWBA世界スーパーフライ級暫定王座戦。これに敗れ、二連敗。再起二連勝。ルイス・コンセプシオンを下してWBA王者に。これが初防衛戦。これまで30勝(23KO)2敗。挑戦者ダプドンはフィリピン人で22勝(13KO)3敗。WBOアジア・ユース王座(ミニマム級)獲得、ムハマド・ラクマンに判定負け、WBOオリエンタル王座(ライトフライ級)、WBCシルバー王座(フライ級)獲得、といった実績。メキシコ・エルモシージョでの一戦。左右の構えの違いはあるが、共にジャブ。マルケスが左ストレートなど攻める姿勢で先手を取る。ダプドンはストレート、接近戦ではフックを出すが、動きが固い。3R、左フックでダプドンがダウン。立ったが、戦意喪失で試合終了。マルケスが楽勝。 左ストレート、フィニッシュの左フックが良かった。ダプドンは世界王座の挑戦者にしてはイマイチ。サウスポーが苦手だったのか、それともコンディションが良くなかったのか? ジャブ以外のパンチが少なかった。その後のマルケス。WBO王者ブライアン・ビロリアとの王座統一戦でTKO負け、王座陥落。WBA・WBO世界フライ級王者ファン・フランシスコ・エストラーダに挑戦してKO負け。WBA世界スーパーフライ級暫定王者になったルイス・コンセプシオンに挑戦したが、体重オーバーのうえ判定負け。世界王座に返り咲くことなくキャリアを終えた。)
④エドリン・ダプドン 1R KO ギデオン・ブゼレジ
(IBOスーパーフライ級タイトル戦、2013年6月)
ダプドン:左ジャブ、右ストレート、フック
ブゼレジ:右ジャブ、左ストレート、フック
(ダウンシーン)
1R:左フックでブゼレジがダウン
(感想:ダプドンがタイトル獲得。マルケス戦後、地元で連勝したダプドン。南アフリカでブゼレジと空位のIBO王座(スーパーフライ級)を争ったが、2-1の敗北。そして、このダイレクト・リマッチ。ブゼレジは南アフリカ出身の黒人。「IBO王座専門」の男で、ミニマム、ライトフライ、スーパーフライ級で王座を獲得。しかし、アドリアン・エルナンデスのWBC世界ライトフライ級王座への挑戦は2RでKO負け。南アフリカのケンプトン・パークでの一戦。「いかにもサウスポー」といった感じのブゼレジ。相手と距離を取って右ジャブ、左ストレート。フック連打を見せるが、全体的にパンチは軽め。接近戦を仕掛けるダプドン。打ち合いの中、左フック。うつぶせにダウンしたブゼレジは試合終了後も立てず。一発で終わった試合。ダプドンが上手く左を当てた。ブゼレジは元々はミニマム級ということもあって、身体全体のパワーで不利だったか。その後の二人。ブゼレジはIBO王座奪回、連続防衛。地元で活躍。ダプドンは初防衛に失敗(南アフリカで2-1の敗北)。ラストファイトは日本。赤穂亮に1RでKO負けだった(2022年。勝った赤穂は次の試合でジョンリル・カシメロにKO負け)。
①「Super Flyweight
Hernan Marquez vs. German Ivan Meraz」
②「Super Flyweight
Hernan Marquez vs. Richie Mepranum」
③「WBA World Flyweight Title
Hernan Marquez vs. Edrin Dapudong」
④「IBO Super Flyweight Title
Gideon Buthelezi vs. Edrin Dapudong」
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